たいまつを手に掲げ、ゆっくりと石段を下りる人たち。しとしとと降る春雨が足元をぬらす。厳かで決意を秘めた坂本龍馬の脱藩を再現したものだ。
ひっそりととたたずむ高知市神田の和霊神社。坂本家の屋敷神で、文久2(1862)年に龍馬が脱藩する際に訪れ、水杯で成就祈願したとされる。脱藩後の龍馬は、国家体制の基本指針「船中八策」を構想するなど、本格的な活躍を見せた。その龍馬の思いを後世に伝えようと、氏子らでつくる実行委員会(山村寛代表)が毎年脱藩祭を開き、今年で24回目になった。
23日にあった脱藩祭では神事の後、地元の市立鴨田小6年の村岡大輝君(12)と、市立朝倉第二小5年の金崎兼大朗君(11)が脱藩を宣言。「龍馬の心意気を今に受け継ぎ、新しい時代をつくります。私たちは龍馬のようにここから飛んでいきます」。
その横では、たいまつに火がともされ、脱藩場面の再現へ。雨が降り、木々の陰で暗い石段を下る。脱藩する龍馬の悲壮な決意に思いをはせるように、引き締まった表情の子どもたち。人々の手に掲げられたたいまつの火が、ゆらゆらと揺れていた。
毎日新聞 2008年3月27日
ひっそりととたたずむ高知市神田の和霊神社。坂本家の屋敷神で、文久2(1862)年に龍馬が脱藩する際に訪れ、水杯で成就祈願したとされる。脱藩後の龍馬は、国家体制の基本指針「船中八策」を構想するなど、本格的な活躍を見せた。その龍馬の思いを後世に伝えようと、氏子らでつくる実行委員会(山村寛代表)が毎年脱藩祭を開き、今年で24回目になった。
23日にあった脱藩祭では神事の後、地元の市立鴨田小6年の村岡大輝君(12)と、市立朝倉第二小5年の金崎兼大朗君(11)が脱藩を宣言。「龍馬の心意気を今に受け継ぎ、新しい時代をつくります。私たちは龍馬のようにここから飛んでいきます」。
その横では、たいまつに火がともされ、脱藩場面の再現へ。雨が降り、木々の陰で暗い石段を下る。脱藩する龍馬の悲壮な決意に思いをはせるように、引き締まった表情の子どもたち。人々の手に掲げられたたいまつの火が、ゆらゆらと揺れていた。
毎日新聞 2008年3月27日