大沢たかお主演映画『桜田門外ノ変』(佐藤純彌監督、10月公開)の最大の山場となる大老・井伊直弼の襲撃シーンが7日、茨城県水戸市の千波湖畔に建設したオープンセットで報道陣に公開された。昨年12月まで放送され高視聴率で話題を呼んだTVドラマ『JIN-仁-』(TBS)から間もなく、続けざまに幕末の時代劇を演じる大沢だが「一人の男として誠実に向き合いたい」と、気持ちも新たに同作の水戸藩主・関鉄之介役に挑む。江戸城松の廊下を再現したセットで行った会見では、進取の気概で知られる水戸藩士が乗り移ったかのような面持ちで、「自分たちにも幕末の志士の遺伝子があると思っている。小さいかもしれないが自分の中にある彼らの気概を大きく膨らませて、この作品にぶつけたい」と意気込みを語った。
同作は作家・吉村昭の同名小説を実写映画化。江戸時代末期、安政7年(1860年)3月3日、尊皇攘夷派の弾圧を行った大老・井伊直弼が水戸・薩摩の浪士らに暗殺された事件で、開国・明治維新へと向かう日本の幕末の歴史に大きな影響を与えたとされる。この歴史的大事件を同作では、実戦部隊の指揮官だった水戸藩の下級武士・関鉄之介の人物像を通して描く。
撮影は全体の5分の1ほどを撮り終えた状況だが、大沢は「幕末には、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟など歴史に名を残している人がいるが、もっとたくさんの名もなき人が国のことを思っていたし、未来を思って行動していた。(その点を描いている同作に)とても共感できた。政治家でなくても国のことを思い、行動できる。今回の役は意味のあることだと感じていて、老若男女に勇気を届けたい」と語った。
会見には水戸藩9代目藩主・徳川斉昭役で出演する北大路欣也も出席。「出番は少ないが、要所要所で自らの思いを吐露していく。水戸藩のこと、その領民のこと、国のことも思って苦労が多かった藩主」と役柄を説明し、桜田門外の変は「約150年前といっても、昨日のことのよう。今のどこかにつながっていると感じます」と話した。
この日、雲ひとつない晴天に恵まれた佐藤監督は「事件の当日は大雪が降っていたので、撮影が滞る……」と複雑な心境に苦笑いを浮かべながら取材に応じ、「桜田門外の変が起こる7年前にペリーが来ている(黒船来航)、さらに7年後に明治維新を迎える。この14年は日本の歴史の激動期だった。桜田門外の変がターニングポイントになった。映画はこの時代に関わろうとした人たちのドラマであり、悲劇でもあるが、現代にもつながる視点を無くさないようにと思っています」と話し、キャスト・スタッフの思いが1つであることを伺わせた。
同作の映画化には、映画作りをきっかけとした地域振興を目的に水戸市をはじめ、茨城県の強力な後押しがあり、撮影中も多くの市民がボランティアを買って出るなどして全面協力。会見には、加藤浩一水戸市長、水戸藩開藩400年記念『桜田門外ノ変』映画化支援の会の狩野安会長と三上靖彦事務局長も駆けつけてあいさつした。江戸城桜田門外を再現したオープンセットには大沢もびっくりしたそうで、地元民の期待に「自分にどこまで応えられるか、プレッシャーや責任を感じている。いじめられたくない」と照れ笑いもみせていた。
オープンセットでの撮影は2月中旬には終了し、20日から始まる偕楽園の梅まつり(3月31日まで開催)に合わせて、一般公開。4月下旬には、幕末の歴史等が学べる展示館もオープンさせる。映画の撮影は3下旬ごろまで茨城県内各所で行われ、今秋の公開を予定している。
2/7 オリコン
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