風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

青森南部のアメリカンタウン 2-1

2017-09-23 | 東北
1日目からの続きです。 

● トリプルアラートが2回

すやすやと心地よい眠りを満喫していたところに、聞いたことがないものものしいアラートが鳴りました。
3人のケータイから、ほぼ同時に。
(みんな同じ時間にアラームかけてたのかな?)とぼんやり思って、また眠りに入りましたが、またもや変なアラートが鳴りました。
時計を見ると7時すぎ。
さすがにもう寝付けなくなって、デッキに出てみると、雨が上がったばかりのようで、外は肌寒く、強い風が吹いていました。

暗い色の湖。
海は空の色を移しているから青い、というように、湖もまた、曇りを反映しています。
じきに陽が射して、明るい朝がやってきました。

美しい湖畔の朝になりました。







● 湖で採ったしじみ汁

起きて、朝ごはんの支度をします。
メインは魚ではなく、昨日採ったしじみを使ったお味噌汁。
昨日の砂抜きの時には、キャンプ生活で必要だろうと家から小分けにして持ってきた塩がさっそく役立ちました。



しじみ汁を作ってくれたのは、一週間前に結婚したばかりのカオリン。
(ちょっと待って、ここにいていいのー?)
新郎は家に置いてきたそうです。新妻の愛情いっぱいお味噌汁を、前の日出会ったばかりの私たちがいただいちゃいましたよ。



朝は少し肌寒いくらいだったので、暖まります。
「おいしいね!」
これで私たち、「同じ釜の飯」ならぬ「同じ鍋の汁」を飲んだ間柄になったわ。



「また飲みたくなったら、湖に入ればいいね(笑)!」
ここなら、自給自足生活ができそう。
コテージの前にはシロサギが来ていました。

● ミサイル発射警報

朝食後にJBさんが車で迎えに来てくれました。
助手席の足元は、チップで埋め尽くされていて、いい香り。



朝のアラートは、北朝鮮のミサイル発射を知らせるもので、親から「三沢は大丈夫なの?」と連絡がありました。
米軍は、このことを事前に知っているはずだから、問題ないそうです。
確かに、空の様子で特に変わったところはありませんでした。

車は緑の中を抜けていきます。
市民の森がこんなに広いなんて。歩いたら大変そう。
平日だからか、車一台通っていませんでした。

● 青森のフリーメイソン

途中、アメリカンハウスの前を通りました。
アメリカ人仕様で、広い間取り。
その横には、フリーメイソンの「青森ロッジ」がありました。
どうして三沢に?やっぱりアメリカ軍関係なんでしょうね。


黄色がアメリカンハウス、青が青森ロッジ


車の反対側からだったので、うまく撮れずに残念。



● 空き家に入る

今日はコワーキングスペースでのお仕事デー。
仕事で忙しいジェニーはさっそく業務に入りましたが、カオリンと私は、JBさんに近くの商店街を案内してもらいました。
まずは、JBさんが出資している、ながいも加工工場へ。
近くだというけれど、どこかな~?とキョロキョロ。
実は、目の前にあるケーキ屋さん「洋菓子ルマンド」でした!
ケーキ屋さんが移転し、空家になった店舗を利用しているというそうです。
動かない自動ドアをぐーっと手で動かして、中に入りました。



本当にここが工場?私たち、空き巣の片棒を担いでいない?



中にはケーキの大きな陳列ケースだけが残っています。
ケーキの名前と値段とが書かれた紙もついたままです。
(目下、このショウウィンドウの引き取り手を募集中でーす)
大きな業務用冷蔵庫もありました。

● 長芋加工工場見学

空き家状態でがらんとしたケーキ屋のスペースの奥に回ると、工場が稼働していました。
きっちりと衛生対策をした5,6名のスタッフが、長芋の皮をむいています。
身障者雇用も行っているとか。



とても長い長いも。さすが、日本一の生産地ですね。



「やませながいも」というブランド長いもを出荷しています。
冷たい偏西風(やませ)が長芋の成長にいいんだそう。

● ゴボウ茶工場見学

次に、ゴボウ茶の工場にも行きました。
三沢は日本一のゴボウの産地。やはりやませが吹き付ける涼しいこの辺りは、根菜の育成に適しているそう。
やませって、ネガティブなイメージしかありませんでしたが、悪いことばかりじゃないんですね。



こちらも半分シャッターが閉じたお店。明らかにゴボウ屋さんではありません。
お店の前に立つと、ゴボウのにおいが漂います。
4,5名のスタッフは、ちょうど休憩中でお茶をしていたので、写真は撮らずじまい。
見たこともないほど大量のゴボウがあり、店内に置ききれずに、店の外にまで置いてありました。


シャッターの陰に保管中


● 寺山修二の町

そばのガソリンスタンドの壁には、さりげなく寺山修二の写真と言葉が載っていました。
そういえばこの商店街は、寺山修二通りというそうです。







● アメリカンと昭和

ビーグル号が下がっている公園。
市民に愛されているんですね。
『紅の豚』を思い出します。



● 商店街の改修前・改修後

あまり栄えている風ではない商店街。それが、しばらく歩くと、突然幅が広がりました。
電柱が地中に埋められているのです。
同じ通りの途中で突然!


目の前


驚いて、後ろを振り返りました。
今まで通ってきた道です。


頭の後ろ


ここまでが行政のてこ入れで、80億円かけて立派な道路にした場所。
さらに店舗も一気に立て直して、きれいになりました。
全て新しくて、非現実感が漂います。どこぞのテーマパークにあるストリートのよう。
それでも、あまり活気はないまま。





「ハード面は改良したけど、ソフト面が変わらないからね」とJBさん。
「だから、端っこの方から声をかけて、少しずつ変えていくようにしているんだ」
がんばって~!



途中、ボードメンテナンス中のサーフィン店の店主と話し込んでいました。
三沢にもあるなんて!JBさんもよくやっているそうです。
この辺りは、割といい波が来るそうです。

洋品店(ブティックではない)から、ガタイのいいアメリカ人が出てきました。
昭和の洋品店とブラッキーなお兄さんとの組み合わせ。これが三沢ね。

● 国境のフェンス

よく目を凝らすと、フェンスが見えます。
「もうあの向こうはアメリカね」
日本人が入れない場所になっています。



● 地酒チェック

酒屋を覗きました。
ここでも、弘前の日本酒「豊盃」は人気で「一人一本のみ」と書かれています。



この辺りのお酒は、下北の「寒立馬」がレアだとか。


左上が「寒立馬」


それよりも、下北は近所という感覚なんだということに驚きました。
「三八上北(さんぱちかみきた)」という天気予報での地域の紹介を聞くたび、いつもその響きがおもしろいなと思っていましたが、南北のつながりということかしら。

商店街の途中で、いこいの場のようなところがあったので、入ってみました。
おばあちゃんたちが6名くらいいて、手芸をしていました。楽しそう。



● 地域活性化問題

歩きながら、地域活性化について話し合います。
こんなに立派な通りを作ったのに、どうして栄えないのか?
素人の考えしかできませんが、時代のニーズをきくことでしょうか。
「ドッグカフェを作ってほしいと、アメリカ人は希望しているようなんだけどね」
「えー、作ればいいんじゃないですか?」
最近では、横浜でもずいぶん数が増えてきました。
「ところが、町が汚れるとかっていう反対意見が根強くってね」
なかなか実現にこぎつけないようです。
「どこか一つのお店を実験的にドッグカフェにして、それが成功したら、どんどん町に増えるのでは?」
アメリカ人だって、ここに暮らしているわけですから、住みよい生活を求めているのは一緒です。
米軍との軋轢はほとんどないという三沢ですが、もっと歩み寄れそうな気がします。

● ご当地ナンバープレート

「材」に戻ると、バイクが置いてありました。
「よかった、ヂンさんも来てる」
彼はレンタルバイクで、フリーダムに動き回れています。
ナンバープレートが蕪島のデザインでした。
よく見ると、鳥居の扁額に「蕪島神社」と書いてある細かさです。



その2に続きます。



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