ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

ウパニシャッド

2009-02-10 23:25:25 | Weblog
辻 直四郎著、講談社学術文庫

古代インドで著された哲学書の総称である「ウパニシャッド」。
宇宙の根本原理や輪廻転生、解脱や業(カルマ)など、
仏教でなじみ深い考え方や用語が、古代インドにおいて
いかに「発見」されたのかがわかる。

つまり、人類の精神文化におけるひとつの進化過程が記されている。
とても面白かった。

「無知を信奉する者は漆黒の闇に陥る。されど学識に満足する者はさらにはなはだしき闇に陥るに似たり」

今日、たまたま会社で、ある「小賢しい人」の話題になった。
ある人は、「あまりに稚拙な嘘をつくから、かわいく見えちゃう」と言い、
またある人は、「あまりに小賢しい罠だから、ほんとに腹立たしい」と言う。
私はその本人に会ったことも話したこともない。
ただ、仕事上もれ伝わって来るその人の動きや、周りの評価で想像するしかない。

どうやらみなの意見が一致しているのは、
その人が「自分は賢く、周りの人はみな自分よりバカだ」と思っていて、
自分のトークによって、みなを手玉に取っていると本気で信じているらしい、ということだ。

でも、口先の嘘でごまかされている人は、実際は多くないらしい。
最も大きな罠は、その人自身の「傲慢さ」なのかな。

近いうちに、チェ・ゲバラの後編を観に行く。