おっ!
11月10日(日)、大相撲。九州福岡場所、初日だ。
とはいえ、奈落の底とも言える、序二段百六枚目に位置する宇良には、15日間を、再び、日を置いて、7番取るだけなので、彼にとって、この日が、初日になるかどうか?は、取り組み表を、改めて、検索するほかない。
してみたところ、出る、
それも、序二段の取り組みの、2番目だ。
相手は、すでに、10月28日の段階で、推定し、記載しておいた、「大翔城」(だいしょうじょう)。
愛知県岡崎市出身。入門して、すでに、20年目。在位、123場所のうち、103場所を、序二段に、名主のごとく、腰を落ち着けており、この先の三段目の階段を、駆け上がっていける見込みは・・・・失礼だが、無いに等しい、すでに35歳。
とはいえ、土俵は、上がってみなくては、分からない。
久しぶりに、「Ameba TV」を観る。
まあ、次々と、番組コマーシャルが、どんどん、容赦なく、差し込まれてくる。
おまけに、取り組みの力士のしこ名は画面上位置に出るのは、出るのだが、番付けの表記が、300日前と違い、消え去り、手元に、取り組み表が無いと、非常に不便極まりない。
だが、アナウンスが無いのは、逆に良い。
以前、ただ、うるさいだけの、フリーアナ、矢野武が出てきた時には、ジャマでしかなかった。かん高く叫びまくり、まさに「実狂」。狂い咲き。
NHKの、豊原謙二郎同様、ぎゃあぎゃあと、叫べば良いと思い込んでいる馬鹿アナには、困り果てる。
さて、CMにも慣れ、流して観ていたら、午前9時1分、目当ての宇良、花道より、入場。
ガラーンとして、閑散とした観客席から、女性たちの「宇良~あああ」の、歓声が飛びかった。
会社員で言うなら、朝の朝礼の時刻に当たる。
今後、参考にして、視聴することをお薦めする。
で、びっくらこいた。
ゆ~っくりと、控えの席に、あぐら座りするのだが、今年2月末から3月にかけて2度目の手術をほどこした、右ひざ周辺だけでなく、やはり左ひざも、痛めていた。
慎重に、ゆ~っくりと腰をおろすのだが、このように、ぶ厚く、グルグルと巻きつけた、サポーターと、巨大な包帯。
さらに、深くひざを,くの字に曲げる、あぐらすら、出来ない。両ひざを、軽く曲げて、立てるだけだ。
300日前、2度目の損傷と、断裂をする前でさえ、この程度の、薄く最小限度のサポーターしか、していなかったのだから。
今場所前は、このように、ディリ―スポーツのカメラマンの前では、見事に鍛え挙げた、両太ももの筋肉を見せていたのだが・・・・。
両ひざの状態は、手術後、8か月過ぎても、完調にほど遠いのか、もしくは、もしもと、万が一を考えて、痛みを最小限に押しとどめようとしている、方策、手当て・・・・なのかも知れない。
とはいえ、驚きと共に、見たファンには、不安が、ぬぐい切れない姿であることは、まちがいない。
同、9時4分。呼び出しの声に応じて、ゆっくりと、立ち上がる宇良。
約300日振りに、本土俵に上がり、踏みしめる宇良。だが、湧き上がる歓声と裏腹に、サポーターのアップを、レンズはとらえている。
右の、宇良。かつてほどではないが、両足は、予想以上に上がっている。
勝負は、ホンの2秒ほど。シャッターが、追いつかないほど、あっけなく。
一突き、二突き、三突き!
アッと言う間もなく、大翔城は、土俵を割り、出てしまった。
おそらく、事前に、宇良は、この力士は、立ち合いの突き押しに弱いということを学習し、熟知していたのであろう。
初日は、問題も無く、終えた。
まだ16歳の、新米行司から、勝ち名乗りを受ける27歳の宇良。
むろん、手に出来る、懸賞金など、1円も無い。
土俵を、これまた、ゆっくりと降り、歩み
かつての彼らしく、クルリと向き返り、土俵に向けて、深く一礼する、宇良。
明日の取り組みも、おそらく、無い。
取り組みを、白星で終えた、宇良に、各社への配信記事を書くために、記者が、聞いた。
まず、感想を、
「メチャクチャ、緊張しました」
取り組みの展開、自分では。
「相手を良く見て、冷静に押していけたのが良かったと、思います」
この300日あまりを、振り返る。
「いろいろと、考えることは有りましたが、でも、もう一度、やってみよう!と決めてからは、心が揺れたり、迷ったりすることは有りませんでした。後ろ向きになることも、無くなりました」
この先は、
「今しか、見てません。この先を、見てません」
2度あることは、3度ある・・・・・ことが、無いように、祈るばかりだ。
あの、ぶ厚く、広く巻き付けた、包帯と、サポーターを見つめながら・・・・・・・