goo blog サービス終了のお知らせ 

どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

自薦ポエム86 『天狗の鼻がお似合いか』

2021-07-28 00:08:51 | ポエム
何かに似てる 誰かに似てる そんなことを思ったことはないですか   トレンド女優に似てる イケメン男優に似てる 鏡の中の自分にうっとりした時期もあったでしょう   誰に似ているか 何に似ているか  音声や匂いや味が何に似ているのかって・・・・   そうなんだよなあ  ものごとを認識するしょっぱなはそれなんだ   アンスリウム・アンドレ . . . 本文を読む
コメント

ポエム(290) 『5分間の滑走路』

2021-02-22 00:37:52 | ポエム
あっ ひこうきだのろのろと動いているしっぽをピンと立てて誘導路のはしっこまでいく赤いよこじまに 青地に白い星をつけた尾翼ぐるっと向きを変えていきおいをつけはじめる機首が上を向くともう 滑走路とはバイバイだ自信満々にアメリカ飛んだふとっちょがビルを飛び越えたあっ こんどは赤い鶴だUターンして滑走路の端っこへ助走をつけて ぐんぐん機首を上げるあさひがJALの翼を持ちあげた5分間の滑走路凝縮された時間の . . . 本文を読む
コメント

ポエム(284) 『ノムさんの言葉』

2021-01-28 00:35:14 | ポエム
野村監督のことを思い出すとことばの操縦士という気がする名将と言われる野球人は少なくないがノムさんほど言葉をじんわり操った例はない試合が終わるとベンチ前には記者の列勝てば勝った 負ければ負けたでノムさんのボヤキはそのまま見出しになる記者たちの目の輝きが 期待の高さことばの魔術は「野村再生工場」でも実力を出し切れていない選手を見つけるとたとえ他球団の選手でも声をかけ放出を待って蘇らせる素質を見抜く確か . . . 本文を読む
コメント (6)

ポエム(282) 『内海桂子の人生は七転び八起き』

2021-01-20 00:48:50 | ポエム
内海桂子師匠が亡くなってふと思い出したことがある先輩が作った桂子師匠の本が本棚のどこかにあるはずだあった 『人生は七転び八起き』三味線片手の桂子師匠の表紙絵が目印だ何十年も前の本だが今でも売れてますよ師匠のもとへ通い詰めた執念の作が・・・・先輩は あの頃は日の出の勢い手がけた企画がすんなり通る社内でも抜きん出た敏腕編集者師匠の「言葉で絵を描きなさい 」を実践したひとりでいるのが寂しくて自分宛に年賀 . . . 本文を読む
コメント (2)

ポエム(277) 『能勢という男』

2020-12-22 01:59:38 | ポエム
能勢という男がいた小づくりだがきりっとした顔立ちをしていた映画会社の大部屋に所属し声が掛からないときは寄せ集め劇団を作って活動していた団員は皆アルバイトで食をつないだある男はサンドイッチマンある人は看板描きとして能勢という男が座長であったがなかなか公演にこぎつけられず公民館の広間で稽古を重ねた能勢という男と知り合ったのは印刷会社の応接間でだった数十枚の原稿を渡されたのがきっかけだタイトルは『卒塔婆 . . . 本文を読む
コメント (2)

ポエム(276) 『白湯をください』

2020-12-20 01:30:14 | ポエム
ベッドの底から浮上した時ぼくの脳内ではまだスティービー・ワンダーが歌うI Just Called To Say I Love Youのリフレインが鳴りひびいていたなんという甘美な曲だろう繰り返されるねっとりした歌声が10時間に及ぶ大手術のあとの麻酔に引きずり込まれた奈落からぼくを引き上げてくれたのだ長い間ポトポトと音がしていたがあれはなんだったのだろうICUの光量の乏しい病室を包むのはおまじないの . . . 本文を読む
コメント (2)

ポエム(274) 痛快『六本木ジャズ物語』

2020-12-14 00:02:40 | ポエム
ぐずぐずしているうちに師走も半ば年賀印刷のソフトはまだ使えるのかなはて 来年の干支は何だっけそうだ 丑だ 丑だ 丑さんだああ 丑さんが懐かしいトンビが乱舞する湘南の海が懐かしいよ若いころの友達は 記憶の海に溺れてしまったが壮年の友は まだプカプカと海面に漂っているほら 手を出すから掴まってよジャズの世界に一緒に行こう<六本木ジャズ物語>は今でも健在だあれは丑さんの最高傑作だった戦後スウィング50年 . . . 本文を読む
コメント (3)

ポエム(273) 『歩くこと』

2020-12-12 00:22:46 | ポエム
颯爽と歩く腰を先に出してカツカツと通りを横切る犬が散歩する街路樹の根元でよそ見しながら片足をあげる顎を先に出して年寄りが病院に入るマットにつまずいてムッとする子どもが走る走っちゃダメと言っても三歩目には走り出す歩くのはむずかしいペンギンはヨチヨチ歩き競歩選手はくねくね歩く幸運は歩いて来るのかな不幸はいきなり飛んでくる神様はたぶん空に浮いて見てるんだ . . . 本文を読む
コメント (2)

ポエム(268) 『ターシャ・テューダーの庭』

2020-12-02 00:15:40 | ポエム
年老いた絵本作家のおばあさんが家族と接するように庭の花々に手を伸べる私の庭は「楽園」だと思うわ物にあふれた世の中とは別世界植物が満ち足りているかどうか見て確かめるのおばあさんの庭は四季を問わず風がすり抜ける季節によって咲く花の種類はちがうがどの花にも優しく語りかけるのだこのシャクヤク色が珍しいでしょう古い品種で種から育てているのが自慢なの中世のオランダ絵画に描かれているのよターシャ・テューダー バ . . . 本文を読む
コメント (2)