その1からの続きです。
○ 厳島のサムライ
宮島には侍がいるそうですよ。
武将隊って、お城にいるものだとばかり思っていましたが、ここにもいるんですね。
祈りの場であるこの島に、闘いのイメージはありませんが、海外ツーリストには大人気でしょう。
こちらの侍は、毛利元就公を筆頭とする小早川隆景などの精鋭部隊だそうです。
でもこの日は姿を見かけませんでした。出陣は休日のみのようです。
そうかと思えば、サンダーバードの消防隊員募集ポスターがありました。
国際救助隊じゃない。広島ってふり幅広い!と思いましたが、これは消防庁の作成で、全国にとのこと。
都心のビル群にも貼られていたのかもしれませんが、古い日本家屋に貼られていたので、目を引いたんでしょう。
○ 表参道でなに食べよう
行きはまだ時間が早く、商店街はどこも閉まっていましたが、戻ってくる頃には開店の時間になっており、宮島の中で一番にぎやかな表参道商店街を歩きます。
制服姿で固まって動く修学旅行生の姿も見かけます。ああ、かつての自分と重なるわ~。
世界一の大しゃもじがありました。
島のお店にしゃもじがたくさん売られていたのは覚えていますが、これは見た覚えがありません。
もみじ饅頭のことしか頭になかったのかな。(ありえる)
この島は穴子丼が有名ですが、帰りの船の時間がそろそろ近づいてきており、店内に座って注文をする時間はありません。
なにかすぐ食べられて、この辺りらしいものってないかな?
美味しそうなものがいろいろ売られています。
揚げもみじ饅頭がおいしいと言う人がいましたが、それならアイスもみじ饅頭の方がいいな。でも冷えるかな。
クリーム牡蠣コロッケもあります。牡蠣カレーパンも穴子まんもあります。味の想像がつかないものもちらほら。
○ 牡蠣の串焼き
その中で「大粒牡蠣の串焼き」の看板を見て足をとめました。
なんだか気になったので、頼んでみました。
おかみさんが目の前で牡蠣を串に刺し、蓋をかぶせて、まずは蒸し焼きにします。
プレートからジューッと大きな音があがります。
ジュージュー音がする中で「味付けは何にする?」と聞かれました。
数種類ある中で「迷ったらこれ」と書かれているバター牡蠣醤油にしました。
秘伝のたれを使っているとか。
蓋を取り、たれをはけで塗って味付けします。
隠すことなく、目の前で一から作ってくれるので、見ていてワクワクします。
バターと牡蠣醤油を加えると、焼き音がひときわ音を増します。
なおも焼いていくと、牡蠣の磯の香りとたれが絡み合った、美味しそうな匂いが辺りに漂い出します。
「はい、どうぞ」
渡された牡蠣は、確かに大きくて、びっくり!
ずっしりとした重みがあります。
一人なのに、一口食べて、思わず「う~ん!」と声が出ました。
これは満足だわ~。
プリプリの牡蠣に、絶妙な味付け。新鮮さが損なわれないままに香ばしく食べられて、とっても美味しかったです。
本場のものって、人を幸せにしてくれますね~。
来月、この島で牡蠣祭りが行われ、大勢の人が牡蠣を目当てにやってくるそうです。
混ざりたーい!
予定通りに帰りのフェリーに乗り込み、振り返って離れ行く宮島にお別れをします。
あっ、清盛神社をお参りするのを忘れちゃった。
まあ、京都で清盛さんゆかりの若一神社や祇王寺を参拝しているから、よしとしましょう。
○ 雨降りはじめ
フェリーを下りると、雨がぽつぽつと降ってきました。
この日の午後は、次第に天気が悪くなるという予報で、空模様が気になります。
でもとりあえずは、傘を差さずに宮島を観光できて、よかったわ。
再び山陽本線に乗り、次は広島大学に向かいました。
温かい車内の中でうとうとしながら広島駅を越え、今度は西条駅で降りました。
比較的大勢の人が降りる駅。先程の白市駅よりもずっと大きくて近代的です。
同じ電車から降りた人たちは、皆改札を抜けてほぼ同じ方向に歩いて行きます。
もしやと思ったら、みんな広島大学行きのバス停に並びました。
広い敷地が必要な大きな大学は、アクセス困難な場所にあることが多いです。
空港から広島大学に行く時には、バスに乗り、電車に乗り、またバスに乗るという面倒な行き方をしなくてはいけません。
やってきたバスに10分ほど乗り、キャンパス前に着きました。
広島大学を出た人で知っているのは、アンガールズの田中くらい。
広島出身の人って、東京にはそんなにいないですね。
東京より大阪の方が近いからでしょうか。
○ 広島大学で迷いかける
大学敷地に面した道路に停まるバス停がいくつかあります。
今回私が向かう場所は、キャンパス内の「学士会館」。
最寄りのバス停は「大学会館前」だろうとなんとなく思っていましたが、バスを降りる前に地図を確認したところ、全く違う場所だとわかって、ギリギリで降りるバス停を変更。
大学会館前で降りたら、延々歩く羽目になったので、セーフでした。
学士会館と大学会館があるなんて、まぎらわしーい。
バスから降りると、さっきよりも雨足は強くなっていました。
キャンパス内を歩きます。煙突に大学名が書かれていましたが、冷たい雨が降る中、煙突のそばまで歩いていくパワーは出ずに、斜め遠くからパチリ。
広大(ひろだい)は、広大(こうだい)。
大きな池がありました。向こう岸が遠くかすんで見えました。
これ、キャンパスの中なんですよ。
○ 白いグランドピアノ?
これ以上迷わないように、地図を見ながらキャンパスを歩いていきます。
サタケメモリアルホール(下画像)の前を通りました。
国立大学初の本格的音響設備やオーケストラピットを備えた演奏会用ホール。
サタケさんっていったい何者?戦国武将の佐竹氏?でも常陸の人だから遠いし・・・と思ったら、東広島市に本社がある食品加工機械・食品製造メーカーだそうです。
初代は、日本で最初に動力式精米機を考案した人だとか。
グランドピアノをイメージした外観と聞いて、気になっていました。
でもこれピアノ・・・かな?
目下修復工事中でほろに覆われていたため、よくわかりませんでした。
学士会館になんとかたどり着き、用を済ませて再び建物の外に出た時には、もう夕方になっていました。
雨はますます強くなり、嵐のように風が吹いていました。
帰りがけに、別の角度からもサタケメモリアルホールを眺めました。
左が学士会館、右がホールです。
うーん、グランドピアノに見えるかな?(まだ気になってる)
○ 酒どころ西条
西条駅行きのバスを待って乗り込みます。
雨なので夜になるのが早く、西条駅に着いた18時には、辺りはもう暗くなっていました。
安芸西条は、灘・伏見と並び称される銘醸地として知られる酒どころ。
日本酒の酒蔵が多いことで有名な、日本酒ファンの聖地だそうです。
下戸の自分には初耳でしたけど~。
西条駅周辺では、現在も7社の蔵元が醸造を続けているんだそう。
そう聞いて、暗くなるまで西条の酒蔵通りを散策するつもりでした。
もう内部の見学時間は終わっている時間なので、外から建物を見ようと。
でも本格的な大雨が降っており、町はすでに夜のような暗さ。
そして私はざっくりとしか蔵元の場所を把握していません。
それでも駅のそばにある、昔のままの建物の酒造屋数軒の周りを、さらっと散策しました。
○ 賀茂鶴酒造と伏流水
まずは賀茂鶴。有名なお酒のようです。
大吟醸酒造りの先駆けとなった蔵元だとのこと。わー、いいお酒を作っているんですね。
クラシカルな白壁やなまこ壁の屋敷が、往時の景観を伝えてくれます。
賀茂鶴の清酒には、福神井戸からくみ上げた龍王山の伏流水が、仕込み水として使用されているそうです。
○ 煙突めぐり
酒造屋はまとまったエリアにあり、あちこちに見える赤レンガの煙突が目印となるので、探しやすいです。
賀茂鶴、亀齢、白牡丹、賀茂泉の4つの酒蔵を巡りました。
みんな、ライバルでありながら、仲よく協力している様子がわかります。
ほかにも賀茂泉とか賀茂輝とか、賀茂○というお酒が何種類かありました。
でも京都の賀茂川がここまで流れてくるわけではなさそう。(あたりまえ!)
賀茂の名前は、かつてこの辺りが賀茂郷と呼ばれていたことに由来するようです。
下戸の私は、何度聞いても、「かもの」といったらカモノハシを思い浮かべるんですけどね。
きゃー、酒瓶投げないで!
残念ながら下戸の私は、どのお酒も飲んだことがありません。
マンホールがすてき。酒都・西條!(興味はそっちかい)
駅の近くでも、タイムスリップをしたような非日常感覚を味わえる界隈。
そぞろ歩きを済ませてから、ずぶぬれになる前に駅に戻りました。
やってきた山陽本線に乗ります。ああ、暖かい。
○ デーモン閣下とがん検診
駅に貼られていたポスターの中で、ひときわ異彩を放つものに目を吸い寄せられました。
デーモン閣下じゃありませんか!
県民にがん検診を勧めてるー!
閣下がめちゃくちゃ長生き(満100053歳)なのは、健康に気を使っているからなんですね。
謎のコラボですが、こういうのってインパクト勝負。
確かに行こうという気になりますね。
それにしてもなぜ広島?と不思議に思っていたら、閣下ファンの友人(毎回「ファンじゃなくて信者よ!」と訂正されます)が「閣下は、世を忍ぶ仮の少年時代に広島に住んでいたことがあるのよ」と教えてくれました。
なるほど、仮の(?)ゆかりの地なんですね~。
白市駅から再びバスで空港へ。ここまで来ると、傘を開く必要はなくなります。
○ おなかを空かせてお土産選び
19時少し前に空港に着きました。
お土産ターイム。普通のもみじ饅頭と杓子せんべいと、気になっている生もみじ饅頭を買いました。
バラ売りもしてくれるのが嬉しいところ。工場販売みたい。
会計を済ませた後で、ハッと思い出して再び売り場に行き「バターケーキはありませんか?」と店員さんに聞きました。
どこかで聞いた気がするんです。広島に美味しいケーキがあるって。
「長崎堂のバターケーキでしょうか?」と聞かれましたが、そこまで覚えておらずに「ええと、たぶん」とごにょごにょ。
土壇場で思い出した自分がめずらしくグッジョブだわ~。と思いましたが、「そちらは空港ではお取り扱いしておりません」と言われてちょっとがっかり。
次回は町なかでさがそうっと。
広島の食べ物はどれも好きなので、空港内でいただきたいところですが、19時半のフライト時間が迫っているため、食事をしている時間はありません。
後ろ髪をひかれる思いで、保安管理場を通過しました。
すると、私が乗るフライトは悪天候のために少し遅れると、搭乗口でグランドホステスがアナウンスをしていました。
えー、それ、保安場を通る前に教えてほしかったわー。
広島焼きが食べられたかもしれないのに~。
食べ損ねた広島グルメをあれこれ思い浮かべて、しょんぼり。
○ お餅もみじ饅頭
もう飛行機の中でお茶にしようと、離陸してからお茶をもらい、先ほど買ったもみじ饅頭をいただきました。
これは餅味。餅味ってなにか、気になったんです。
生もみじ饅頭もお餅入りだと聞いていたので、店員さんに「生もみじ饅頭とはどう違うんですか?」と聞いてみると「こちらに入っているのは餅だけです」とのこと。
そう言われてもいまいち味がわからないので、頼んでみました。
食べてみると、たしかにお餅だけでした!
ほんのり甘くておいしかったですが、味的にはちょっと物足りなさが残りました。
○ 生もみじ饅頭
生の方は、後日実家に持って行って、親と一緒にいただきました。
見づらいですが、まんじゅうに鹿が描かれているのがかわいい。
確かにモチモチさがありました。なるほど、おいしいわ。
でも私は、普通のもみじまんじゅうも同じくらい好きー。
アイスもあるし、いろんなバリエーションが出てきているんですね。
もみじ饅頭のリキュールまで出ているそうな。空港で遅れたフライトを待つ間、さんざんそのCMが流れていました。
うーん、甘そう。西条の清酒もびっくりでしょう。
出発が遅れるほどの大雨になりましたが、羽田に着くとからりとしており、気温も暖かめ。
雨雲を追い越してきたんですね。
明日は東京も大雨でしょう。
○ epilogue
今回は観光メインではなかったため、あちこち廻れませんでしたが、高校生ぶりに宮島を訪れることができて、満足。
記憶とほとんど変わっていない、ぶれない場所があるって、安心するものです。
年月を経てもそのままの姿であり続けるって、すごいことですね。
広島はすてきな所ですね。東京からちょっと遠いですが、また訪れたいです。
○ 厳島のサムライ
宮島には侍がいるそうですよ。
武将隊って、お城にいるものだとばかり思っていましたが、ここにもいるんですね。
祈りの場であるこの島に、闘いのイメージはありませんが、海外ツーリストには大人気でしょう。
こちらの侍は、毛利元就公を筆頭とする小早川隆景などの精鋭部隊だそうです。
でもこの日は姿を見かけませんでした。出陣は休日のみのようです。
そうかと思えば、サンダーバードの消防隊員募集ポスターがありました。
国際救助隊じゃない。広島ってふり幅広い!と思いましたが、これは消防庁の作成で、全国にとのこと。
都心のビル群にも貼られていたのかもしれませんが、古い日本家屋に貼られていたので、目を引いたんでしょう。
○ 表参道でなに食べよう
行きはまだ時間が早く、商店街はどこも閉まっていましたが、戻ってくる頃には開店の時間になっており、宮島の中で一番にぎやかな表参道商店街を歩きます。
制服姿で固まって動く修学旅行生の姿も見かけます。ああ、かつての自分と重なるわ~。
世界一の大しゃもじがありました。
島のお店にしゃもじがたくさん売られていたのは覚えていますが、これは見た覚えがありません。
もみじ饅頭のことしか頭になかったのかな。(ありえる)
この島は穴子丼が有名ですが、帰りの船の時間がそろそろ近づいてきており、店内に座って注文をする時間はありません。
なにかすぐ食べられて、この辺りらしいものってないかな?
美味しそうなものがいろいろ売られています。
揚げもみじ饅頭がおいしいと言う人がいましたが、それならアイスもみじ饅頭の方がいいな。でも冷えるかな。
クリーム牡蠣コロッケもあります。牡蠣カレーパンも穴子まんもあります。味の想像がつかないものもちらほら。
○ 牡蠣の串焼き
その中で「大粒牡蠣の串焼き」の看板を見て足をとめました。
なんだか気になったので、頼んでみました。
おかみさんが目の前で牡蠣を串に刺し、蓋をかぶせて、まずは蒸し焼きにします。
プレートからジューッと大きな音があがります。
ジュージュー音がする中で「味付けは何にする?」と聞かれました。
数種類ある中で「迷ったらこれ」と書かれているバター牡蠣醤油にしました。
秘伝のたれを使っているとか。
蓋を取り、たれをはけで塗って味付けします。
隠すことなく、目の前で一から作ってくれるので、見ていてワクワクします。
バターと牡蠣醤油を加えると、焼き音がひときわ音を増します。
なおも焼いていくと、牡蠣の磯の香りとたれが絡み合った、美味しそうな匂いが辺りに漂い出します。
「はい、どうぞ」
渡された牡蠣は、確かに大きくて、びっくり!
ずっしりとした重みがあります。
一人なのに、一口食べて、思わず「う~ん!」と声が出ました。
これは満足だわ~。
プリプリの牡蠣に、絶妙な味付け。新鮮さが損なわれないままに香ばしく食べられて、とっても美味しかったです。
本場のものって、人を幸せにしてくれますね~。
来月、この島で牡蠣祭りが行われ、大勢の人が牡蠣を目当てにやってくるそうです。
混ざりたーい!
予定通りに帰りのフェリーに乗り込み、振り返って離れ行く宮島にお別れをします。
あっ、清盛神社をお参りするのを忘れちゃった。
まあ、京都で清盛さんゆかりの若一神社や祇王寺を参拝しているから、よしとしましょう。
○ 雨降りはじめ
フェリーを下りると、雨がぽつぽつと降ってきました。
この日の午後は、次第に天気が悪くなるという予報で、空模様が気になります。
でもとりあえずは、傘を差さずに宮島を観光できて、よかったわ。
再び山陽本線に乗り、次は広島大学に向かいました。
温かい車内の中でうとうとしながら広島駅を越え、今度は西条駅で降りました。
比較的大勢の人が降りる駅。先程の白市駅よりもずっと大きくて近代的です。
同じ電車から降りた人たちは、皆改札を抜けてほぼ同じ方向に歩いて行きます。
もしやと思ったら、みんな広島大学行きのバス停に並びました。
広い敷地が必要な大きな大学は、アクセス困難な場所にあることが多いです。
空港から広島大学に行く時には、バスに乗り、電車に乗り、またバスに乗るという面倒な行き方をしなくてはいけません。
やってきたバスに10分ほど乗り、キャンパス前に着きました。
広島大学を出た人で知っているのは、アンガールズの田中くらい。
広島出身の人って、東京にはそんなにいないですね。
東京より大阪の方が近いからでしょうか。
○ 広島大学で迷いかける
大学敷地に面した道路に停まるバス停がいくつかあります。
今回私が向かう場所は、キャンパス内の「学士会館」。
最寄りのバス停は「大学会館前」だろうとなんとなく思っていましたが、バスを降りる前に地図を確認したところ、全く違う場所だとわかって、ギリギリで降りるバス停を変更。
大学会館前で降りたら、延々歩く羽目になったので、セーフでした。
学士会館と大学会館があるなんて、まぎらわしーい。
バスから降りると、さっきよりも雨足は強くなっていました。
キャンパス内を歩きます。煙突に大学名が書かれていましたが、冷たい雨が降る中、煙突のそばまで歩いていくパワーは出ずに、斜め遠くからパチリ。
広大(ひろだい)は、広大(こうだい)。
大きな池がありました。向こう岸が遠くかすんで見えました。
これ、キャンパスの中なんですよ。
○ 白いグランドピアノ?
これ以上迷わないように、地図を見ながらキャンパスを歩いていきます。
サタケメモリアルホール(下画像)の前を通りました。
国立大学初の本格的音響設備やオーケストラピットを備えた演奏会用ホール。
サタケさんっていったい何者?戦国武将の佐竹氏?でも常陸の人だから遠いし・・・と思ったら、東広島市に本社がある食品加工機械・食品製造メーカーだそうです。
初代は、日本で最初に動力式精米機を考案した人だとか。
グランドピアノをイメージした外観と聞いて、気になっていました。
でもこれピアノ・・・かな?
目下修復工事中でほろに覆われていたため、よくわかりませんでした。
学士会館になんとかたどり着き、用を済ませて再び建物の外に出た時には、もう夕方になっていました。
雨はますます強くなり、嵐のように風が吹いていました。
帰りがけに、別の角度からもサタケメモリアルホールを眺めました。
左が学士会館、右がホールです。
うーん、グランドピアノに見えるかな?(まだ気になってる)
○ 酒どころ西条
西条駅行きのバスを待って乗り込みます。
雨なので夜になるのが早く、西条駅に着いた18時には、辺りはもう暗くなっていました。
安芸西条は、灘・伏見と並び称される銘醸地として知られる酒どころ。
日本酒の酒蔵が多いことで有名な、日本酒ファンの聖地だそうです。
下戸の自分には初耳でしたけど~。
西条駅周辺では、現在も7社の蔵元が醸造を続けているんだそう。
そう聞いて、暗くなるまで西条の酒蔵通りを散策するつもりでした。
もう内部の見学時間は終わっている時間なので、外から建物を見ようと。
でも本格的な大雨が降っており、町はすでに夜のような暗さ。
そして私はざっくりとしか蔵元の場所を把握していません。
それでも駅のそばにある、昔のままの建物の酒造屋数軒の周りを、さらっと散策しました。
○ 賀茂鶴酒造と伏流水
まずは賀茂鶴。有名なお酒のようです。
大吟醸酒造りの先駆けとなった蔵元だとのこと。わー、いいお酒を作っているんですね。
クラシカルな白壁やなまこ壁の屋敷が、往時の景観を伝えてくれます。
賀茂鶴の清酒には、福神井戸からくみ上げた龍王山の伏流水が、仕込み水として使用されているそうです。
○ 煙突めぐり
酒造屋はまとまったエリアにあり、あちこちに見える赤レンガの煙突が目印となるので、探しやすいです。
賀茂鶴、亀齢、白牡丹、賀茂泉の4つの酒蔵を巡りました。
みんな、ライバルでありながら、仲よく協力している様子がわかります。
ほかにも賀茂泉とか賀茂輝とか、賀茂○というお酒が何種類かありました。
でも京都の賀茂川がここまで流れてくるわけではなさそう。(あたりまえ!)
賀茂の名前は、かつてこの辺りが賀茂郷と呼ばれていたことに由来するようです。
下戸の私は、何度聞いても、「かもの」といったらカモノハシを思い浮かべるんですけどね。
きゃー、酒瓶投げないで!
残念ながら下戸の私は、どのお酒も飲んだことがありません。
マンホールがすてき。酒都・西條!(興味はそっちかい)
駅の近くでも、タイムスリップをしたような非日常感覚を味わえる界隈。
そぞろ歩きを済ませてから、ずぶぬれになる前に駅に戻りました。
やってきた山陽本線に乗ります。ああ、暖かい。
○ デーモン閣下とがん検診
駅に貼られていたポスターの中で、ひときわ異彩を放つものに目を吸い寄せられました。
デーモン閣下じゃありませんか!
県民にがん検診を勧めてるー!
閣下がめちゃくちゃ長生き(満100053歳)なのは、健康に気を使っているからなんですね。
謎のコラボですが、こういうのってインパクト勝負。
確かに行こうという気になりますね。
それにしてもなぜ広島?と不思議に思っていたら、閣下ファンの友人(毎回「ファンじゃなくて信者よ!」と訂正されます)が「閣下は、世を忍ぶ仮の少年時代に広島に住んでいたことがあるのよ」と教えてくれました。
なるほど、仮の(?)ゆかりの地なんですね~。
白市駅から再びバスで空港へ。ここまで来ると、傘を開く必要はなくなります。
○ おなかを空かせてお土産選び
19時少し前に空港に着きました。
お土産ターイム。普通のもみじ饅頭と杓子せんべいと、気になっている生もみじ饅頭を買いました。
バラ売りもしてくれるのが嬉しいところ。工場販売みたい。
会計を済ませた後で、ハッと思い出して再び売り場に行き「バターケーキはありませんか?」と店員さんに聞きました。
どこかで聞いた気がするんです。広島に美味しいケーキがあるって。
「長崎堂のバターケーキでしょうか?」と聞かれましたが、そこまで覚えておらずに「ええと、たぶん」とごにょごにょ。
土壇場で思い出した自分がめずらしくグッジョブだわ~。と思いましたが、「そちらは空港ではお取り扱いしておりません」と言われてちょっとがっかり。
次回は町なかでさがそうっと。
広島の食べ物はどれも好きなので、空港内でいただきたいところですが、19時半のフライト時間が迫っているため、食事をしている時間はありません。
後ろ髪をひかれる思いで、保安管理場を通過しました。
すると、私が乗るフライトは悪天候のために少し遅れると、搭乗口でグランドホステスがアナウンスをしていました。
えー、それ、保安場を通る前に教えてほしかったわー。
広島焼きが食べられたかもしれないのに~。
食べ損ねた広島グルメをあれこれ思い浮かべて、しょんぼり。
○ お餅もみじ饅頭
もう飛行機の中でお茶にしようと、離陸してからお茶をもらい、先ほど買ったもみじ饅頭をいただきました。
これは餅味。餅味ってなにか、気になったんです。
生もみじ饅頭もお餅入りだと聞いていたので、店員さんに「生もみじ饅頭とはどう違うんですか?」と聞いてみると「こちらに入っているのは餅だけです」とのこと。
そう言われてもいまいち味がわからないので、頼んでみました。
食べてみると、たしかにお餅だけでした!
ほんのり甘くておいしかったですが、味的にはちょっと物足りなさが残りました。
○ 生もみじ饅頭
生の方は、後日実家に持って行って、親と一緒にいただきました。
見づらいですが、まんじゅうに鹿が描かれているのがかわいい。
確かにモチモチさがありました。なるほど、おいしいわ。
でも私は、普通のもみじまんじゅうも同じくらい好きー。
アイスもあるし、いろんなバリエーションが出てきているんですね。
もみじ饅頭のリキュールまで出ているそうな。空港で遅れたフライトを待つ間、さんざんそのCMが流れていました。
うーん、甘そう。西条の清酒もびっくりでしょう。
出発が遅れるほどの大雨になりましたが、羽田に着くとからりとしており、気温も暖かめ。
雨雲を追い越してきたんですね。
明日は東京も大雨でしょう。
○ epilogue
今回は観光メインではなかったため、あちこち廻れませんでしたが、高校生ぶりに宮島を訪れることができて、満足。
記憶とほとんど変わっていない、ぶれない場所があるって、安心するものです。
年月を経てもそのままの姿であり続けるって、すごいことですね。
広島はすてきな所ですね。東京からちょっと遠いですが、また訪れたいです。
変わっていない、ぶれないところがあるって
貴重なことですね。
それが何世紀にも渡って温存し受け継がれている努力に敬服します。
伝統にもつながりますしね。旅って、そういった普通の時間軸とは違う流れで存在し続けけるものを確かめられるのが、いいですね。