『気象』

梅雨の季節になると、空もようとともに気持ちまで湿ってくる。
そんな気分になる人も、けっこういるんじゃないかな。
他方、雨を予報し自分の出番だと喜んでいる植物がある。
触れちゃいけない「あめふり朝顔」。
気象予報士がお揃いで雨の歌を合唱している。

おれも仲間入りとばかりに、曇り空からツーッと降りてきたのは青虫さん。
雨を察知して、あわてて避難する途中らしい。
それにしても、どこから降りてきたのだろう。
「アルプスの少女」のブランコ同様、空の一点から吊り下げられているみたいで笑っちゃう。

梅雨入りとなると、雨傘、合羽、長靴・・・・装備からしてうっとうしい。
やっぱり雨はきらいだよ。
ああ、五月のすかっとした空がなつかしい。
わが家のありふれた薔薇でさえ、光に透けてこんなに輝いていたんだもの。

梅雨入り前の、変化に富んだ気象の爽快感は何物にも代えがたい。
竜巻や突風はいやだけど、カミナリぐらいは気持ちをピシッと締めてくれる刺激剤だ。
一気に近づいてきて、都会のまんなかで暴れたヤツ。
あやうく逃げ切って、青空を待つ。
せいぜい数十分の鬼ごっこ。
童心に還って外に出てみれば、雷神さまの置き土産・・・・。
(おわり)

チャリンコの籠に降ったりして。
梅雨前のこんな時節、あられが降るなんて!
ともあれ、いずれの画像も季節感が程よく出ていますね。
湿気をとっぷり含みながら梅雨前の情感が漂ってくるようです。
絵にも文にも、詩情が漂うようで、「ニッポンの風情」が漂ってきます。
慌てて駅傍のマックに駆け込んで難を逃れた次第。
大きな窓ガラスに雹がバシバシ当たって、地上には横殴りの雨。
白い雨足が地表を這うように走り抜け、横断歩道で人が立ちすくむ。
それも一時、空が割れて黄色い光が差し込んでくる。
雨も雹も嘘だったみたいに、静止した形だけ残している。
頭の中のくもりが洗い流され、さながら天空ショ―を見終わったような快感だけが残りました。