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ハイデガー『存在と時間』(1927)「第1部」「第1編」「第3章 世界の世界性」「第14節 世界一般の世界性の理念」(その1)

2019-04-18 12:30:27 | 日記
※「第1部 現存在を時間性へむかって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する」
※「第1編 現存在の準備的な基礎分析」

(1)世界の「現象」学的(かつ存在論的)記述とは、存在者の「存在」を挙示し、「存在構造」を概念的=カテゴリー的に画定することだ!
A 「世界」を「現象」として記述するとはどういうことか?
A-2 世界の内部で現れてくる「存在者」(Ex. 家、木、人間、山、星)を枚挙し、それらの「形相」を描写し、それらに生じる出来事を物語ることは、「前現象学的」であって、「存在的」な記述に過ぎない。
《感想1》「現象」の概念については、「第7節 考究の現象学的方法」「[C]現象学の予備概念」を参照のこと。

B 世界の「現象」学的記述とは、存在者の「存在」を挙示し、「存在構造」を概念的=カテゴリー的に画定することだ。
《感想1-2》これが「存在論的」記述だ。(⇔「存在的」な記述!)

(2)すべてのものの基礎になる自然物!
C 「世界の内部に存在するもの」は「自然的事物」と「価値を帯びた」事物だ。後者の事物性は、前者の事物性をもとに組み立てられているから、「自然物の存在、自然そのもの」が「第一の主題」だ。
C-2 「すべてのものの基礎になる自然物、実体の存在性格は、実体性である。」

(2)-2 「自然」への存在論的問いは、しかし、「世界」への存在論的問いでない!
D だが「自然そのものも、世界の内部で出会って・・・・発見できるようになる一つの存在者にすぎない。」つまり自然は「世界」でない。

(3)「価値を帯びた」事物も、「世界」の内部にある存在者であり、「世界」という現象に行き合わない。
D 「価値を帯びた」事物は、「現存在がさしあたってたいていそのもとに身おいている存在者」だが、「世界の内部にある存在者」にすぎない。
《感想2》「価値を帯びた」事物への存在論的問いも、「世界」への存在論的問いでない!

(4)「『世界』はすでに・・・・『前提』されている」!
E かくて「世界の内部にある存在者を《存在的に》描写しても(※上述(1)参照)、またこの存在者の存在を《存在論的に》解釈しても(※上述(2)(2)-2(3)参照)、・・・・『世界』という現象に行き合いはしない。・・・・どちらにおいても『世界』はすでに・・・・『前提』されている。」(64頁)

(5)「どの現存在もそれぞれ自分の世界をもつ」のか?
F 「世界」が「現存在の存在性格」の一つであることは、「どの現存在もそれぞれ自分の世界をもつ」ということか?
F-2 それでは「世界」は「主観的なもの」か?
F-3 そうだとすると、「われわれがみなその『なか』で存在しているはずの『共同の』世界」がどうして可能なのか?

(6)世界一般の世界性!
G 「あれこれの世界ではなく『世界一般の世界性』」こそ、われわれがめざしているところだ。どの道を通れば、この現象に出会うのであろうか。」(64頁)

(7)「世界」は、「現存在ではない存在者」の規定でなく、「現存在そのもの」のひとつの性格だ!
H 「『世界性』は・・・・・・世界内存在の一つの構成契機(※世界)の構造を指すものである。」そして「世界内存在」は現存在の実存論的規定(※実存範疇)だから、「世界性」もひとつの「実存範疇」である。
H-2 「世界」を問うとき、われわれは、「現存在の分析論」の主題的領域の内にある。
H-3 「存在論的にみれば、『世界』は、・・・・現存在ではない存在者の規定ではなく、現存在そのもののひとつの性格である。」

《感想3》再確認:ハイデガーの「実存」の概念について(参照「第4節 存在問題の存在的優位」(64頁))
◎「現存在の本質は、そのつどそれの存在(※実存)をおのれの存在として存在しなくてはならない、ということにある。」だから「この存在者(※現存在)の呼び名として、・・・・(※存在者の表現でなく)存在表現たる現存在という名称がえらばれた。」
◎「現存在は、自己自身をいつも自己の実存から了解している。」
◎「実存」は、「おのれ自身の(※様々な)可能性」である。この可能性のいずれかが、現存在によって決定される。現存在は「これらの可能性」(「実存」)を、①「みずからえらんでいる」か、②「それらの可能性のなかへたまたまおちいってきた」のか、③「すでにはじめからそのなかで成長してきた」のか、いずれかだ。(12頁)
◎「実存をおのれのものとして掌握する(①)にせよ、あるいはそれを逸し去る(②③)にせよ、実存はそのつど現存在によってのみ決定される。」
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