金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『燃ゆる女の肖像』

2021-01-17 20:11:31 | 映画の感想
2021年の映画①:『燃ゆる女の肖像』(セリーヌ・シアマ 監督)
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

18世紀のフランス・ブルターニュ地方。
画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)は
貴族の娘エロイーズ(アデル・エネル)の見合いのため、
彼女の肖像画を依頼される。
しかし、エロイーズは結婚することを頑なに拒んでいた。
マリアンヌは身分を伏せて孤島でエロイーズと過ごし、
ひそかに彼女の肖像画にとりかかるが、
マリアンヌの目的を知ったエロイーズは絵を見て
その出来栄えを否定する。

***********************

映画館にて。

あらすじからなんとなく、もっと若いお嬢様が
「お姉様」的な憧れを画家に抱く話かと思っていた。
お嬢様は結構年かさなのね。
そして思った以上にがっつり「女同士の愛」を描いた映画だった。

絵を題材にしているだけあって、場面のひとつひとつが
絵画的で美しい。
孤島という舞台設定が、当時の女性を取り巻く閉塞感にも重なり、
秘密の恋に息が詰まるよう。
母親の留守中、ヒロインズふたりと侍女の三人が
きゃっきゃしているのが、かわいらしいと同時に
短い青春といった様子で切ない。

ラストの「私を見なかった」は、
それまでに重ねて描かれてきた「見るー見られる」の関係を
踏まえたもの。
決して見ようとしない、そこに強い思いが感じられる。

好き嫌いとは別に、胸に爪痕を残すような、
印象的な映画だった。

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