ウェルザード『カラダ探し〈上〉・〈下〉』
★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
学校にまつわる赤い人の怪談。
「ねえ、明日香……私のカラダを探して」。
明日香達は、夜の学校で友人の遥の
バラバラにされたカラダ探しをすることに。
カラダをすべて探さないと、永遠に11月9日は繰り返され、
赤い人に殺され続ける。
明日香達を襲う赤い人の正体は?
遥はなぜカラダ探しを頼むのか?
Eエブリスタのホラーランキングで1位を獲得した
サバイバル学園ホラー!!
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自分では絶対に手に取らないweb小説&ホラー。
付き合いで読んだ。
こういうケータイ小説独特の横書き文庫、
久々に読んだなあ。
「逢魔高校」のネーミングに笑ってしまう。
web発の小説は、ある程度読み進めないと
「意図的にこういう書き方をしているのか、
それとも、単純に書き方が下手なのか」
がわからないのだが、これは後者。
登場人物同士の関係とか、「昨日、猫が轢かれた」こととか、
たぶん、プロ作家だったらカットバックの手法を使ったりして
序盤に書いておくと思うんだけど、
「前振りなしでいきなり書く」or「後出し」or「一切触れない」
のどれかで処理している。
でも、こういうのも、webで追っかけている分には
気にならない人が多いのかも。
恐怖によって本音をさらけ出したり、
もともとあまり好ましく思われていなかった面が強く出たりして、
人間関係がどんどん悪くなっていくところとか、
展開に緩急つけて興味を惹き続ける工夫をしているところが
うまい。
「よくない振る舞いをした奴はボコっていい/
ひどい目に遭わせてもいい」
という高校生の集団における発想が、
なんか妙にリアリティがあった。
過去の事件よりも恋愛面にフォーカスする形で
終わってしまったことにモヤモヤ。
ホラーなんだから、超常現象に関して
理由の説明を求めるものではないのかもしれないが、
いろいろと腑に落ちない。
しかし、コミカライズ&映画化しているそうなので、
他者の手が入れば、そこのあたりは
うまく処理してもらえるのかも。
余談。
「女の子同士でおっぱいもみ合って
『巨乳~!』『やだ、やめてよ~!』
と言い合うシーンを書く作者は、おっさん」
の法則、この作品も例外ではなかった……。
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