和田竜『村上海賊の娘 上巻』
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
『のぼうの城』から六年。
四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、
ケタ違いの著者最高傑作!
和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。
毛利は海路からの支援を乞われるが、
成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の
帰趨にかかっていた。
折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。
家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、
度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる!
第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。
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『のぼうの城』は、自分は世間での評判ほど
面白いと感じなかったのだけど、
これは好きになれそうな予感。
ヒロイン・景のキャラクターがとても良い。
ただのおてんば姫でなく、当時の一般的な感覚だと
醜女扱い。
なのに面食いで、「モテたい! ちやほやされたい!」
という欲望に忠実 。
関西へ行ったら美女としてちやほやされると聞いて、
一向宗の門徒を連れて大阪へ。
ユーモラスな部分がありつつも、
本願寺側と織田側の事情や人間関係も読ませる。
いがみあいつつも認め合ったり助け合ったりする
泉州侍たちにキュンだよ。
それにしても大坂は当時も「面白くない奴はだめ」なんか……。
上に立とうとする生真面目な人間にはしんどいな。
村上氏については全然知らず、これを読んで興味出てきたよ。
下巻も楽しみ!
のぼうの城は何かよさがよくわからなかったけど、
村上海賊のほうは結構一気に読んだ記憶が。
しばらく海賊関係の調べ物をしてしまったくらい。
景パパが渋くて素敵だった。