第36話「武士の鑑」
重忠退場回。
もっとエモーショナルな演出で泣かせにかかると思っていた。
だから見ている最中は拍子抜けしたんだけども、
後から一つ一つの場面を思い返して意味を考え、
ずーっとめそめそ泣いたわ……。
小四郎と重忠の一騎打ちという展開、
正直、「ないやろ」と思うし
個人的には好きじゃないんだけども、
勝者として去っていく重忠を描いて
最期を描かなかったところ、
製作サイドの愛だと思ったよ。
「戦には負けたけどタイマンでは勝った!」
という体で、かっこいい重忠を守ったのだった。
(イケメン二人をボコボコにして小汚くしたの、
単純にすごいと思った)
小四郎にとどめを刺さなかったのは、
彼の立場を理解していた重忠の友情のゆえでもあり、
時政を処分させるためでもある。
重忠が、大将である小四郎を引っ張り出すために
泰時を狙ったところも、
和田義盛が重忠の気持ちを理解して
説得を続けず引き下がっちゃうところも、
重忠が「何とかの一つ覚え」と
義盛の作戦を見抜いちゃうところも、
今までの関係性ありきの言動で、
とても優しく悲しい。
畠山討伐を機に、小四郎は時政追放へ。
今回で時政は追い落とされ、
諦めて伊豆へ引っ込むんだと思ってた。
次回は時政vs政子・小四郎で一波乱ありそう。
【その他いろいろ】
・今回も和田義盛だけが癒やしだった……。
「次郎ってやつは見栄えはいいし頭も切れる、
自分と同じものを感じるんです」
この義盛の発言を、即座になかったことにする平六に笑った。
・懐妊を思わせる、のえの吐き気。
なんか演技くさいけど、本当かしらん。
史実では、重忠が死んだ日に子が生まれてるんだけど、
わざわざ泰時の前でアピールしたようにも見える。
・実衣ちゃんは、畠山討伐に対して、
一体どういうスタンスでいるんだ。
先週、ちょっと昔に戻った感じがあったのに、
終盤の政子への反発といい、また嫌な感じに。
・時房、時政にもりくにも、はっきり意見を言って
諫めてるの、偉いよ。
両方とも聞く耳持たないけど。
・時政パパは、ちゃんと田舎ヤクザとして
戦のことは理解してるんだけども、
自分のしたことをまったく
受け止めようとしないとこがダメ!
「しょうがねえ、(重成に)死んでもらうか~」
じゃないんだよ!😡
・稲毛重成、このドラマではほとんど無実なので
本当に可哀想。
・三浦胤義、初登場。
頭ごなしに兄に「お前は黙ってろ!」と言われていた。
この強権的な兄に対する鬱屈もあったんだろうな~と
今後の描かれ方に期待。
・政子が足立殿にかける言葉、嫌な感じだったわ~。
冗談だと言っても、相手を小馬鹿にしていないと
出てこないでしょ、ああいう物言い。
・小四郎は江間の分家であって、
本家の父親に逆らえないのはわかっているが、
前回も今回も、重忠を助けようという気持ちが
感じられないんだよな~。
・小四郎が泰時に対して、
時政と同じギャグをやってすべるところ。
優しく頼もしかった父親がかつて自分にしてくれたことを
思い出したのだと思うと、
現在とのギャップの激しさもあって、切ないね。
・大江殿、やっぱり黒いなあ!!!
・「平六にやらせろ。私に隠れてこそこそ動き回った罰だ」
って言ったり、本人に
「ご苦労、下がっていい」
って言ったり、今日の小四郎は
平六に対しても偉そうだな~??
平六の小四郎に対する献身は序盤から続いているが、
小四郎はそれに報いてなくない??
ずっと受け取れるものだと思わないほうがいいぞ!
・時政「わしはな、皆が喜んでいる顔を見ると心が和むんじゃ」
なんか狂気を感じたよ……
次郎の首桶が開かなくてよかった。
瞑想してても叫んでても素敵。
不意打ちも腕相撲も見抜いた和田くんとの腐れ縁。
具足が真っ黒な小四郎と真っ白な次郎。
合戦シーンも、豪華だった…
最期も、ただのナレ死とは一味違った…
ドラマの展開だけ見てると、時政も思いとどまれるところがいくつもあったんじゃないかと思っちゃう。
来週はついにパパ退場か…それはそれで寂しいなー。
時政パパも、ところどころで、自分のしていることに違和感を抱いているような描写はあるんだけども、もう引っ込みが付かないのかね……。
家族思いだったはずが、娘三人の夫を死に追いやって、反省している様子がないのが恐ろしいよ~。