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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(148) 『気象』

2012-06-15 01:04:18 | コラム

     『気象』



   


 梅雨の季節になると、空もようとともに気持ちまで湿ってくる。

 そんな気分になる人も、けっこういるんじゃないかな。

 他方、雨を予報し自分の出番だと喜んでいる植物がある。

 触れちゃいけない「あめふり朝顔」。

 気象予報士がお揃いで雨の歌を合唱している。


   


 おれも仲間入りとばかりに、曇り空からツーッと降りてきたのは青虫さん。

 雨を察知して、あわてて避難する途中らしい。

 それにしても、どこから降りてきたのだろう。

 「アルプスの少女」のブランコ同様、空の一点から吊り下げられているみたいで笑っちゃう。


   


 梅雨入りとなると、雨傘、合羽、長靴・・・・装備からしてうっとうしい。

 やっぱり雨はきらいだよ。

 ああ、五月のすかっとした空がなつかしい。

 わが家のありふれた薔薇でさえ、光に透けてこんなに輝いていたんだもの。


   


 梅雨入り前の、変化に富んだ気象の爽快感は何物にも代えがたい。

 竜巻や突風はいやだけど、カミナリぐらいは気持ちをピシッと締めてくれる刺激剤だ。

 一気に近づいてきて、都会のまんなかで暴れたヤツ。

 あやうく逃げ切って、青空を待つ。

 せいぜい数十分の鬼ごっこ。

 童心に還って外に出てみれば、雷神さまの置き土産・・・・。



     (おわり)




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ニッポンの風情 (丑の戯言)
2012-06-15 11:19:14
アレッ、最後の画像、あられですか?!
チャリンコの籠に降ったりして。
梅雨前のこんな時節、あられが降るなんて!

ともあれ、いずれの画像も季節感が程よく出ていますね。
湿気をとっぷり含みながら梅雨前の情感が漂ってくるようです。

絵にも文にも、詩情が漂うようで、「ニッポンの風情」が漂ってきます。
返信する
雹が降ったんですよ (窪庭忠男)
2012-06-15 18:27:56
「一天俄かに掻き曇り・・・・」まさに講談を地でいっている状況があったんですよ。
慌てて駅傍のマックに駆け込んで難を逃れた次第。
  
大きな窓ガラスに雹がバシバシ当たって、地上には横殴りの雨。
白い雨足が地表を這うように走り抜け、横断歩道で人が立ちすくむ。
それも一時、空が割れて黄色い光が差し込んでくる。
雨も雹も嘘だったみたいに、静止した形だけ残している。
頭の中のくもりが洗い流され、さながら天空ショ―を見終わったような快感だけが残りました。
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