そういえば15年くらい前に、
毎年夏は、1冊、先の大戦関連の本を読もうと思った。
で、いま、
ほとんどそういう本ばかり読んでいる自分に気がついた。
昨日読み終わったのは『関東軍』(島田俊彦著)。
小さい頃、はじめてこの関東軍という言葉を聞いたとき、
関東地方を守っている自衛隊のことだと思った。
私が住んでいる東京は関東軍によって守られている、と。
全然違った。
戦前生まれの人が反省の気持ちをこめてまとめた本は、やはり重みが違う。
それは単なる土下座でもなく、中国に対するお詫びだけでもなく、
日本も含めた、あの時代への反省だ。
この本は、高度経済成長期に書かれ、
かすかに残っている祖父たちが語った戦争の話と、
その話から伝わってくる匂いを、思い出させてくれた。
今では、盧溝橋事件に関しては、コミンテルン陰謀説があるし、
ノモンハン事件も、その勝敗について、日本の勝利と言う説もあって、
この本で語られていることには、
すでに新たな研究に寄って書き換えられたれたものもあるだろう。
でも、あの当時を知っている人によって書かれた本は、
私たちの世代が知らない「実感」を伴っている。
同時代の人として語られる張作霖や張学良。毛沢東。
満洲という土地を踏んだことがある人による分析。
読後、つくづく思ったのは、関東軍はアメーバのような存在で、
どこかにしっかりとした頭があったわけではなく、
ずるずると実態なく広がり、南方戦線によって精鋭をそがれ、
そもそもの目的だったソ連に対しては、
組織的な反抗をできないまま崩壊した、やっぱりよくわからない軍隊ということだ。
名前が有名な割に、よくわからない。イメージ先行型すぎる。
関東軍だけじゃなくて、あの時代の日本が全体的にそうだったのかもしれないけど。
戦争中、あれだけ内閣が変わった国も珍しいだろうし。
でも、戦争をして、人を殺したり、殺されたりしたのは、軍じゃなくて「ある人」。
個人で背負うには重過ぎる運命だ。
毎年夏は、1冊、先の大戦関連の本を読もうと思った。
で、いま、
ほとんどそういう本ばかり読んでいる自分に気がついた。
昨日読み終わったのは『関東軍』(島田俊彦著)。
小さい頃、はじめてこの関東軍という言葉を聞いたとき、
関東地方を守っている自衛隊のことだと思った。
私が住んでいる東京は関東軍によって守られている、と。
全然違った。
戦前生まれの人が反省の気持ちをこめてまとめた本は、やはり重みが違う。
それは単なる土下座でもなく、中国に対するお詫びだけでもなく、
日本も含めた、あの時代への反省だ。
この本は、高度経済成長期に書かれ、
かすかに残っている祖父たちが語った戦争の話と、
その話から伝わってくる匂いを、思い出させてくれた。
今では、盧溝橋事件に関しては、コミンテルン陰謀説があるし、
ノモンハン事件も、その勝敗について、日本の勝利と言う説もあって、
この本で語られていることには、
すでに新たな研究に寄って書き換えられたれたものもあるだろう。
でも、あの当時を知っている人によって書かれた本は、
私たちの世代が知らない「実感」を伴っている。
同時代の人として語られる張作霖や張学良。毛沢東。
満洲という土地を踏んだことがある人による分析。
読後、つくづく思ったのは、関東軍はアメーバのような存在で、
どこかにしっかりとした頭があったわけではなく、
ずるずると実態なく広がり、南方戦線によって精鋭をそがれ、
そもそもの目的だったソ連に対しては、
組織的な反抗をできないまま崩壊した、やっぱりよくわからない軍隊ということだ。
名前が有名な割に、よくわからない。イメージ先行型すぎる。
関東軍だけじゃなくて、あの時代の日本が全体的にそうだったのかもしれないけど。
戦争中、あれだけ内閣が変わった国も珍しいだろうし。
でも、戦争をして、人を殺したり、殺されたりしたのは、軍じゃなくて「ある人」。
個人で背負うには重過ぎる運命だ。