「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」
出羽三山の一つ湯殿山には、そこでの修行〈体験〉を他人に漏らしてはいけないという決まりがある。
修験者にとっては掟と言ってもいい。
芭蕉の句の「語られぬ」は「湯殿山のことは」の意味で「ぬらす袂かな」は修行の有難さに感激して涙で袂を濡らすほどだと詠んでいる。
芭蕉が実際にどんな体験をしたのかは知る由もないが、ここで作った句は俳諧師松尾芭蕉の得意とする言葉遊びも若干顔を覗かせている。
別の解説を見ると、湯殿山は女人禁制で「恋の山」という別名があるそうだ。
また、湯殿山でのことは昔から「語るなかれ、聞くなかれ」とされており、この俳句が収められている「おくのほそ道」の文章の中にも、 「惣而此山中、微細 (総じてこの山の中の微細)、行者の法式として他言する事を禁ず。 」 という部分があるらしい
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