梶井基次郎という作家をご存じだろうか。
代表作『檸檬』と書けば思い出していただけると思う。
表題作「桜の樹の下には死体が埋まっている」は、その『檸檬』という小説集の中の一編である。
梶井基次郎(かじい もとじろう、1901年〈明治34年〉生まれ、1932年〈昭和7年没。
20篇余りの小品を残し、文壇に認められてまもなく、31歳の若さで肺結核で亡くなった。
感覚的なものと知的なものが融合した簡潔な描写と詩情豊かな文体で死後次第に評価が高まり、今日では近代日本文学の古典のような位置を占めている。
日本の自然主義や私小説の影響をうけながらも、詩人的な感覚の作品が多い。
梶井基次郎は明治・大正・昭和の名だたる小説家や批評家から、その魅力を語られ賞讃されている。
檸檬や「桜の樹の下には死体が埋まっている」は青空文庫で無料で読めるのでぜひ挑戦していただきたい。
余談ながら僕は「桜の樹の幹はどうして炭のように黒いのだろう」と疑問に思っていた。
屍体が埋まっているとの感覚は未だに持てないが、あのように焼け焦げたような幹や枝から爛漫の櫻花が咲くことに対比の妙を感じている。
「花明かり」という言葉は幹や枝の黒色があったればこその美しさから生まれたのだろうと勝手に得心している。
参考=梶井基次郎
〈画像はウィキぺディア〉より
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