風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

器をさがしに益子まで-1

2015-01-31 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
○ prologue

2015年初の小旅行は、益子になりました。
益子といえば益子焼。
女性4人で、お気に入りの器がないか探しに行くのです。

○ 快晴ドライブ

朝、あこりんと車に乗り込んで、出発~。
途中でともちゃん・ちかちゃんと合流します。
早朝ですが、車内は花が咲いたように、にぎやかになりました。
前日は雨が降りましたが、この日は快晴のドライブ日和です。



京橋にさしかかると、大きな看板が目を引きました。
・・・ぬ利彦?「創業1717年」とも書いてあります。
300年の伝統を持つ酒類・食品等の卸売会社だそう。
「ぬとしひこ」かと思ったら、「ぬりひこ」ですって。
いかにも江戸っぽい、おもしろいネーミングですね。



おお~、高層ビルの窓ふきの人。
ゴンドラにも乗らずに青空の中で作業中。
永遠の憧れの仕事なんですよね~☆

4人でめいめいに近況報告をしながら都心を抜けます。
首都高中央環状線はいつも混んでいますが、常磐線に入ると一気にスイスイになりました。

○ 茨城経由

益子を目的地にしてナビに入力すると、水戸経由になりました。
電車で行く場合にも、水戸の方から周っていくようです。
栃木なのに、宇都宮からの電車はなく、通っているのはバスだけ。
茨城との関係の方が深いのかしら。

「水戸を通っていくんだね」とあこりんは驚いています。
彼女の出身地の近くですが、これまで益子に行ったことはないそう。
「茨城では、笠間焼が有名だよ」
知りませんでしたが、益子焼はもともと笠間焼から出たものなんだそう。
笠間と益子をはしごする、焼き物好きの女性のことを「かさましこ」と言うそうな。へえ~。
(かしまし娘みたい)と思いましたが、かさましこが聞いたら叱られそうなので、黙っていました。

○ 水戸のゆるキャラ

途中、守谷SAに寄りました。売られているのはもちろん茨城の物産。
「わあ、ご当地ジバニャンがいる~」
水戸のゆるキャラといったら、「ハッスル黄門」様ですが、
「それが、ねばっとしたのが出てるのよ~」
「あ、それ知ってる、ねば~る君でしょ」

なぜみんな知ってるんでしょう。
「どんなのだろう?」と、怖いもの見たさでキャラクターグッズ売り場に行ってみましたが、かわいらしい「みとちゃん」のグッズしかありませんでした。
「茨城県非公認だから、グッズはまだないのかも」
非公認キャラとは、ふなっしー二番煎じの気配がします(笑)。

水戸ICで降りると、巨大なイオンモールがあり、10時を過ぎたばかりだというのに、広大な駐車場は、車でびっしりでした。

今回の目的のもう一つは、益子にある坂東三十三観音の第20番礼所、西明寺を訪れること。
笠間経由で向かう途中で、第24番礼所の雨引観音そばを通ります。
ここもまだお参りしてなーい。
でも今回のプランには入っておらず、素通りします。
またあらためて来まーす。アイルビーバーック。

○ 雪原の世界

道路横に「益子町」の看板がありました。いよいよ茨城から栃木県に入りました。
広大な畑が広がり、その向こうに山々が連なっています。
ぐっと景色が変わりました。



そして、栃木に入ったとたん、辺りは雪野原になりました。
昨日降った雪が、そのまま解けずに残っているよう。
スタッドレスタイヤにしておいてよかった~。

先月、日光ドライブをした時にも、いろは坂の上では雪が積もっていました。
今回は、そんなに標高が高いところには行かないのに、北に来たからでしょうか。
栃木の冬って、寒いんですね~。



「そういえば、栃木って海がないのよね」と私。
群馬も埼玉もありません。
関東は、海なし県が3つもあるんですね。
「そう!だからこっちの人たちはみんな、茨城の海に海水浴に来るのよ」とあこりん。
「海岸に、栃木ナンバーの車がたくさん停まってるもの」

北関東では、海がある茨城のポイントは高そう。
「でも茨城の人たちは、栃木にスキーをしに行くんでしょ?」と聞くと、「その通り!」と笑っていました。
もちつもたれつ、なんだかんだで仲がよさそう。

○ 小さな益子駅

目的地の益子駅に着きました。
とても小さな駅。
でも、風で動く大きなモービルと、益子焼の巨大な壺がありました。



暗くて閉まっているのかと思った駅に併設された観光案内所。
階段に長いもうせんが敷かれて、ずらりとひな人形が飾られています。
去年、勝浦で見ましたが、ここでもこんな風に飾るんですね。



館内には、緋色の色鮮やかな吊し雛がびっしりと飾られていました。
おととし、那須で見たことを思い出しました。
ちょうど次の日から、雛祭りだそうです。



中に入ると、お姉さんが奥のデスクから会釈してくれましたが、特にカウンター対応をしてくれることもなく、自分たちで地図を広げてルートの計画を立てました。
「そろそろお昼だし、ランチにしよっか」
すてきな感じのお店を見つけ、電話予約を入れました。

○ ランチの隠れ家へ

お店駅から車で15分の場所にあるそうですが、どんどんさびしい道になっていきます。
坂を上ってゴルフ場そばまで来てから、今度は山の細道を下っていきます。
あまり除雪されていない、雪深い道で、今はとても車はすれ違えません。
対向車が来ないようにみんなで祈ります。



「本当にこの道でいいのかな?」
表示が全くないので、不安になりますが、ナビに従ってぐいぐいと坂を下りて行ったところに、小さな看板を見つけました。
「わあ、よかった」
みんなで安心しました。



かなり辺鄙な場所まで来ました。
お店の名前は「ごはん屋ギャラリー 猫車」。



入ったところに大きな猫の絵が飾ってあります。
「『アリス』のチェシャ猫みたい」と言うともちゃん。私は『注文の多い料理店』を連想しました。
雪道の中、ここまで辿り着くのも一苦労だったので、化け猫の餌にされてもおかしくありません!?

○ 看板猫の歓迎を受ける

古民家を改造したカフェの庭先には、日当たりのいいテラスがあります。
予約をしておいたので、人数分の席を用意しておいてくれました。
一階の大きな座卓を、まるまる独占させてもらいます。
部屋の中は暖かく、友達のおうちに遊びに来たように、落ち着きました。



急な階段の上には2階があり、ほかのお客さんの姿が見えましたが、天井が高く、会話は聞こえてきませんでした。



外のテラスに、ネコがいました。
じっと景色を眺めています。
「寒くないのかな」とみんなで見ていたら、そのうちに両手を使ってサッシを器用にスライドさせて、中に入ってきました。
ネコって、自分でサッシの開閉ができるのね~。



毛並みのいい猫ちゃん。
1歳半のクウちゃん(メス)だそうです。
とても人慣れしています。
特に私にじゃれついてきて、指を一本一本、はぐはぐと甘噛みしました。
か、かわゆい。こんなに猫になつかれたのは、初めて~。
よっぽど指がおいしかったのでしょうか?





クウちゃんは何度もすり寄ってきて、仕草のあまりのかわいさ、人懐こさに、私たちを萌え死にさせます。
本気でお持ち帰りしたくなりました。
ああ、猫を飼いたくなったわ~。

○ 季節のお膳

ここでは自然素材の食事を出してくれるとのことで、季節のお膳を頼みました。
メニューは「里芋饅頭・大根のステーキ山椒風味・青菜の乾物和え・白菜の中華風サラダ・香の物・黒米のご飯・みそ汁」。
みそ汁は湯葉入りでした。どれも優しい味で、するすると身体に入っていきます。





こんなに雪が残る日に、ここまでやってくる人は、よっぽどのチャレンジャーじゃないかと思いますが、それでもちらりほらりとお客さんはやってきました。
時を忘れる場所でした。

○ 山の中の古刹へ

ここでくつろいでから、益子散策に繰り出します。
まずは、西明寺へ向かいました。
山の上にあり、歩いて行くのは大変そう。
何度も迷いながら、ようやくお寺にたどり着きました。



山の中の雪が分厚く残っているところに日が射して、うっそうとした木々の枝からポタポタと雪解け水が垂れてきます。
注意しながら参道の石段を上って歩いて行きました。



かやぶき屋根の仁王門の中の赤い仁王様。
なんだかたっぷんとした、メタボさんでした。
ふつうはおなかが割れていますが、筋肉質じゃない仁王様もいるんですね。



三重塔もありました。雪をまとって、雰囲気たっぷりです。

○ 閻魔さまが笑ってる

閻魔堂に行きました。このお寺には「笑い閻魔」があります。
地獄の裁きの王、閻魔大王は、とても恐ろしい存在ですが、ここのお寺の閻魔さまは、笑っているんです。
なぜ?普通は怒っているんじゃない?

思ったよりも大きな像でした。私たちょりもはるかに巨大です。
本当に笑っていました。白目をむくほどの大爆笑!
両側にいた、死者の罪状を読み上げる書記たちは、堂々としていたり、筆をグッと握っていたりして、とてもやる気に満ちていました。いい職場のようです。



奥には奪衣婆(だつえば)もいて、こちらは閻魔さまの豪快さとユルさがない、かなりのホラー。怖くてカメラを向けられません。
ほかの子たちが怖がってキャーキャー言っている横で、私は、閻魔さまの書机の猫足が気になって、ひとりしゃがんで違う写真を撮っていました。

本堂も古く、屋根の下には十二支の木彫りがぐるりと飾られています。
堂内には入れませんでしたが、お坊さんが修行中なのか、中で人の気配がして、閻魔さまと奪衣婆を見たあとだけに、ちょっとヒヤッとしました。

その2に続きます。


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