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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム380 『天』

2024-05-24 00:00:00 | ポエム
天 ・ 点 天を仰ぐ 暑い 直視できない点 黒点   子供の絵なら 簡単 ゴマのような 黒点 太陽フレアまで クレヨン   カナダで オーロラ 電離層 パニック 気象衛星 多数墜落   ・ 点 天 天を仰ぐ 熱い 直視できない 黒点   気象も 天文学も 天に始まり 点に終わる 人生は 天の思し召し   &n . . . 本文を読む
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ポエム376 『幽霊草』

2024-03-31 02:50:50 | ポエム
母は 鬼無里から逃げ帰るとき 幾つか渡った川の土手で 幽霊草を見た   旦那様に離縁されたとも知らず 盆休みを口実に 生家へ戻された   父には後添いがいて 手紙を見ると 烈火のごとく怒りだした   おまえ 誰と乳繰り合ったんだ 旦那には 子種がないはずだと書いてある   母は 身ごもった腹を抱え 善光寺裏の 口入れ屋に泣きついた . . . 本文を読む
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ポエム372 『令和枯れすすき』

2024-03-01 03:14:36 | ポエム
「昭和枯れすすき」での さくらと一郎の歌いだしは <貧しさに負けた~~ <いいえ 世間に負けた~~ <この街も追われた <いっそきれいに死のうか   <力の限り 生きたから     昭和は夢に満ちた時代かと思っていたが このような歌詞が生まれる要素はあったのだろうか 信じられない思いで歌詞をまさぐった <未練などないわ   <花 . . . 本文を読む
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ポエム370 『ひまわりをもう一度』

2024-02-20 00:52:00 | ポエム
ソフィア・ローレンさん もう一度あの映画に出てください ジョバンナ役で世界を感動の渦に巻き込んだ 映画「ひまわり」に・・   ロケ地はかつてのソ連邦(現ウクライナ) 兵士アンオニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)の 12日間の結婚休戦を永遠にと精神疾患を装うが もくろみは入院後にばれて戦地へ送られる   汽車の中と外のホームで見つめ合う二人の別れ 二度と会う . . . 本文を読む
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ポエム369 『真綿色のシクラメン』

2023-12-31 01:12:00 | ポエム
  繭玉   (画像はウィキペディア)より   真綿って見たことありますか 真綿色したシクラメンほど清しいものはない、と 小椋佳が詞にしたあの真綿です   真綿は蚕が作る繭玉のうち生糸にできない品質のものを 苛性ソーダなどで処理し水洗いの後 繭の繊維を伸ばして重ねたものです   色はやや黄色みが乗った白とでも言いましょうか 真珠の色に近いかもし . . . 本文を読む
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ポエム371 『乳歯のドラキュラ』

2023-09-26 00:26:00 | ポエム
パソコンゲームを一緒に観ていたら いきなり孫に腕を噛みつかれた 痛いよ おまえはドラキュラか!   引き幅して腕をさするぼくに 小学校1年生の彼は顔を近づけ ニーっと歯をむき出しにして見せた   おや? 上の歯並びがどこか変だ 一部分だけ空き歯で色も冴えない そうか ひょっとしてムズガユイのか   ウンと首を縦に振るしぐさ もうすぐ残った乳歯 . . . 本文を読む
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ポエム366 『ガリラヤ湖から』

2023-06-12 00:40:40 | ポエム
ガリラヤ湖はヨルダンの大地溝帯の端にある 死海につぎ2番目に標高の低い湖だ 魚がよく獲れるので30隻もの舟が操業していたという イエスはこの湖を見おろす丘の上に立って布教した   漁師ペテロはそれを聞いてイエスの一番弟子になった たちまちガリラヤ湖周辺の人びとはイエスに帰依した ガリラヤ湖西岸とイスラエルを結ぶ街道を通って キリスト教は世界に広まっていった   . . . 本文を読む
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ポエム355『新緑の風』

2023-06-06 00:23:13 | ポエム
六合村の応徳温泉に行きたいな 2年ほどご無沙汰だけど変わりないかな 伝統的建造物群保存地区の清潔さも保っているかな おいしい蕎麦屋さんもまだやっているかな   もう何十年も前に一年間湯治して 糖尿病で瘦せ衰えた体を治してもらった ぬるめだけど内臓の芯まで温めてくれる 効能あらたかなあの温泉だ   村の入り口に咲いていた黄花コスモスよ いつもぼくを快く迎えて . . . 本文を読む
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ポエム353『未来という危うきもの』

2023-04-29 00:22:35 | ポエム
ミライへ育む予算 ある広報に載っていた言葉だ   子供たちの未来へ予算を増やしていくという意味だろうが ミライへ育む予算・・・・といわれると自信無げに聞こえる   目の前に組まれた予算ではなく これから育む予算のようだ   意気込みはいいが 当てにできるのだろうか   市の行政にまやかしはないだろうが 岸田総理の「異次元の少子化対策 . . . 本文を読む
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ポエム348 『撫子の歌』

2023-04-03 07:13:30 | ポエム
 撫子の花  画像は(季節の花300)より   なでしこは撫子色に咲く むかしから変わらない優しい色   しとやかで慎ましく お嫁さんに最も望まれた女性の象徴   ひとの通る散歩道の傍らで くさに紛れてひっそりと   うえを見る者には気づかれない したを見る者には嬉しい足もとの花   おもいでは数知れず いまさら披露 . . . 本文を読む
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ポエム347『時告げ鳥』

2023-03-30 03:01:01 | ポエム
東の空が明るみはじめると 田舎の集落は賑やかになる コケコッコー ウウウー 雄鶏が首を伸ばして声を振り絞る   オンドリャー早く鳴かんかい ボスが若いオスをひと睨みすると どの家の鳥小屋からも騒がしい足踏みが始まり 時告げ鳥の声で夜の幕を巻き揚げられる   つられて若い女房たちが夜具を抜け出し 竈に松葉を突っ込んでマッチで火をつける 細く割った薪をくべ火 . . . 本文を読む
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ポエム345『ハクモクレンが眩しい』

2023-03-16 00:02:06 | ポエム
 ハクモクレン  画像は(季節の花300)より     バス停の近くに白木蓮の花が咲いている バスはなかなか来ない 時刻表を確かめるともう10分遅れている 振り返って見上げる白い花が眩しい   バス停に着く寸前にバスが行った後だから もう30分ほど次を待っている ハクモクレンの花を何度見上げたか 太陽にまみれて焦げそうなほど眩しい   . . . 本文を読む
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ポエム343 『春雷は季節のつかい』

2023-02-26 01:35:14 | ポエム
花粉で空が黄色くなると どこだか見えない場所で痴話げんかが始まる あんた雪女にも気があるんでしょう 女神の言いがかりに男神が目を三角にする   また季節の発作が始まったか なに誤魔化してるのよこの浮気者 手元にあった鍋やフライパンを投げつける ガラガラ ドシャーン   見えないのをいいことに なんていう癇癪持ちなんだ 下界じゃ痴話げんかみたいなんて言って . . . 本文を読む
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ポエム342 『カルミアに魅せられて』

2023-02-18 00:45:00 | ポエム
  (カルミアの花)  (季節の花300)より   お菓子の国からこぼれ落ちたのか 色も形もちがう花弁のひとひらよ 舌の上に載せると溶けてしまいそうな米菓子 江戸時代から伝わる金平糖もまじっている   たしかに優美な女性のようでもある 大きな希望の花言葉も似合っている だけど野心や裏切りも裏表? なぜか人間の二面性を見るようだ   葉っぱに毒 . . . 本文を読む
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ポエム341 『シクラメンの眠り』

2023-02-10 16:12:33 | ポエム
正月を共に過ごしたシクラメン つぎつぎと花を開いて未だに健在だ 大寒をやすやすと乗り越え 家族の期待に応えてくれた   シクラメンよ ありがとぅ 花に衰えが見えたらやさしくひねり 葉っぱも枯れてきたらむしり取る ときどき薄日をあてて幸せ色を取り戻す   キミはいつまで咲き続けるんだ 夏になれば花は打ち止めとなり 葉っぱも枯れて命が尽きたような姿になるが . . . 本文を読む
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