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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム339 『誤変換』

2023-01-15 01:04:07 | ポエム
近ごろ誤変換が多くて参っている 多くはこちらのうっかりミスだが 物覚えの悪いパソコンの怠惰な態度にも原因がある もう5年も付き合う仲だろうオレに慣れろや   例えば「百舌の贄」など類似語がなければ間違わない 褒めた途端に「なければ」を「泣ければ」には泣かされる どうして普段使う言葉を誤変換するのだい 単純に前の使用例をなぞるのはやめてくれ   こんなことだと . . . 本文を読む
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ポエム337 『クーリング・オフ』

2022-12-17 01:27:38 | ポエム
我が家にやってきた自走掃除機ル〇バ 広々としたフロアを念頭に作られたんだろうに 机や椅子の脚だらけの部屋で あっちへ行っちゃゴツンこっちを向いちゃゴツン 2~3日ですっかり気の毒になってしまった   おまえ傷つかなかったかい? ぼくは丸い性格だからぶつかっても大丈夫 相手もぼく自身も傷つかないように設計されているんだ 障害物に引き留められて立ち往生はするけど 動ける隙 . . . 本文を読む
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ポエム334 『ムサビという男』

2022-12-01 01:55:55 | ポエム
ムサビとあだ名したあの男は いつも絵の具で汚れたジーパン姿で ぼくの部屋にふらりと現れた   最近画いたというルオーに似た絵を提げ 絵の具代でいいから買ってくれという ぼくも同じような境遇だから気安く応じた   フランスに留学するのが夢だったが ある日とうとう実現しそうだと告げに来た 同期のお嬢様が応援してくれるのだそうだ   いかにもムサビら . . . 本文を読む
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ポエム327 『酔芙蓉は戦が嫌い』

2022-07-15 01:40:18 | ポエム
 (朝の酔芙蓉)   画像は(RORTI)より   太陽の化身 ひまわりも 酷暑に咲く 仏桑華(ハイビスカス)も 戦争という悲劇に 巻き込まれた   玉音放送を 項垂れて聴いた人びとは 沖縄の悲惨を あまり知らなかった ハイビスカスを 仏桑華と呼ぶことも   美しさの代名詞でもあった 芙蓉の花 火炎放射器に焼きただれた沖縄には 仏桑華(芙蓉)は 似合い . . . 本文を読む
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自薦ポエム136 『筏葛に秋波を送られて』

2022-06-20 00:00:00 | ポエム
 筏葛(ブーゲンビリア)  (季節の花300)より   初夏の光は 希望の使者 ほら 筏に乗ってあなたのもとへ 意味ありげな秋波が送られる ああ あか紫の誘惑よ イカダカズラのいたずら心だろうか   18世紀にリオデジャネイロで発見された 南米ブラジル原産の情熱的なつる性常緑低木よ 紫 赤 黄 橙 白などの花を携えて ようこそ日本に来てくださいました . . . 本文を読む
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自薦ポエム135 『物騒ながらイシャコロシ』

2022-06-14 08:37:47 | ポエム
 キランソウ (ウェブ画像)より   聞いて驚くなよ 皆の衆 オイラの異名は医者殺しっていうんだ まるで凶悪きわまりない殺人犯みたいだろ? でもさあ ほんとは誉め言葉なんだって   医者いらずとか医者泣かせと同じ意味 それなら納得だが ちょっとキツイよな ほかに地獄の窯の蓋とも呼ばれている やっぱり憎まれていそうな不安があるが   いやいやそ . . . 本文を読む
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ポエム326 『にちりんが走る』

2022-06-12 00:03:36 | ポエム
 特別急行「にちりん」   ただいま大分から戻りました 報告した自分の声に気づいて目が覚めた ええーッ? 俺は何処へ行ってたんだ いったい誰に報告しているんだ・・・・ リタイアして30年も経つのに   ぼくの記憶はしばらく霧の中をさまよった 乳白色に霞んだ森の奥が明るみ初め そこに暈を伴なった日輪が現れた 暈は虹色に変化し眩しさに目を細める そうかJR九 . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(398) 『ありのままの春』

2022-04-14 00:07:43 | ポエム
 シャガ   四月に入っていっぺんに暖かくなった。 ちらほら咲きかけていたシャガが、われもわれもと花開いた。    チューリップ   最初の球根から、今年で6年目の子孫である。 ずいぶんイジケているが、咲いて見せる根性には恐れ入りました。    スイセン   そろそろ終わりに近い感じだが、最後の光芒を放っている。 ひと月ぐ . . . 本文を読む
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自薦ポエム126 『運べやハコベ』

2022-03-29 00:17:34 | ポエム
 ハコベ  (ウェブ画像)より     薄暗がりからぼーっと浮かび上がる 清楚な姿のあなたは誰?    春を待たずに起きだして しあわせを運ぶメッセンジャーですか   それとも花の王冠をしずしずと運ぶ 王室づきの侍女でしょうか   もう広場には多くの人が集まっています 戴冠式を待ちのぞむ素朴な民たちでしょうか   朝 . . . 本文を読む
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自薦ポエム123 『スズランスイセンと赤く染まった空』

2022-03-10 00:43:00 | ポエム
 スズランスイセン (ウェブ画像)より   ある日きみから一通の手紙をもらった 東京の下町から近県に疎開して15年経っていた ぼくの住所をどのように探り当てたのか 戦火を逃れて互いに町を離れていたのに   手紙を手にして最初に感じたのは なつかしさというより戸惑いだった だってぼくは一緒に遊んだはずのきみを あまりはっきりとは思い出せないんだ   . . . 本文を読む
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自薦ポエム108 『カタバミと蝶と女の子の話』

2021-11-26 21:13:35 | ポエム
 カタバミ 〈ウェブ画像〉より   六月は家庭に何かが起こる月 エミちゃんは父さんに子犬を捨てられた マンションのクローゼットに隠しておいたのに 父さんの出勤前に見つかってしまった   母さんには内緒にするように頼んでおいた ちょっとの間だけよと見逃してもらったが シロがクンクン鳴いたので 父さんが気づいてしまったのだ   ここでは犬も猫も飼 . . . 本文を読む
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自薦ポエム107 『ヒトリシズカに偲ぶ歌』

2021-11-19 03:05:45 | ポエム
 ヒトリシズカ  (ウェブ画像)より   陽のあるうちに壺阪山の宿に入ると 川を見下ろす座敷に煎茶と葛菓子が待っていた せせらぎの音を聴きながら一服していると 八十歳目前で逝ったSさんとの思い出が甦ってきた   Sさんは小さな出版社の社長だった ぼくがその零細企業の社員第一号だった 一番の思い出は木更津まで歌集の納品に行って 帰り道でミゼットのライトが点か . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム〈354〉 『川柳・可愛げあり』

2021-11-01 00:05:00 | ポエム
〇 新庄に 「お前は悔しいくらい可愛いな」〈故野村監督のことば〉 〇 野球のセオリー とらわれない剛志を大抜擢〈日ハムの首脳陣やったね〉 〇 捨てる神〈トライアウトでどの球団もノー〉あれば 拾う神あり〈まさかの日ハム監督〉 〇 野村監督さん 広い天から 僕の采配・選手指導を見ていてください〈新庄剛志〉 〇 大谷は 大リーグ選手にまで愛されて〈選手間投票による年間最優秀選手に選ばれる〉 〇 . . . 本文を読む
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ポエム(303) 『秋は来ないの?』

2021-10-16 00:00:02 | ポエム
ああ 秋が恋しい 秋はどこへ行ったの?   えっ どうしたの 秋なんて 目の前にあるじゃないか   どこに? 見えないよ   そうか 君は 秋を特別なものに思っているんだ   そりゃそうさ  高い空 澄み切った空気   心地よい風 揺らぐ野の花 晴れ晴れとした気分   う~ん たしかにな あるいは君の . . . 本文を読む
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自薦ポエム94 『ネモフィラに魅せられて』

2021-09-01 00:49:59 | ポエム
海が咲いた 空が咲いた 国営ひたち海浜公園のはるかな地平に 幸せの国が浮かんでいる   空が咲いた 海が咲いた なんというブルーだ 吸い込まれるアクアの青だ   海が咲いた 空が咲いた 世界の花々がいっせいに息を呑む それほど特別の青の賜物だ   海も空も咲かない公園は どんよりと心が萎える こんな気持ちを人はなぜブルーというのだろう & . . . 本文を読む
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