風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 2-1

2020-02-20 | 近畿(京都・滋賀)

1日目からの続きです。

● 町なかの公園

2日目の朝。
早起きする必要はありませんが、母につられて6時に起床。
まだ寝ていたいのに~。

部屋の窓から外を眺めると、かわいい小さな公園が見えました。
上から眺めると真四角。周囲を木々が取り囲み、中央には赤いすべり台が見えます。
住宅が立ち並ぶ中で、ここだけポッと開けているので、ほっとします。
「宮原公園」というのだそう。


しかし、周囲には誰も歩いていません。
新大阪駅から徒歩10分ちょっとの場所なのに。
こんなに家があるのに人がいないなんて、不思議な光景。

● 京都行きのラッシュ

関西の朝といったらモーニング。新大阪駅のカフェでモーニングセットを食べるつもりでしたが、母は早く現地に行きたそう。
駅構内でサンドイッチとサラダを買って、JR京都線に乗りました。
平日の朝、車内は出勤者と観光客がごたまぜになって、すごく混んでいる息詰まるような車内。
京都で、大勢の人達と一緒に降りました。
紅葉のこの時期、京都は例年通りに大混雑でしょうね。

ここでJR琵琶湖線に乗り換えますが、快速と新快速とで乗る位置が少し違います。
「新」のあるなしの違いがわからず、どちらに立つべきか迷いました。
まあ、聞き慣れた京浜急行の快速特急も、よく分からない言葉ですけどね。

京都からはのんびり座っていけました。
大津駅で下車。去年、比叡山ホテルのシャトルバスに乗った駅と勘違いして、(記憶よりもずいぶん大きいなあ)と思ったら、去年降りたのは浜大津駅でした。
ビギナーは間違えそう~。

● カラーマンホール

駅を出てすぐの道で突然立ち止まった私。
カラーマンホールがあったからです。
慣れている母は驚かず、少し先で待ってくれています。


大津市制100周年記念デザイン

平成10年10月の市制100周年記念のマンホール鉄蓋。
花火、琵琶湖、琵琶湖大橋、ミシガン船、レガッタが盛り込まれている、 楽しくにぎやかなデザインです。


大津市制100周年記念マンホール リニューアル

こちらは上のデザインに、100周年記念キャラクターを取り込んだリニューアル版。
観覧車が「ホールまん蔵」、犬が「おおつ光ルくん」になっています。

● 逢坂の関

湖に向かっているつもりが、「逢坂」の表示が出て、立ち止まりました。
逢坂と言えば、坊主めくりでおなじみの蝉丸。

~これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 (蝉丸)

山城国と近江国の境の逢坂の関は、まさにこの辺りにあったのでしょう。
わ~、越えてみたいわ。
いやいや、母に逢坂越えはさせられません。

なんだか変だと思い、そばの駐車場でバイクに乗ろうとしていたお兄さんに聞くと、「逆方向ですよ」と道を教えてもらいました。
港に行くはずなのに、あやうく坂越えをするところだったわ。
逢坂に背を向けて、緩やかな坂をずっと下っていきます。

● 道路を走る電車

道路の線路を見て「あれ、この辺り、市電が走っていたっけ?」と話していたら、私たちの横を、ガタゴトと京阪京津線が通っていきました。
そういえば石山寺に行った時に乗ったんだったわ。
車がすぐ横を通るので、驚いたんだっけ。江ノ電の腰越付近と一緒です。


京阪京津線

大津駅周辺には、古めかしい建物がまだ結構残っています。
滋賀で一番大きな都市のわりには、とても静かで落ち着いています。

● 琵琶湖

坂を下りきると、視界が開けて湖に出ました。

2年ぶりの大津港旅客ターミナルで入船手続きをとります。
この日、私たちが乗るのは、琵琶湖汽船の「ぐるっとびわ湖島めぐり」クルーズ。
不定期催行のため、早めに予約が埋まります。
去年、予約を入れようとした時には、すでに満席で取れませんでした。

● 信楽キャラ

待合室でサンドイッチを食べます。
目の前には、信楽焼のタヌキがたくさん。
そういえばここは滋賀。ご当地キャラクターなんですね。

来年のNHKの朝ドラ『スカーレット』は信楽が舞台。
滋賀に入ってから、あちこちでポスターを見かけています。

また別のご当地キャラクターもいました。
こちらは信楽町観光協会のマスコットキャラクター、ぽんぽこちゃん。
おなかに信楽の「楽」が見えます。
でも信楽は、琵琶湖よりもっと内地の、大津と伊賀の間あたりの町。
ここまでプロモーションしにやってきたんですね。

男の人が2ショットを撮ってもらっていたので、私も撮ってもらいました。
子供が少なかったこともあり、大人に大人気のぽんぽこちゃんでした。

● 遊覧船

大津港に停泊している船の中で、一番人目を引くのが、このミシガン号。
定員800人クラスの大きさで、美しい形をしています。
以前、ニューオーリンズで見かけた蒸気船そっくりです。


ミシガン号


乗ったのは、ミシガン号の横に泊まっていたmegumi号。
以前とは違う船で、定員200人。女性2人連れの方とテーブルをはさんで相席になりました。

司会は、前と同じ今森洋輔さん。
天気は快晴。上機嫌で出港。

● 琵琶湖大橋

琵琶湖大橋の下をくぐる時には、デッキに出て上を見上げます。
ベイブリッジやレインボーブリッジの下を通る時と同様、テンションが上がります。
しかもここは、道路が二本ありますからね。二度おいしい!

 

いい天気。湖岸には赤い紅葉もちらほら見えます。

● 浮見堂

前回、浮見堂をうまく撮影できなかったと残念がる母の気合が入っています。
あっ、浮見堂だわ。いいえ、これは違いました。

こちらが琵琶湖に突き出た満月寺の浮御堂。
絶景をまとめた近江八景「堅田の落雁」 で知られています。

● 沖島

このクルーズでは、びわ湖に浮かぶ4つの島のうち、上陸可能な「沖島」「多景島」「竹生島」を巡ります。うーん、楽しみ~!
出港してから20分ほどで、沖島が見えてきました。

大きい船になったため、以前の桟橋に入れなくなったそう。
少し遠くに接岸して歩く必要ができたため、島での自由時間が少なくなりました。
前はカフェでのんびりいお茶する時間もありましたが、今回はちょっと難しそう。

島に降り立ちます。
天気が良くて、湖の水面がキラキラと輝き、まぶしい~。

風のない、穏やかな日。たくさんの水鳥が水面に浮かんで、羽を休めていました。

道すがら、司会の今森さんとおしゃべりします。
「前も乗って、楽しかったので」「えび豆買います!」と話すと、喜んでくれました。
イラストレーターの彼は、今は絵本図鑑の「びわ湖の動物」シリーズ・パート4に取り組んでいるとのこと。
とても精密なイラストを描く方なので、制作には膨大な時間がかかることでしょう。

● えびえびえび豆

まずは漁協に行き、えび豆をゲット。
えび豆は滋賀で知られる食べ物ですが、この島のえび豆はすごいんです。

前回、今森さんに「普通のえび豆は"豆豆豆豆豆豆豆・・・えび"ですが、ここのえび豆は"えびえびえびえびえび・・・豆"ですよ」と勧めてもらったら、まさにその通りでした!


えびえびえびえびえび・・・豆!

すっかり沖島のエビ豆ファンとなった母と私。
今回は、4つ買いました!しばらくハッピー!

● とび太くん

滋賀県に来ると、道路のあちこちで見かける、飛び出し防止の少年パネル。
「とび太くん」と言われている飛び出し坊やだそうです。
車が走っていない沖島にも、飛び出し坊やがいます。
漁師の格好をしたレアバージョンで!


沖島の飛び出し坊や

● 島民にご挨拶

フリータイム中、ガイドさんは島の案内すると言いましたが、前回参加している私は、別のルートを取ることにしました。
母は、えび豆と一緒に漁協でお茶していると言うので、一人で散策に出かけます。
前の日は雨で今日は快晴なので、島の人たちは、洗濯物を大々的に干しています。

大量の洗濯ものがたなびく前で、3人のおばあちゃんが椅子を外に出してひなたぼっこをしていました。
見知らぬ顔が珍しいのか、おばあちゃまたちは3人とも、私の顔をじーっと見ています。
それに気づかない振りもできず、通りすがりに「こんにちは」と挨拶すると、ちゃんと返してくれました。

● 突然の現代アート


RYUBOKU HUT

時が停まったような沖島に、突然現代アートを発見!?
おどろいてそばに寄ってみました。
木でつくられたドームのような場所。ざっくりとした白い網で覆われて、中には気のベンチがあります。
あずま屋みたいな場所なのかしら?

ここは「RYUBOKU HUT(リュウボク・ハット)」という休憩施設。滋賀県立大学の学生たちが流木から作ったそうです。白い網は魚網だそう。
島の景観にマッチしていました。

● 落ち武者の島

ここのような人が暮らす湖上の島は、世界的にも珍しいのだそう。
沖島には124世帯・320人が暮らしています。
1156年・59年の「保元・平治の乱」の時の源氏の落ち武者7人がここに逃れて住み着いたのが始まりで、今でもその子孫たちがいます。名字でわかるそうです。

「落ち武者イコール平氏」のイメージですが、初めのうちは、源氏が平氏に負けていたんでしたね。

船が停泊したのは、沖島小学校の前。
ここの校章「笹りんどう」は、源氏関係者しか使うことを許されないもの。
歴史は今も息づいているんですね。

● 近江のお弁当

再び乗船したら、ランチタイム。

赤こんにゃく、近江牛すじ煮込み、近江米など現地の名産が入った、地元の名産づくしのお弁当です。
でも、えび豆は、豆の方が圧倒的に多く、沖島のものとは違いました。

● 沖の白石

船は沖の白石にさしかかりました。
大小4つの岩でなる大岩で、琵琶湖4番目の島とも言われますが、上陸はできません。

このクルーズは、この日が今年最後。
船内ではよし笛奏者によるリサイタルが行われました。
お抱え奏者の中でも一番上手な方だということで、前回と同じ方でした。

「里の秋」「小さい秋見つけた」「ふるさと」などがノスタルジックな音色で流れます。
おなかいっぱいのところに、うっとりとした気持ちになります。

琵琶湖がどれだけ大きいのか、ほとんどの人が実感はないと思いますが、日本最大のだけあって、ここは本当に巨大。
移動するのに、とにかく時間がかかります。

● 多景島

お次は多景島(たけじま)。
周囲約600mの小さな島で、 この島全体が日蓮宗の見塔寺の境内になっています。
前のツアーの時には寄らなかったので、初めて上陸することになります。

船から見えた大きな「題目岩」は、なんと去年の夏に自然崩落してしまい、「南無妙法蓮華経」の彫り文字が見られなくなっていました。
そんなことって、あるんですね~。


文字がない状態の題目岩

目下修復中とのことですが、10m以上の大きさなので、直すのには時間がかかりそう。
でも、文字がないのは、レアな状態ですね。よく見ておこう。

神聖な島に上陸しました! まずお参りします。

● 湖越しのお城


乗ってきた船

双眼鏡で湖の向こう岸をのぞいたら、彦根城が見えました!
わ~、天気のいい日でラッキー。
ここは彦根城の裏鬼門の役割を果たしているお寺です。

彦根城のすぐそばに、光秀ゆかりの佐和山城址も見えました。
来年の大河ドラマを見るのに、理解が深まりそう!


石造七重層塔

小高い場所には、高さ8メートルの巨大な石造七重層塔がありました。
彦根藩三代目藩主の井伊直澄が、父の供養のために建てたものです。


誓いの御柱

五角形の面に五箇条の御誓文が刻まれている、高さ20mの誓いの御柱。
大正13年の建立です。
五箇条の御誓文って、歴史の教科書で習った、明治政府の方針ですよね?
初めて文言を見ました。

● 巨大な題目岩

「題目岩に向かう道は大変なので、行くのはお勧めできません」と言われましたが、「行ってはダメ」ではなかったので、(もちろん)行ってみました。


横に建っているのは1.8mの日蓮上人像。
10.8mの岩がどれだけ巨大かわかります。
このお寺を開いた日靖が、かつて命綱にぶら下がって「南無妙法蓮華経」の文字を刻んだと言われる題目岩。
どうやって修復されるのか興味津々ですが、以前の題目文字のデジタルデータが残っているそうなので、おそらくテクノロジーを使って前と同じようなものが再現されるのでしょう。

島を離れる時には、お寺のおかみさんが手を振って見送ってくれました。
その様子は、まるで岸壁の母のようでした!

その2に続きます。


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