第20話「帰ってきた義経」
小四郎は、さすがにもう、自分には「必ず~します!」と言ったことを
守る力もないって、自覚したほうがいいんじゃないかな?
そう思っていたが、ついに腹をくくった模様。
泰衡と国衡の不仲を利用して泰衡に義経を討たせる、というのは
頼朝の指示だけど、ほんとに畑仕事にいそしむ義経をあおったのは
小四郎の自主的な判断だもんな。
最後に「逃げてください!」とか言い出さなくて安心したよ!
以前だったら、自分も展開に加担したくせに、そう言ってたと思う。
里御前、
「こんなところに来たくなかった」
「ついてきたくなかった」
「(静に対して)いい気味だわ」
と言ったあげく、堀河夜討ちが頼朝ではなく自分の策だったと
明かして義経に殺されちゃうんだけど、なんだろうか、
気の毒な役回りでありながら「義経の妻」という記号で終わらず
良かったね、という気持ちがある……。
子を産んだけれども、最後まで愛することも愛されることもなく、
満たされずに死んでいく一人の女として描いてもらえた、という点で
いわゆる「義経もの」の創作物の中では
大事にされたほうなんじゃないだろうか。
少なくとも、これまでにわたしが触れてきた義経関連の作品って、
たいてい、静への愛は描かれるけれど、
正室に関してはたいした個性もなく、
ただ「奥州まで来て一緒に死にました」で終わるものが
ほとんどだったから。
静のほうも美しくて儚い悲劇の女性じゃなくて、
里への醜い対抗意識がちゃんとあるのがよかった。
静ではない、と言い張っていたのに、
里の縁者である道にけなされて、
自分は義経の子を身ごもっている、と明かしちゃう。
最後、青墓の遊女になったんじゃないかって噂も
「美しいエピソードでは済ませませんよ!」
という脚本の強い意志を感じる。
静の舞のところでも、
義経が「自分の首で平泉を守れるのなら」と言うところでも
(だって実際には守れないし)、
ラストの頼朝の涙でも泣いちゃったんだけど、
義経の死に関しては、「ああ、こう描いてきたのか~」という感心が
先に立つ。
梶原が義経の才を誰より認めて理解していて、
でも天運を重視する梶原が選んだのは
義経ではなく頼朝で正解だった、というのも納得できる作り。
そろそろ姫の前が出てこなきゃいけないだろうから
八重さんは死んでしまうのかな? と思っていたけれど、
来週の予告は不穏。
【その他いろいろ】
・面と向かって、義経が平家を滅ぼしたことを褒めてくれたの、
秀衡だけだったんだね……
・大姫、元気になったと思ったら、
蝉の抜け殻で義高のこと思い出しちゃった
・善児、強すぎるんだが!?!?
・ついに重忠のキャラが崩れた!
「こんなもん適当に叩いてればいいんだろ」
と言った平六にキレる