風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

初夏の瀬戸内・岡高エリア 1-1(岡山・小豆島)

2019-08-20 | 中国(山陽)

● Prologue~どこかにマイル

JALマイルの利用期限が近づいてきました。
いつもそんなに貯まらずに、流してしまうことが多いのですが、今回は3年前にルイジアナに行った時のマイレージが残っていました。

それを使ってどこかに行こう!どこにしようかな?
と考えていると、JALが「どこかにマイル」というプランをもうけているとのこと。
6000マイルで4択のうちの一つの都市の往復航空券と交換できるそうです。
これ、いいんじゃない?お得ですが、最終決定はおまかせというところがちょっとギャンブル。
でもおもしろそうなので、やってみることにしました。

4つの都市は、JALが選んだパターンから決めます。
私が選んだのは、帯広・岡山・熊本・那覇の4つ。
(北海道かなあ、沖縄かなあ)と思っていたら、決まったのは岡山でした。
4択のうちで一番近場ですが、それでもオッケー!
ずっと、瀬戸内の島に行きたいと思っていたのです。

マイレージ期限があるため、6月のフライトになりました。
2泊3日の旅です。

久しぶりに連絡をもらった岡山出身の友人に、現地情報をいろいろ教えてもらいました。
5年前に新潟十日町の「大地の芸術祭」で知り合ったアートつながりの人で、ちょうど今年は「瀬戸内芸術祭」の開催年。
でも私が行く日は、ちょうどやっていない合間の期間でした。

瀬戸内の島について調べているうちに、どうやら岡山よりも、海沿いの高松を拠点にする方が動きやすいと判明。
そのため、高松のホテルに泊まることにしました。
梅雨が近づいているので、あとは大雨にならないことを祈るばかり。

● 出発

土曜日10時台のフライトなので、ラッシュを気にすることもなく、ゆったりと出発。
空港でのんびりと東京みやげをチェックします。

やや、「ブラックサンダー東京版」なんてあったのね。雷おこし風ですって。
この前、京都で京都抹茶版を買ってきたところなので、注目します。
京都の方が、インパクトが強いなあ。

目指す搭乗ゲートは5A。5にAとBがあるのはなぜでしょう?
となりのゲート4には、広島行きが停まっていました。
たまたまでしょうけれど、ゲートも行き先も、仲良くお隣さんです。

● しまじろうジェット

東京-岡山間は、新幹線にするか飛行機にするか迷う距離。
飛行機の方が短時間で行けますが、空港が少し不便な場所にあるので、一長一短です。
「どこでもマイル」で取れたので、飛行機は空いているのかなと思いましたが、満席でした。
しまじろうジェット~!かわいいけど、見える限りお客さんは大人ばっかり~!
ちなみにしまじろうは、岡山拠点のベネッセがTVスポンサー。それでなのかしら?

・・・調べてみたら、しまじろうはほかの都市にも飛んでいるようです。
特に岡山便限定ではありませんでした。

機内雑誌がパリっパリの新品です。
今日は6月版に変わったばかりの1日なので、私が初めての読者なんですね。
なんだか得した気分です。

 


ベイブリッジとつばさ橋

天気がいい日で、離陸直後には横浜ベイブリッジや海ほたるがよく見えました。 

● ももたろう空港

予定時刻より早い、12時ジャストに岡山到着。
快晴で、機内にいても外の暑さが伝わってきます。さすがは晴れの国。

空港バスに乗り換えて30分、岡山駅に着きました。
予定よりもバスが少し遅れて、駅でのフリータイムは40分ほどになります。

● 岡山駅にて

まずはインフォメーションセンターで、新岡山港行きバスのチケット売場を聞き、駅の反対側に移動して、小豆島までのフェリー込みの切符を購入。

それから、カフェを目指します。
フルーツの国岡山では、最近はフルーツパフェを推しています。

今回、岡山発着のフライトですが、実質的には香川に滞在する方が長い旅程になるため、せめてフルーツの国でパフェを食べよう!とお店を調べておいたのでした。

目指すカフェまで行ったものの、土曜日のランチタイムでお店は混んでおり、パフェが出るまで少しかかるとのこと。
バスの時間があるため、残念ながらパスすることにしました。


駅前の桃太郎とユカイな仲間たち

● キムラヤのパン

代わりに、キムラヤのパンを買うことにします。
ふたたびインフォメーションセンターに行き「あの、キムラヤのパン・・・」と言ったところでピンときたお姉さん。
私に皆まで言わせず、テキパキと売り場を教えてもらいました。
キムラヤパワーね!

数年前に泊まった岡山のホテルの朝食に、“ソウルフード”とのコメント付きで出されていたのが、キムラヤの「バナナクリームロール」。
そのほかにも「高菜クリームパン」「たくあんサラダパン」なるものも出していると知り、(うわ~、キワモノ?)とビックリしました。

それを同僚に話すと「なにそれ、食べてみたい!」と、興味しんしんなので、おみやげに買うと約束してきました。
それなら、自分も食べてみないとね!

 

キムラヤのパン店には、焼きたてのパンがずらりと並んでいます。
その中で一角だけ、袋入りのパンがびっしりと並んでいるのが、普通のパン屋では見ない、不思議な光景です。
トレイもトングも必要ないんですけど、一応礼儀として(?)使いました。
一番人気のバナナクリームロール、そして問題の高菜サラダロールとたくあんサラダロールをチョイス。

さらに、フルーツ企画で出したものだというマンゴープリンに目が留まりました。
パフェをあきらめたばかりなので、代わりにこちらをゲットします。

● 高菜パン!

さっそく、気になりすぎる高菜から食べてみました。
ちぎってみると、中に本当に高菜が入っています。信州おやきに入っている、アレです。
おそるおそる口に運んでみました。


うーむ。食べてみたら、これが不思議と合うんですねー。ミラクル・マリアージュ!
最初に試してみた人、いったい誰なの?

パンが軽めで、高菜もマヨネーズもそれほど濃い味ではないため、いい感じのバランスが出ています。
イヤー、驚きました。はじめはオドオドしながら口に運びましたが、こうおいしいとなると、たくあんパンもがぜん楽しみになってきました。
やはり「人にはそうてみよ、馬には乗ってみよ、パンは食べてみよ」ですね!

● 港行きのネコバス

岡山駅前から、新岡山港行きのバスに乗ります。

港へのシャトルバスの乗客は、フェリーに乗る人ばかりかと思いきや、制服姿の学生やお年寄りも乗ります。
そして普通に町の中の停留所をいくつも通っていきます。
普通のバス路線なんですね。
分厚いカーテン越しでも、肌を刺すように強い直射日光が射しこんできます。
外はよっぽど暑いだろうなあ。

 


ネコバス
 
乗る時にも、(ん?)と思いましたが、並んでいたのでそのまま乗り込みました。
降りて改めて見ると、バスに耳がついてる~。
ブルーの車体の上に、ケモ耳がついています。
ネコバス?タマバス?なぜネコ???
 

バスのスイッチも、ネコでしたよ!
リアル、ネコバスだった~!

これは和歌山電鉄の貴志駅にいた、猫の「たま駅長」をあしらったのだそう。
え、でもここは岡山。和歌山とは響きが似ているけれど場所が違うアルよ?
和歌山電鉄は岡山のバス会社、両備グループの子会社で、つながりがあるそうです。

定刻に出たのに、バスは20分ほど遅れて終点の港に到着。
20分着のはずが40分を越えましたが、誰もイライラしていません。
ここまで来ると、みんながフェリーの乗客だからです。
次のフェリーは15時。多少バスが遅れても間に合う時間です。
 

● 小豆島行きフェリー

新岡山港と聞いたら、新しい港かと思いますよね。
ところがどっこい、木製の小さなレトロな船着き場でした。
どのへんが「新」なんだろう?

乗り場の食堂のラインアップは、ほぼうどん。
すでに、うどん県の勢力範囲内に入っているようですね~。

フェリー乗り場うどん

フェリーを待ちながら、キムラヤのマンゴープリンをいただきました。
う~んおいしい!
普通だと、下のマンゴーピューレ部分は完全になめらかなクリーム状ですが、これにはきちんと果肉が入っています。
三層になっていて、味の違いも楽しめます。いいですね~。


岡山のマンゴーに満足。さっきカフェで見たメロンパフェも、食べたかったなあ。
帰りがけにも、再チャレンジしようと思います。

● フェリーで足湯

両備フェリーの、大きくて立派な「おりんぴあどりーむ」に乗り込みました。
JR九州の顧問デザイナー、水戸岡鋭治氏のデザインだそう。
水戸岡さんは、フェリーも手掛けているんですね。


小豆島行きフェリー


これに乗って小豆島へ。一日13便運行しているので、割と頻繁です。
宇野港から向かう便もあります。小豆島には岡山か香川からでしか行けないので、便が多いんでしょう。


フェリーから眺めたフェリー乗り場

おだやかな瀬戸内の海を、滑るように走り出したフェリー。
風が心地いいです。

 

 

船の甲板に、足湯を発見。えー、デッキに?
初めて見ました。


足湯・オンデッキ

海水なんだとか。足を入れてみると、かなり熱かったです。
 

海の上で足湯~

まだ旅は始まったばかりですが、船上足湯で、足が元気になった気がするー。

フェリー内で、キムラパンのたくあんサラダパンを食べました。
中身は黄色黄色しておらず、高菜ほどの衝撃はありませんでした。

たくあんのポリポリした食感そのままで、これまたナイスです。
謎の組み合わせですが、アリです。

● 初めての小豆島

16時10分に、小豆島の土庄(とのしょう)港に到着。
初めての小豆島です。わあ、ドキドキする~!
ここに、2時間半滞在します。短いですが、今回は経由地なので、ちょっと立ち寄ってみた感じ。

 

まずインフォメーションセンターで、訪れたい場所を確認します。
大勢降りた乗客たちは、送迎の車や宿泊先マイクロバスに乗っていきました。
暑い時間帯ということもあって、歩いている人はほとんどいませんが、島内バスは30分くらい待たないと来ないので、行動あるのみ。
旅の荷物を持って歩き出します。たいして重くないので、平気です。

● 土庄エリア散策

土庄港の船着き場桟橋で、訪れた旅人を迎えてくれる、大きな黄金の月桂冠。
「太陽の贈り物」というオブジェです。

近寄ってよく見てみると、葉の一枚一枚に、様々な人の名前とメッセージが刻まれています。


二十四の瞳の銅像もありました。大石せんせーい!
子どもたちを数えてみました。多すぎず少なすぎず、ちゃんと12人いました。


小豆島霊場会総本院

小豆島にも、四国のような八十八ヶ所霊場があります。
それらのお寺をまとめているのが、この小豆島霊場総本院。

小豆島霊場御開創のお大師さまが祠られています。
巡拝者はここで授戒を受けてから、巡拝を始めるそうです。

百十四銀行を発見。
えっ、ナンバー銀行って、いくつまであるのかしら?

宮城に住んだことがあるため、七十七銀行は割と身近。
ですが、三桁の番号にはなじみがなく、百十四と聞いた瞬間(わっ、七十七の倍!)と思いました。
でも、掛けてみると114ではなく、154でした。
計算できなかった・・・ええと、暑さのせいにしよう!

日本には、かつて第百五十三国立銀行まであったそうですが、今残っているのは
   第三銀行(三重県松阪市)、
   第四銀行(新潟県新潟市)、
   十六銀行(岐阜県岐阜市)、
   十八銀行(長崎県長崎市)、
  七十七銀行(宮城県仙台市)、
  八十二銀行(長野県長野市)、
   百五銀行(三重県津市)、
  百十四銀行(香川県高松市)

の8つのみだそうです。もはや貴重なナンバー銀行ですね。

ちなみに、第一は第一勧銀→みずほ銀行で、第二は横浜銀行です。

● 世界一狭い海峡

港からまっすぐのびるメインストリートをドンドン進んでいき、突き当たりを左折して少し行ったところに、土渕(どふち)海峡があります。
最も狭い部分は9.93メートルの、「世界一狭い」海峡。
まさか、ギネス記録の海峡が日本にあるとは思いませんでした。


海峡に架かる橋(10mくらい)
 

「海峡」とは、陸地によって狭められている海域を意味する言葉。
私が海峡といって思い出すのは、イスタンブールをアジアとヨーロッパに分ける、ボスポラス海峡です。
でも、ここ土渕海峡の見た目は、完全に細い川。
海峡のイメージからずいぶんかけ離れていますが、きちんと公式認定されており、目の前にある土庄町役場では渡航証明書を出してもらえるそうです。


上画像の橋から眺めた海峡最狭部(橋のたもと付近)

反対に「世界一幅の広い海峡」は、南アメリカと南極近くの島の間を流れるドレーク海峡。
最も狭い部分でも、約650キロメートルあるそうです。「キロ」ですからね!

 

小豆島には、古民家をリノベーションしたカフェをよく見かけました。
瀬戸内トリエンナーレの会場にもなっているようです。


カフェの庭先にある、妖怪オブジェ
 

古民家

● 西光寺の鐘

小豆島霊場八十八ヶ所・第58番の西光寺に着きました。
朱色の映える、立派な門構えのお寺です。


参拝者は、入り口の鐘付きで、鐘をついてからお参りするのがお作法。
見上げると、鐘の下は格子状になっており、天井には干支の守り本尊が描かれていました。

 

 

鐘の紐を引っ張りましたが、全く音がしません。
おかしいなあと思っているところに、お寺から2人の女性が出てきたので「あの、この鐘つかれました?」と聞くと、状況が伝わったようで「思いっきり力を入れて紐を引っ張らないと、ダメですよ」とアドバイスしてもらいました。

そこで、気合を入れて引っ張ってみると、今度は
  ゴ~~~~ン!
という大きな音が、辺り中に響き渡りました。
頭上の反響に耳を押さえながら、2人にお礼を言ってすれ違い、境内に入り、お参りしました。

この寺を訪れた尾崎放哉と種田山頭火の句碑がありました。

咳をしても一人  放哉

その松の木のゆふ風ふきだした  山頭火

ここで「咳をしても一人」の句に出逢うとは思いませんでしたが、このお寺に放哉のお墓があるそうです。
境内に五重塔もそびえる、大きな古刹でした。


その2に続きます。

 



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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2019-08-27 22:07:36
歩きですか!⁉️
小豆島は結構アップダウンの多いところで
自転車でも厳しい所でした。

世界一狭い海峡もビックリして記念撮影したのを覚えています。

尾崎放哉も種田山頭火も自由律俳句だったのが衝撃的でした。
分け入っても分け入っても・・・何だったかな?笑

咳をしても一人
寂しい俳句でしたね。
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アネッティさん (リカ)
2019-08-29 12:08:50
小豆島では土庄港付近の歩ける範囲のみ散策しました。
島全体はもっとずっと広いのですが、また次の機会にします!
あの島は、レンタカーがないときついといいますね~。なかなかハードル高そうだわ~。

「分け入っても分け入っても青い山」!山頭火の方でしたっけ。

「咳をしても一人」は、たしかに寂しい句ですが、リズム感の良さから力強い生命力も感じる不思議な句で、気に入っています(o^―^o)
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