風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 2-2

2020-02-21 | 近畿(京都・滋賀)

その1からの続きです。

● 竹生島上陸

遊覧船に乗り、1日かけて琵琶湖の島を巡っています。

お次は竹生島。前回乗った時には、私たちだけここで船を降り、長浜行きの定期船に乗り換えました。
長浜に行く旅程を組んでいたからです。
途中で下船したため、琵琶湖一周はしていません。

船にトランクを持ち込んだため「竹生島の入り口で荷物を預ってもらわなくては」とか「西国三十三観音の御朱印をいただきたい」など思っていた、せわしないフリータイムでしたが、今回はそんな悩みもなくて、とても気楽。

● 日本五弁天

都久夫須麻神社の本殿横に、招福弁財天が祀られていました。
カラフルで美しい弁天像です。


招福弁財天

この神社のご祭神は市杵島比売命ですが、こちらは仏教の弁天さま。
神道の市杵島比売命と仏教の弁財天は同じ神様とされており、竹生島は、神仏習合の聖地なので、一緒にお祀りしているのでしょう。

弁天様の横には、「日本五弁天」の立て札がかかっていました。


 ・ 安芸国(広島県宮島)   厳島大神 [厳島神社、大願寺]
 ・ 大和国(奈良県天川村)  天川大神 [天河大辨財天社(天河神社)]
 ・ 近江国(滋賀県竹生島)  竹生島大神 [宝厳寺、都久夫須麻神社]
 ・ 相模国(神奈川県江ノ島) 江島大神 [江島神社]
 ・ 陸前国(宮城県金華山)  黄金山大神 [黄金山神社]

日本三大弁天といったら、宮島・竹生島・江の島。
ただ諸説あるので、五つだと公平感があります。
ありがたいことに、五弁天、全てをお参りできた私。
ここ竹生島大神へのご挨拶が、一番最後でした。

紅葉が色づく島。向こう岸が見えます。
長浜の方面です。

● かわらけ投げ

母は前回、タイムオーバーでここでかわらけ投げができなったことを、ずっと残念がっていました。
今回は、ぜひやっていただきましょう!

小さな素焼きの皿の一枚に自分の名前を、もう一枚に願いごとを書いて、龍神拝所から湖に面した鳥居へ向けて思いっきり投げます。
見事下をくぐると、龍神様が願いを叶えて下さるのだそう。


そーれっ!

「1枚は入ったけど、1枚外しちゃったわ」
ちょうど一週間前、ここで「竹生島かわらけ投げ世界選手権」が行われたそうです。世界規模とは・・・。母よ、ひと足遅かったわね!

● 工事中 

目下、宝厳寺は6年かけての唐門・観音堂・舟廊下(渡廊)の修理保存中です。
前回訪れた時にも、お寺には足場が敷かれていました。
ヘルメット姿の人々がぞろぞろと見学する様子を、外からお坊さんが見守っていました。
来年の春には、すべて完成することでしょう。


宝厳寺観音堂

かわらけ投げの望みを叶えた母は、あとはゆっくり石段を降りて、時間まで桟橋で待つと言います。
そこで、さらに上にあるお寺の本堂を、一人でお参りすることにしました。
この島の石段は、急勾配で長いため、一番上りやすい階段はないかなあと思いましたが、ぬけ道はなさそう。
観念して登ります。

● 七本槍のもちの木
 
御本堂の弁天堂を参拝し、前回時間が足りなくなって寄れなかった、一番上部の場所にも上がります。


もちの木

1602年に植えられた、樹齢400年以上のもちの木がありました。
枝振りの美しさに見とれました。

豊臣秀頼の後見役、片桐且元(かたぎりかつもと)の手植えだそう。
「賎ヶ岳の七本槍」の一人じゃないですか!
 🎵ウィーアー・ウィーアー・七本槍!

● モチモチの木

ところで、モチの木といったらモチモチの木を思い出しますよね。
滝平二郎の切り絵の影響で、モチモチの木はこわいイメージがありますが、この木に怖さはまったくありません。
モチの木とモチモチの木は、同じもの?
調べてみたら、別ものでした。
モチの木はモチノキ、モチモチの木はトチノキだそうです。
まぎらわしい~!

● 帰り道

前回は、滑り落ちそうになりながら、大急ぎで石段を駆け下りて港に戻りましたが、時間に余裕がある今回は、ゆっくりと降りて行きます。
途中の「ぼけ封じ 諸病封じ 楽寿 観世音菩薩」 像に、しっかりお祈りしてきました。

今回は、長浜行の船に乗り換えることはせず、ふたたび遊覧船に戻ります。
竹生島が今回のクルーズの北端。ここからは、大津港への帰り道になります。

● 白髪神社を海参拝

2000年以上前に創建された白髪神社。
全国に300社以上ある白鬚神社の総本社。”近江の厳島”と呼ばれるということで、海に建つ鳥居は、本当に厳島神社のようです。
ここを海からお参りします。船に乗っているからこそできる体験。

船は少しずつ速度を落とし、ゆっくりと鳥居に近づいていきます。
SUP(サップ)に乗った人たちが、鳥居の下を通っていきました。

デッキに出て眺める私たち、ドキドキが高まります。
正面まであと少し…!

ぴったりと鳥居の正面で停まってくれました。
ここのご祭神は、旅と導きの神、猿田彦。
ここまでやってこれたことに、お祈りしました。

● 船内の乗客

船内に戻り、瀬田のしじみでアクセサリー作りをします。
のんびりした時間の中、一日同じ船内で過ごす乗客の方々を見回します。
相席のお上品な女性二人は、年が離れており、お互い敬語で会話をしているので、お嫁さんとお義母さんだろうと推測。

隣のテーブルは、おひとり様参加の男性が2名。会話はまったくありません。
勇気あるなあと思いますが、スゴイカメラがテーブルに乗っているので、写真の撮影が目的でしょう。

反対側の隣のテーブルには、まだ授乳期の小さな赤ちゃんを抱えた若夫婦。
この赤ちゃん、クルーズ中、一度も声を上げて泣き騒ぐことがなく、とても静かないい子だったで、最後には司会者の人にも褒められました。
船が大好きなのかも~。

帰りはずっとよし笛のコンサート。
ヒーリング~。

● 滋賀県の抱える問題

地元出身のガイド、今泉さんが琵琶湖について語ってくれました。
「これまで滋賀県民は、琵琶湖の上にあぐらをかいてここまできました」
滋賀県は、色々な問題が山積みだそうです。
琵琶湖の西側、彦根や近江八幡のある湖西エリアは平らな土地ですが、比叡山のある湖東エリアは山がちで、あまり栄えていないそう。
大津市役所は山の上にあって利用するのに不便だし、草津などでは、人の流出が続いているのだそう。

マック、ケンタ、ピザ屋は、琵琶湖大橋より上にはないそうです。
「中華屋やラーメン店しかありません」
本当に? 長浜は結構大きな町でしたが、それでもないのね!?

そもそも、滋賀県の特産がなくて、探している状態なのだとか。
(滋賀の名産ってなんだろう?)と考えます。
近江牛と鮒寿司?ほかにはあったかな?
有名なお菓子って、なんだったかしら?
・・・たしかに、あんまり思い出せないものですね。

交通網も不便で、すべての乗り入れラインがうまく接続していないのだそう。
ガイドさんは、モノレールでつなげる案を推したいそうです。
「問題が山積みの滋賀。コンサルにとって穴場です!」
たしかに、よくもわるくも琵琶湖なしには語れないのが滋賀県。
京都の隣なので、もっと観光客がいってもよさそうに思います。
朝ドラ効果も期待しましょう!

● 湖の駅浜大津

船はひたすら南に戻り、琵琶湖大橋港に着岸します。
朝に下をくぐったびわ湖大橋。遠くから見ても、絵になるわ。



湖の駅浜大津でお買い物をします。
道の駅ならぬ、湖の駅もあるんですね。でも、ほかにはないようです。
初めて入りました。貴重だわ!
「みずうみ」ではなく「うみのえき」と読むんだそう。読めない…。

信楽焼のコーナーには、目下放映中の朝ドラ『スカーレット』のチラシが貼られていました。

● ギガ団子

ギガ団子!? 文字も巨大ですが、中身もほんとうに巨大サイズでした。
直径が約7㎝、重さが300g だそうです。もはやこれ、団子じゃない…!
まんじゅう? 大福?
「近江米の新名物」だそうです。さっきのガイドさんの「名産がない」という話を思い出しました。

いろいろな野菜が売られている中で、和歌山みかんとキクラゲを買いました。
みかんは、旅行中のビタミン摂取のために。

わたくし、キクラゲに目がありません。天日乾燥の国産、いいですね~。
帰宅したら、さっそく食べようっと。

船に戻ると、となりに「うみのこ」号という船が停泊していました。
母「湖なのに海の子って」
私「うみのことツチノコって、似てるけど違うんだ」
こんな会話、船のオーナーはいやでしょうね。
県内の子どもたちを対象とした学習船だそうですが、廃船が決まっているそうです。

● 琵琶湖の残照

出航までの間、デッキに立って、空がピンク色からオレンジ色に変わり、輝きが少しずつ薄らいでくのを眺めていました。

船が動き出してからも、きれいな夕焼けは、しばらく湖上にとどまっていました。


● 下船

一日ゆったりと湖上を巡った琵琶湖クルーズも、大津港で解散。
ガイドの今泉さんと、船の運転士さんにご挨拶して船を降りた時には、辺りはもう暗くなっていました。

もと来た道を戻るので、楽です。
母に、関西では駅のホームと直角にベンチが置かれている話をします。
「自殺防止ですって」
帰りのJRは空いていましたが、京都駅でやっぱり大勢の人が乗り込んできて混雑しました。
外国人旅行客が圧倒的に多く、英語や中国語が飛び交う車両内は一気にインターナショナルになりました。

新大阪で電車を降ります。
土曜の夜はどこもお店が混んでいるため、ホテルで食べることにしました。


大阪城カラーマンホール

新大阪駅の構内は大きく、初心者にとって複雑な構造になっているので、ホテルのシャトルバス発着所への行き方に悩みます。
間違えてメトロの乗り場の方へ行ってしまい、御堂筋線の改札駅員さんに、教えてもらいました。

● ホテルのツリー

無事にホテルに戻ってきました。
クリスマスツリーのデコレーションが暖かく迎えてくれます。
シャンデリアもゴージャス!

ホテル内の和食料理店、和食堂 花綴へ。
この日のオススメ、高知産の取れたて魚介類を頼みましたが、お上品すぎる量でした。
確かにおいしかったんですが、もっと豪快にお願いしまーす!

下は母の御膳。一皿分けてもらいました。

食後、私がツリーを撮影していると、近くで待つ母のもとに、ホテルの人が近づいていきました。
「売店の人から飴をいただいたわ」
さすが大阪! 飴ちゃん文化!


飴ちゃん

● 大阪おこし

部屋に戻ってくつろぎます。
一日船に揺られていたので、そんなに歩いてないと思いましたが、2万歩越えしていました。
どうりで眠いはずです。
この日もいい一日でしたが、昼過ぎには充電がもう30%しか残っておらず、またヒヤヒヤしました。
こんなに早くなくなるのは、画像を撮るから?

この日のパンフレットを読み返します。
右上は、葦で作ったマスコット、右下は船上で作った瀬田のしじみのアクセサリー。

大阪の粟おこしや岩おこしって、浅草の雷おこしとどう違うんでしょうね?
食べ比べしようと、買ってみました。
ところでおこしって「粔籹」って書くそうですよ。読めなーい!
紀州みかんを食べて、眠りにつきました。

3日目に続きます。


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