第37話「オンベレブンビンバ」
先週の衝撃を、一週間引きずってしまった。
重忠ロスもあるけれど、小四郎の「ちびった」が
地味に効いて。
あれは、優しく頼もしかったころの父を小四郎が思い出して
自分も息子に対してそうあろうとした場面なんだよね。
今回にもつながる仕込みだとわかっているだけにつらい。
謎タイトルの正体は、まったくの予想外だった。
大姫がオカルトにかぶれてみんなをドン引きさせていた、
あのときのおまじないだったのか~!
回想シーンを差し挟んであからさまに泣かせようとするのではなく、
会話だけで、伊豆時代の仲の良かった北条家、
大きな権力を握る前のまだ平和だったころのことを
視聴者に思い出させることで泣かせにかかっていた。
あの祝いの席にいた人々の多くが、
もう死んでしまったのだね。
大姫に全成、重忠に重成、あきに八重、政範。
あき以外、「殺される」「事故死」「ストレス死」。
酷い……。
本当に、頼朝に出会わず、伊豆で暮らしていたら
こんなことにはならなかったのだ。
久々の仲良し家族ぶりに泣いてしまった。
りくさんの言うままに、実朝を廃し、
政子と小四郎を討つところまで暴走し始めた時政パパ。
「いいかげん、正気に戻って~!!」
と思っていたけれど、パパはうまくいかないことが
わかっていて、それでもあえて愛妻の望みを叶えるために
やっていたのだね……。
政治センスがなくても、さすがに平六が小四郎を裏切って
自分に付いたりしないこと、
こちらの計画を小四郎に伝えることくらい、
わかっているのだな。
(しかし、三浦の親子二代にわたる献身ぶりよ……)
りくさん、序盤は継子たちとそれなりに良好な関係を築いていたし、
継子たちへの愛を感じる場面もあった。
でも、結局、彼女自身の気質もあって、
権力が近づき始めてからギスギスし始めたあげく、
今では完全に継子たちから「すべての原因」として
疎まれている。
嫡子だった息子を亡くしては、もう寄る辺もない身の上。
夫と娘婿にしか頼るものがない状態。
だから、時政パパはそれなりに地位を確立した子どもたちと
別れてりくの野望に殉じることにしたのね。
愛よ……! と思うけど、それに感動するには、
人が死にすぎた。
全成も重忠もりくのせいで死んでるし。
【その他いろいろ】
・実朝くんに同性愛者説が出てるけど、
確かに泰時のこと好きだよね……。
・再び反抗期の泰時。
・大江殿、すっかり政子ファン。
・後鳥羽院の似顔絵を破いたりくしゃくしゃにしたりする
兼子&慈円。仲良し。
・実朝の正室の千世ちゃん、めちゃ品のいい
優しいお嬢様って感じでいいねえ。
のえさんとの対比でさらにそれが際立つ。
・阿野時元、彼もまた、無実の罪で誅殺されるのかと
思ってたけど、これはほんとに謀反起こしますわ……
・和田義盛による盛りすぎ&パクリ劇場。
武衛の意味を、まだ信じてたのか……。
「そうだそうだ、みんな武衛だ」
と適当にあしらう平六にも笑った。
・泣き落としされても脅されても、
断固として起請文を書くことを拒否し、
母や小四郎に相談してから、と言う実朝。
重忠を死に追いやってしまったことを
反省しているのだね。ちゃんと成長してる。