今、熱中している本は、京都から江戸に来て蒔絵の修業をしている女蒔絵師の話
尾形 光琳の私淑として江戸後期に活躍した大好きな酒井 抱一が登場する
その弟子にあたる鈴木 其一の絵にあこがれた主人公の理野が自身の芸風を完成していく物語
蒔絵のことやデザイン画がでてきて、高蒔絵(たかまきえ)とか平蒔絵(ひらまきえ)という言葉が
たくさんでてくる
もちろん漆を塗り乾かした後に金粉を蒔くことから蒔絵という
螺鈿を埋め込みさらに高度な仕上げにする場合もある
大変細かい手作業であるし、限られたスペースの中に作品をつくる
今回の作品ですばらしいと思っていることは(まだ、読書中のため)、
理野がつくる品が妖しい雰囲気があるから
というのは女性用の櫛と男性用の印籠を別のデザインでセットで制作する
たとえば、秋の草とすずむしと満月を合わせる
そういう日本の花鳥風月を十分に知らないとアイデア自体が出てこない
中には硯箱の裏側に、自身の和歌を書く場合もあるとか
このごろはそういう日本人の美意識がすばらしいと思うようになった
抱一のカキツバタ図屏風の話しなど話題が満載で琳派の好きなひとには興味深く読めるかもしれない
いづれにしろ週末は読書もしなくてはならない