世の中でサイババがブームになっていたころ
ぼくは身体術に凝っていた彼に誘われて
大学の体育館で身体術のイロハを説かれた
阿吽の動作から手ほどきしてくれたが
なんだかインド的な思想でヨガを連想した
あ・え・い・お・う~~ん
両腕を上にあげて胸を広げ気を吸い込む
胸を掻き抱いて全身に気をめぐらせ
体を小さく折ってう~んと息を吐く
彼と出会うと毎回それの繰り返し
身体術の何たるかもわからないうちに
彼は突然インドへ旅立った
何年かして彼から便りが届き
インド人のように黒光りする顔で我が家に現れ
ヨガの師の下で修業したことを告げた
土産は浴室の排水溝を詰まらす垢の山
女房が嫌がるので一日限りの客となった
話を聞きたかったがそれっきりの縁
ああ 魔力魔力 インドの魔力
一番たぶらかされたのはこの僕らしい
身体術のお話は未だ悟れないまままだ
ヨガにハマった方ですか。
インドまで行って実践してくる行動力が凄いです。
人によって、物事に対する価値観が違いますが、一途さがありますね。
そうなんですよ。
深い心情があったのかは知りませんが、インドまで行ってヨガの師について修業したらしいです。
我が家を去ったその後は杳として行方知れず、もともと遊民的でしたから、おのれの信念に従って放浪していた気がします。
おっしゃる通り、思いついたらすぐ行動する一途さには圧倒されます。
印象深い友人です。
私もある時期には何年にもわたってそういう方を密着取材をし、自分の体を実験台にもしてもらって常識では考えられないような現象を体験しました。特にÑ氏については医師などの協力も得ながら、その能力が多くの病人を癒す現場もみてきました。
ところがいつも人一倍元気だったN氏は、60歳で急死したのです。
私は、関西の生駒にあるN氏の道場でおこなわれた葬儀に行き、私はそこで取材で顔見知りになっていた韓国の航空技術者S氏に会いました。
「王室付きのあの女性占い者の言っていたことは本当だったんだな~・・・」とS氏は深いため息をつきました。
韓国の王室には昔から王が政治決断をするとき補佐する”女性占い師”がいるといいます。
「その占い師がはじめてN氏に会ったとき、私はそばにいたのですが、、、じーっとN氏の顔を見てこう言ったのです。
”あなたは60の坂を超えることができません”」
N氏ほどの特異能力者でも、自分の明日はわからない、、、急な死を防ぐこともできなかった。
S氏は生命のはかなさと無常を、私にお伝えたかったのかもしれません、、、
N氏については、かつてお話を伺っていた気がしますが、韓国の航空技術者S氏の言についてはこれまで知りませんでした。
そうですか、韓国にも王政があってお付の女性占い師がいたのですか。
そして「あなたは60の坂を超えることができません」とN氏に言い、その通りになったのですか。
不思議ですが、そうした特異能力を持つ女性はいそうですね。
逆に特異能力を発揮していたN氏は己の運命を予見することなく亡くなったのですか。
儚いですね。
もしそうでなかったら怖くてしょうがないですね