金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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279:大道珠貴 『しょっぱいドライブ』

2006-12-29 15:38:54 | 06 本の感想
大道珠貴『しょっぱいドライブ』(文藝春秋)
★★★☆☆

連日の出勤で読書はすすむが感想が追いつきませぬ。

籐子ちゃんライブラリーから拝借。
芥川賞受賞の表題作と、「富士額」「タンポポと流星」の三篇を収録。

小説にわかりやすさとか明確なテーマを求める人には
この本ダメだろうなあ……と思うのだけれど、
個人的には楽しめました。
女たちの奇妙な関係を描く「タンポポと流星」が好き。
いずれもなんとも形容しがたい関係性を描いたお話で、
帯の文句を考えるのに苦労しそうだ。

ある種の人々は、向上心もなく流される主人公に対して
嫌悪感を持つかもしれないけれども、別にいいじゃん、と思う。
前向きで希望に満ち溢れた小説ばかりじゃなくてもいい。
怒ったりいらついたりした感想を読むと
みんな真面目なんだなあと思う。
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