ringoのつぶやき

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これから株式市場は上がるのか、下がるのか?(森田コラム)

2012年03月09日 16時20分34秒 | ケンミレコラム

 

今日の前場で日経平均は22%上昇しました。過去の日経平均の動きを見ますと、

1.東日本大震災のときは24%
2.リーマンショック後の上昇では33%と44%
3.サブプライムローンショック後のFRBの3回目の利下げで、0.75%という大幅利下げ後の24.9%
4.2005年の236日間の上昇での10770円から17563円までの63%上昇
5.2003年の小泉改革のときの「相場の転換点」からの上昇が32%
6.2000年のITバブル崩壊相場の最終局面での27.3%と27.7%

従って、歴史的な問題が起こった後の上昇相場では24%から33%くらいの上昇相場が起こっています。

■今回はどうか?

欧州危機に伴う下落率は、ドイツでは35%くらい下落していますが、日本は17%くらいしか下落していません。従って、欧州危機の暴落による大幅上昇というシナリオは考えられません。

■では、どうして上がるのか?

第一の理由は「裁定買いによる先物主導の上昇」で、第二に「日本市場のパフォーマンスが海外市場を上回りだしたことで、外国人買いが継続していること」で、第三は「欧州危機の沈静化。ギリシャの債務交換の参加率は95%」で、第四は「来期の日経225採用銘柄の増益率が60%を超える見通しで、予想PERが14倍で割高ではない」こと、第五に「雇用統計が改善してきていることを含め、米国経済が復活してリセッション懸念が後退したこと(雇用統計は季節調整がゆがみを与えているので、秋の大統領選挙前には下がるとの見方があります)」というように、たくさんの好材料が出てきました。

つまり、買うから上がる、上がるから買うという好循環相場になっています。多く投資家が「株式市場は様相が変わった」と思っていますし、専門家も「下値模索相場から10000円を固める相場に転換」と言っています。

実際に、株式市場が上がる材料は、ちょっと考えても5項目プラス円安といくらでもあるように見えますし、最近は海外が下がっても日本は下がらず、海外が上がると日本はもっと上がるという相場展開が続いています。

■結論

相場の先行きは誰にも分かりません。一部には、外国人は売った分を考えれば、「あと1兆円くらい日本株を買う資金が残っている」という専門家の見方もあります。「三空は売り」という格言も吹っ飛び、再び強気を示す「二空」が起こっています。このまま窓を開けずに上昇しますと「更なる上昇もある」ということになります。

列記した材料を見れば、ここからが上昇本番というように考えてしまう投資家が多いと思います。そして、そう考えている投資家が多いからこそ、株式市場は上がっているわけです。チャートの形も上昇後に短期の値幅調整し、調整が終わったので再上昇という綺麗な形になっています。

従って、チャートを見ますと、10200円くらいまでの上昇が考えられます。この10200円くらいまでの上昇の前提条件は「突然の悪材料が出なかったとき」ということになります。では、突然、悪材料が出る可能性はあるのか?

1.米国の景気について、個人消費と住宅投資が悪いことで、今の景気指標はおかしいという見方があります。勿論、景気は良くなったという見方もありますが、FRBが新しいタイプの量的緩和策を模索というニュースが出ています。つまり、米国景気の回復に対して懐疑的な見方をしている専門家もいますので、何時、悪い景気指標が出るか分かりません。

2.ECBが経済成長率の下方修正を行う。欧州各国の実態景気は悪化しており、何時、経済危機の報道が出るか分かりません。

3.ドルに対しての円高は「米国景気指標の悪化」で修正が入り、ユーロに対する円安は欧州経済危機が出れば円高に変わります。

4.イスラエルとイランの緊張問題も「宗教問題」であり、オバマ大統領の説得が失敗すれば分かりません。一部に距離の点でイラン攻撃は不可能というニュースも出ましたが、それならニュースにはなりません。

5.イランに対する西側諸国の経済制裁は、実施が4月中旬以降といわれていますので、当面の材料にはなりませんが、4月中旬以降にイランのホルムズ海峡封鎖が起これば、原油価格の急騰によるインフレ懸念から「金融緩和体制の終焉はコンセンサスになる」と思われます。

今は強気材料一色になっています。しかし、悪材料は潜行しているだけで「存在」しますので、ここから買うということにはリスクがあるということになります。この勢いならば「高値をつけるまでの日数もそれほど掛からない」と思われますし、山高ければ谷深しであり、安全性を重視するならば「下がるまで待つ」戦略がベストではないかと思います。

レポート担当:ケンミレ株式情報 森田 謙一



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