映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『トラベリング・ウィズ・ゲバラ』 ‘03年 イタリア

2006-05-09 17:10:09 | Weblog
【スタッフ】
監督&脚本:ジャンニ・ミナ
【キャスト】
アルベルト・グラナード/ガエル・ガルシア・ベルナル/ロドリゴ・デ・ラ・セルナ/ウォルター・サレス
【ストーリー】
23歳のエルネスト・ゲバラ(後のチェ・ゲバラ)が、親友のアルベルト・グラナードと共にバイクで旅した8ヶ月間・1万キロを映画にしたウォルター・サレス監督の『モーターサイクル・ダイアリーズ』の撮影に、82歳になるアルベルト本人が同行した6ヶ月を撮ったドキュメンタリー。

【感想】
ガエル・ガルシア・ベルナルのファンの友人に薦められて『モーターサイクル・ダイアリーズ』を見た。なかなかに好かった。それで、そのメイキングである『トラベリング・ウィズ・ゲバラ』が、WOWOWで放送されるというので、それも見てみた。これも、なかなかに面白かった。
とにかく、82歳になったアルベルトが魅力的な人で、それが画面の隅々にまで反映されていた。『モーターサイクル・ダイアリーズ』のサレス監督が、細かくアルベルトに台本を見せ、シーンの説明をして、了解を得たりしているのだけれど、それが面倒そうではなく、微笑ましく見えたんだなぁ。口うるさい人だから報告して了解を求めているという感じは全くなく、かといって頼り切っているという風でもなく・・・どちらかというとアルベルトの反応や、彼が思い出す実際の旅の話を楽しんでいる様子で、楽しそうですらあった。
というのも、アルベルトは撮影に対して当事者面して「それは違う」とか「そんなんじゃなかった」というようなことは殆ど言わず、監督やスタッフ・出演者の意思を尊重して、彼らが納得できるものを作る手伝いをするというスタンスを取り続けていたんだもん、そりゃぁ創り手にとっては、有難い存在だったと思う。それが、もっとも象徴的に現われていたのは、エルネスト役のガエル・ガルシアに「エルネストの演説を聴いたことがあるか?彼の声は独特だ。けど、君はエルネストの真似をする必要はない。自分の声で話すといい。その方が伝わる」といった言葉だったんじゃないかな。少なくても、わたしは感銘をうけたなぁ。エルネストが、チェ・ゲバラになっても、アルベルトを親友として大切にしたのが、よく分かる気がした。
なので、このドキュメンタリーは『モーターサイクル・ダイアリーズ』のメイキングとしてというより、アルベルト氏の人柄を感じつつ彼らの旅に思いを馳せることのできるフィルムだったと思う。とても、好かったです。
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