まさかあの温泉宿がモデルの一つだなんて
噂を聞くまで知らなかったよ
そう「千と千尋の神隠し」のことさ
ぼくが泊まったのはずっと前のことだが
長編アニメが公開されたときも
全然気が付かなかったもんな
とにかく積善館は古めかしかった
四万温泉の駐車場にクルマを停めて
橋を渡りながらほんとに古いと思った
積善館本館はもう建て直されていたが
目的の大正ロマン風の温泉風呂は
川沿いの一番目立つところで迎えてくれた
裸になって なんだか心細かったな
湯船がいくつもあって入浴の作法とか
自分が試されているように感じたのさ
天井が高くて浴槽がそれぞれ独立していた
湯の温度に差があるとも書いてあった
勝手な思い込みだったかもしれないが・・・・
湯の効能はどうだったかなあ
他のことに気を取られていて思い出せない
むしろ浴室を取り囲む蒸し風呂が気になった
恐るおそる木の扉を開けると
中は暗くて一人がすっぽり嵌まり込める
サウナの機能が昔から備わっていたのだ
噺家の三遊亭円朝が泊まったとか
情熱の歌人柳原白蓮が贔屓にしたとか
徳富蘇峰や丹羽文雄ら文人に好まれたとか
資料室にはたくさんの資料が展示されていた
初代が開業して以来の歴史の重みがびっしりと
千と千尋の「油屋」の発想は考えもしなかったが
そうか 千人風呂と呼ばれた浴室の萌黄色と
多層階の本館その他の造りがヒントかな
四万川の橋を渡ってそのまま入館するイメージも
家族がたらふく食って豚になった路地の店は
四万の温泉街に限らずあるよな
あの頃まだスマートボールも営業していたし
おっと 少々長すぎたかな
なぜか積善館の茶色に近い萌黄色は
ぼくのセピア色の記憶と瓜二つなもんで・・・・
食事の質素さは置いといては大正ロマン溢れる風呂は
近代的な風呂に慣れた者にとって一気にタイムスリップ出来る何処か懐かしい浴場でした。
このまま廊下伝いに新館へも行けましたが、やはり積善館はあの建物こそ積善館ですね。
今たかさんのコメントを読んで、「えっ」と驚き、そうかちっとも変っていないんだと納得しました。
「やはり積善館はあの建物こそ積善館」・・・・おっしゃる通りだと思います。
浴場でタイムスリップ、笑えるほど懐かしい。
歴史的な建物として指定されているので、そっち優先で営業しているのでしょうか。
もう一度、今度は泊りがけで、ゆっくりと訪れてみたいです。
興業収入では一位を譲ったようですが、宮崎駿さんの発想の豊かさは抜群で、とても尊敬しています。
他にもモデルと言われる渋温泉の金具屋、道後温泉の
道後館など、偶然にも三つとも泊まっているんです。
それぞれ素晴らしかったですが、渡り廊下で繋ぐ雰囲気から「油屋」は積善館と思う気持ちが強いですね。
道後館は以前に行きましたし、渋温泉の金具屋は、TV「新美の巨人たち」で「金具屋・斉月楼」をやっていて良かったので、今後の旅行プランに入れました。