DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

西野カナ『トリセツ』(2015):女房の取り扱い説明書!①公明正大、②愛は永遠を望む、③親しき中にも礼儀あり、④「可愛い」恋女房でいさせてほしい、⑤「男の甲斐性」!

2019-11-11 12:20:43 | 日記
(1)
男から見て、とても可愛い女だ。「この度はこんな私を~ご了承ください」との女の冒頭の言葉は、惚れた男にとって、抱きしめたいほど可愛い。結婚直前に、女が取扱説明書を男に語る。この女はこう語るだけで、すでに公明正大だ。
(2)
「一点ものにつき返品交換は受け付けません。」つまり女が「離婚したくない」&「ほかの女と替えてはだめだ」と男に言う。愛は永遠を望む。「惚れる」とはそういうことだ。男も惚れれば、女に同じことを言う。
(3)
「定期的に褒めると長持ちします」。これは人間関係の基本だ。双方に気を使えば、結婚は長持ちする。昔から「親しき中にも礼儀あり」と言う。
(4)
「もしも涙に濡れてしまったら優しく拭き取ってギュッと強く抱きしめて、あなたにしか直せないから」。なんと可愛いことか!惚れた女にこう言われたら男は張り切る。
(4)-2
「男は外で仕事」と言ってる場合でない。今は共稼ぎの時代だ。男は、家族と妻を大切にできてこそ男だ。だが男が妻に惚れていないと事態は大変になる。男が「俺が食わしてやってる」と思う時、女は「メイド」にすぎない。かくて可愛い女が「面倒くさい女」に見えることになる。
(5)
「たまには旅行にも連れてって」、「記念日にはオシャレなディナー」にエスコートしてと、女が言う。この場合は「男の甲斐性」を見せねならない。

《感想1》男と女が相思相愛なら、女の自己主張がすべて「可愛い」と思える。この西野カナ『トリセツ』を「女の面倒くさい所を凝縮した曲」と男が思うのは、(ア)男が女に惚れていない場合だ。あるいは(イ)「女は自己主張や口答えせず、黙って従順に男に従えばよいのだ」と思う場合だ。
《感想2》ただし自己主張する女を「可愛い」と思うには、男には、愛だけでなく、金が必要だ。金がないと「旅行にも連れてって」あげられない。「記念日にはオシャレなディナー」にエスコートすることもできない。
《感想3》男に金がない時は、愛だけが二人を結び付ける。女は「金がない男」を思いやる。だが二人が理解し合い、惚れ合っていれば、貧乏を乗り越え、楽しく生活することができる。そして成功も可能だ。
《感想4》男と女は、相手への役割期待が我儘になってはいけない。日本は「男社会」だと言われるが、相思相愛なら、男も自分勝手な我儘を言わず、そして「男女が本質的に同じ人間だ」と思えるだろう。
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「メンヘラ」という言葉は暗い蔑称だ:①傲慢、②多数派、②-2匿名性、③憂さ晴らしと自己正当化!

2019-11-11 09:11:40 | 日記
「メンヘラ」とは心に悩みを抱える者に対する蔑称だ。「悩みをもつこと」は異常で、「悩みを持たない」のが正常とされる。だが①心に悩みを抱えないのは、傲慢な者だけだ。自分が「メンヘラ」でないと思う者は、傲慢だ。②また多数派が「正常」で「メンヘラ」でないとされる。「メンヘラ」の語を人に貼る者は、多数派を名乗って自分を守り、その上で人を侮蔑して楽しむ。②-2 さらにネット上で「メンヘラ」と言う側の者は、匿名性も使用し自分を守る。また③人を侮蔑し、攻撃し、苦しむのを見て、自分の憂さを晴らすのは、自分の人生がうまくいっていないからだ。人を貶め、自分の存在を「ましだ」と正当化する。暗い心だ。
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『雑兵物語』かもよしひさ訳・画:戦国時代、雑兵は半奴隷であり、軍隊の外見は乞食の集団だった!陣中は飢饉と同じだ!陣中の手本は乞食の生き方だ!

2019-11-10 14:10:47 | 日記
※『雑兵物語』(1657-72頃成立)、かもよしひさ(1932-1994)

『雑兵物語』上
(1)鉄砲足軽小頭(コガシラ):①鉄砲は馬を狙う。②至近戦で刀を使う時は、敵の手・足を狙う。③のどが乾いたら死んだ奴の血、あるいは泥水も飲む。
(2)鉄砲足軽:①マムシに噛まれたら、火薬1匁を傷口にのせて火をつければ、毒を吹っ飛ばして早くなおる。
(3)弓足軽(ユミアシガル)小頭:無駄に矢を捨てるような射方をしてはならない。
(4)弓足軽:弦(ツル)にちょっとでも折り目をつけると、すぐ切れてしまう。
(5)槍担(ヤリカツギ)小頭:槍はただ突くものでなく、みんなで穂先をそろえ、敵の槍を上からたたく。
(6)持槍担(モチヤリカツギ):①おさむらいのお持槍をかつぐ。②「敵の首をとったおかげで、俺の首は胴についていられる」と思えばうれしい。
(7)数(カズ)槍担:槍の鞘はなんの飾りもないのがよい。はずした鞘が大きいと運ぶのが大変だ。
(8)旗差馬印持(ハタサシウマジルシモチ):敵ともみあったら、長い柄で突きはらう。
(9)馬印持旗差(ウマジルシモチハタザシ):長い柄を武器にして働く。
(10)持筒(モチヅツ)(担):主人が使う鉄砲を持つ。
(11)持筒(モチヅツ)(担):大きい鉄砲だと腰にさせないので、接近戦で戦う時、不便だ。
(12)持弓(モチユミ)(担):①ご主人が使う弓を持つ。②弓を立てる台は背中にひっかけて、腰の刀で働く。
(13)持弓(モチユミ)(担):ご主人以外のおさむらい衆に、主人に伺った上で、取り替え用の弓矢を使っていただくこともある。
(14)草履取(ゾウリトリ):刀は普通なかなか抜けない。抜くのが難しい。
挟箱持(ハサミバコモチ):①着替えなどが入っているが、つづら行李を背負った方が、つっかえたりせず危なくない。②これまで案外死にもしなかった。
(15)馬取(ウマトリ):馬に逃げ出されないようにしろ。味方の馬で陣中が滅茶苦茶になる。
(16)馬取(ウマトリ):①馬を逃がすと大騒ぎになり負けたと同じ事になってしまう。②「一人でもいいから敵を殺せ。」さもないとこれまでもらった給料や食物が無駄になる。
(17)沓持(クツモチ):馬の沓(ワラジ)を持つ。

『雑兵物語』下
(1)矢箱持(ヤバコモチ):①矢を100本入れた矢箱を持つ。②「一人でも敵を殺せ」という命令あり。③おさむらい衆から、犬ころ扱いのおれたち。
(2)玉箱持(タマバコモチ):①弾薬箱を持つ。②今頃はさなだ虫の病気が流行し腹痛が多い。③当たりもしない無駄弾丸を撃ってはいけない。
(3)荷宰料(ニザイリョウ):①馬に荷物をつけた馬隊!②味方でも、よその部隊から食料を奪うので、油断ならない。③縄は里芋の茎なので食べられる。④俵のわらふたは馬のエサになる。
(4)夫丸(ブマル):①陣幕張り、柵作り、死体処理など行う。②いくさの陣中は飢饉と同じだ。③乞食の生き方が陣中では手本だ。④水は1日1.8リットル/人いる。(城にたてこもった時。)⑤米をまとめて何日分も渡すと、酒飲みは酒を造って飲んでしまう。
(5)又 若党:俺はちょっとばかり外科の手当てを知っている。
(6)又 草履取:①鉄砲で頭をぶったたいたら敵はすぐくたばった。②「敵の首のお弔いでもしてやるべい」と思った。
(7)夫丸(ブマル):けが人は眠ってしまうと、そのまま死んでしまうことがあるので、紙のこよりで鼻をくすぐって目を覚まさせる。
(8)夫丸:陣笠で飯を炊く!
(9)又 槍担(ヤリカツギ):味方の印をいくつも(7つ、8つ)つけていけないと、敵と思われて味方に首と斬り落とされる。
(10)並中間(ナミチュウゲン):関東のさむらいは舟の戦いを知らない。
(11)又 馬取(ウマトリ):今日はきっと川を渡る。昨日の大雨で川の水かさが増えているだろう。
(12)又 馬取:渡河の時は、主人が馬に乗り、5人の雑兵がその1匹の馬に取り付いて、川を渡る。

《感想1》ひとりの侍、あるいはひとつの部隊には、多くの雑兵が半奴隷状態で従う。軍隊と言っても、見た目は乞食の集団だ。食い物はない。作戦中は物品・食糧は自弁か略奪で、ご主人や部隊からの支給はあてにならない。不足すれば、味方でも他部隊から盗み取る。
《感想2》『雑兵物語』は、年寄りの戦争経験者からの話に基づくので、法螺(ホラ)話・自慢話も多い。
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現存在が全体性を欠いているとは、存在可能の未済分があることだ!だが「現存在の全体性の問題」を排除しない! ハイデガー『存在と時間』(1927)「第1部」「第2編」「第1章」「第46節」

2019-11-08 14:08:37 | 日記
※「第1部 現存在を時間性へむかって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する」「第2編 現存在と時間性」「第1章 現存在の可能的な全体存在と、死へ臨む存在」「第46節 現存在的な全体存在を存在論的に把捉し規定することの、みかけの不可能性」

(1)現存在が全体性を欠いているとは、存在可能の未済分、《おのれに先立って》があることだ!
A 「全き現存在をわれわれの先持(※主題)のうちに取り入れることが必要である。」(236頁)
A-2 「現存在の構造全体の全体性をなしている関心」、その「関心構造の第一次的契機」は「《おのれに先立って》」である。(236頁)
A-3 「現存在は『存在している間は』その終末に至るまで、おのれの存在可能に関わり合っている。」つまり「現存在の存在は・・・・《おのれに先立って》によって規定されている。」(236頁)
A-4 「現存在の根本的構成の本質には、常住の未完結性が含まれている・・・・。現存在が全体性を欠いているということはこのように存在可能の未済分があることを意味する。」(236頁)
A-5  「現存在は、存在者として存在している間は、決しておのれの『全額』を入手しない。」(236頁)

《感想1》「現存在の根本的構成の本質には、常住の未完結性が含まれている」ということは、生きている間は《終わっていない》ということだ。だが年老いてまたは瀕死状態で、「存在可能」の範囲が極めて狭められれば、「未完結性」は極限的に空虚=死に近づく。生きたまま死ぬ!

(1)-2 だが「現存在の全体性の問題」を排除したりしない!以下「第1章 現存在の可能的な全体存在と、死へ臨む存在」「第47-53節」で取り扱う!
B 「現存在の全体性の問題を空しい問題として排除する」ことはできない。
B-2 つまり「現存在が終末に至っているということ(das daseinsmässige Zu-ende-sein)の存在論的性格を規定し、死の存在論的概念を獲得するという課題」に取り組まねばならない。
B-3 以下の考察の手順:「第1章 現存在の可能的な全体存在と、死へ臨む存在」「第47-53節」
一、「第47節 ほかの人びとの死についての経験の可能性と、全たき現存在の把捉の可能性」
二、「第48節 未済、終末ならびに全体性」
三、「第49節 死の実存論的分析と、この現象についておこないうる諸他の解釈との対照的区別」
四、「第50節 死の実存論的=存在論的構造の素描」
五、「第51節 死へ臨む存在と、現存在の日常性」
六、「第52節 終末(死)へ臨む日常的存在と、死についての十全な実存論的概念」
七、「第53節 本来的な《死へ臨む存在》の実存論的投企」
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安倍公房(1924-1993)『鞄』:「鞄」はやがて本性を現し、生命の安全を脅かし、生活を保障せず、また人身・思想良心・経済活動の自由を禁止し、幸福追求の権利を否定する!

2019-11-07 20:22:58 | 日記
半年前の求人広告に応募してきた青年。「『鞄』が大きくて重くて、また『鞄』が行き先を決めてしまい、自分は自由に歩けない。やっと半年かかって、ここに着いた」と青年が言った。私は言った。「そういう事情なら、君を雇おう。」さらに私は彼に下宿屋も紹介した。彼は、会社に「鞄」を置いて、下宿屋の下見に出かけた。私は彼が置いていった「鞄」を持ってみた。するとずっしり思い。しばらくすると突然、ものすごく重くなって腰骨の間に背骨がめり込む音がした。私は意識を失い、気づけば事務所の外にいた。私は「鞄」に導かれ、ただ歩いていれば良かった。私は嫌になるほど自由だった。

《感想1》ナチズムを支持した者たちは「自由から逃走した」と、かつてE.フロム(1900-80)が言った。自由の面倒くささから逃れ、ナチスのイデオロギーに従うことで彼らは楽になった。
《感想2》A.ゲーレン(1904-76)は、本能を持たない人間の「負担除去」のため文化が生まれたと述べた。人間は自由を持てあます。
《感想3》サルトル(1905-80)は、人間は「自由の刑に処せられている」と述べた。
《感想4》「鞄」に従うことで「自由から逃走」し、彼の「負担は除去され」、「自由の刑」を免れる。「鞄」が生命の安全を保障し、生活を保障するなら、また人身の自由、思想良心の自由、経済活動の自由を保障し、幸福追求の権利を保障するなら、「鞄」は「自由」であることと同じだ。
《感想4-2》「鞄」は移動の自由だけ認めない。つまり人身の自由のみ一部制限する。(刑務所にいれたりはしない。)その制限だけで、あとは自由なら、「鞄」は「自由」と言っていいだろう。
《感想4-3》移動の自由を制限するのみで、生命の安全・生活の保障・思想良心の自由・経済活動の自由・幸福追求の権利の保障(移動の自由は除く)をもたらす「鞄」ならあまり問題がないだろう。
《感想4-4》そんな便利な「鞄」は普通ない。「鞄」はやがて本性を現し、生命の安全を脅かし(Ex. 徴兵、逮捕、拷問)、生活を保障せず(Ex. 物資統制、配給制)、また人身の自由、思想良心の自由、経済活動の自由を禁止し(Ex. 密告制度、秘密警察、戒厳令、統制経済)、幸福追求の権利を否定する(Ex. 強制収容、テロによる支配)。
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