風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

131. 伏見稲荷大社

2009-09-24 | 近畿(京都・滋賀)

今朝は5時半起きして、6:43の始発バスで伏見稲荷大社へ。
「朝一の千本鳥居は、とっても幻想的ですよ」と何人もの人に教えてもらい、楽しみにして向かいました。
ここは全国のお稲荷さんの総本宮。
普通、お稲荷さんは、町角でちんまりしていますが、ここはとても大きなお社です。
朝の神社はとても静かでした。


本殿のお狐様。さすがにとても風格があって、かっこいいです。
まるで、エジプト壁画のよう。
尻尾の先に、火焔宝珠(燃える玉)を乗せています。


本殿への参拝を済ませて、千本稲荷のある裏山の奥社へ向かいました。
両脇のお狐様が、じーっと私を見ていて、なんだか緊張しました。


稲荷山には、想像を超えたすごい光景が広がっていました。
目の前にあるのは、朱色の木のトンネルです。
誘われるようにどんどん進んで行きました。
ファンタジーの国に迷い込んだようで、ワクワクしました。


ここに至るまでにも鳥居は続いていますが、ここまでは前哨戦。
二手に分かれた小さな鳥居から、千本鳥居の入り口になります。


行きつく先には何があるのか、知りたいと思いましたが、どこまで行っても千本稲荷は終わることなく続きます。
次第にもうどこを歩いているのかわからなくなってきました。
まるで人生の迷路、メビウスの輪のようです。
実はエッシャーの騙し絵やはつかねずみのようのように、同じところをぐるぐる周っているのでしょうか。
ずっと石段を上り続けて、汗だくになりました。
急いじゃダメ、休み休み行きなさいという教訓なのでしょうか。

エンドレスな石段は、果てない人生、終わりのない煉獄なんでしょうか?
あの世へと続く千段階段を登っているような気になりました。
永遠にさまよい続けて、いつか遭難してしまいそう。
それとも、パラレルワールドの狐さんの国へ向かっているのでしょうか?
こんなにキツネを見たのは初めてです。もうキツネちゃんとは呼べなさそう。


ずっと一人きりで、心細さでいっぱいでしたが、日が高くなるにつれ、時々ほかの人とすれ違いました。
その時、お互い挨拶を掛け合って(登山客みたい)と思いました。
片方底なし靴ですが、もう片方の靴も壊れそうです。

鳥居の表側には「奉納」と書かれており、裏側には奉納者の会社と名前が書かれています。
聖と俗は表裏一体であるということでしょうか。
とても非現実的な空間ですが、色鮮やかな朱色鳥居に囲まれているので、心は落ち着かず、悟りは開けそうになありません。
ひらめきはありそうですが。


開けた場所に出たと思ったら、もう山の上まで来ていました。
千本鳥居は、もはやとっくに千本を超え、今では一万基近くあるそうです。
稲荷大社の裏の稲荷山には、神が光臨すると言われており、千本鳥居をくぐって歩くお山巡りは、約4km、2Hコースだそうです。
そういうものと知らなかった私は、予測もつかない行程にビックリしました。
でも、その昔、清少納言もお山巡りをして、同じ所を登ったそうです。
神社の敷地が広範囲に渡るので、見回り役は大変でしょうね。
石段を下りていると、足がガクガクして、立っているだけで膝が震えていました。

食事処も途中にあって、当然キツネうどんといなり寿司の看板が下がっていました。

ようやくはじめの本殿に戻った時には、ちょうど8時になり、神主さんがお祈りをし、巫女さんがお守り奉納所の準備をしていました。おつとめ開始です。
確かに幻想的でした。ただ、まさかこれほど、体力勝負の非現実的体験ができるとは思っていませんでした。
伏見稲荷大社、すごいところです。


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