金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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85:小川哲『君が手にするはずだった黄金について』

2024-04-24 16:28:48 | 24 本の感想
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは
「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、
ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。
著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。
彼らはどこまで嘘をついているのか?
いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか?
いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
 
****************************************
 
先輩から借りた本。
タイトルだけ知っていたのだけど、予想していた内容とはずいぶん 違った。
主人公が作家だというのもあって、
「本当は俺が手にするはずだった名声を、あいつが手にした! 許せない!!」
みたいなドロドロとした嫉妬と焦燥に満ちた小説なのかと思っていたのだけども、
意外や意外、「主人公が作家である」という設定にはあまり重きをおいておらず、
読み心地は軽くさらりとしている。
情報商材を売って問題になっていた旧友と、炎上した漫画家についての話が
特に面白かった。
 
37ページ
「もしかしたら、僕にとって小説を書くことと、美梨と会うことは、
 人生において同じ部分に存在しているのかもしれない。」
140ページ
「何もかもがうまくいって摩擦のない人生に創作は必要ない。」
 
この二カ所も印象的だった。
 
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ドラマ「滅相も無い」♯1~2

2024-04-24 16:23:52 | 2024年に見たドラマ

TVerにて。

突然地上に現われた「穴」に入るため、

宗教の教祖のもとに集まった男女8人がこれまでの人生について語る……

という形式の、深夜にやっている30分ドラマ。

紙芝居と演劇と映像が合体したような作品で、

特に演劇には馴染みがないから、新鮮に感じられた。

現時点では、フィクションの世界を楽しむというよりは、

演技・演出を楽しむ作品なのかもしれない。

 

第1話の主役は中川大志くん、第2話は染谷将太くん。

どちらも表情と姿勢と話し方、仕草だけでちゃんと小学生になってるの、

すごいよ……。

第1話は話の筋自体はわりとストレートなんだけど、

「両親が先に穴に入ったから」だけでは穴に入る動機として弱い気がして

「ようやく怒れたのに、穴に入るの??」と釈然としないものが残るし、

第2話では最後の最後で「どこまでが本当!?」「結局入らなかったの!?」と

攪乱してきた。

 

先述の通り、楽しむ対象はストーリーではない気がするので

「めちゃくちゃ面白い」という感想にはならないのだけども、

続きは見たいという不思議な作品。

 

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