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最果タヒ(1986-)「望遠鏡の詩」『死んでしまう系のぼくらに』(2014年):生きているきみを愛するのに、きみの死まで愛する悲しみ

2018-01-20 22:45:23 | 日記
死者は星になる。 
だから、きみが死んだ時ほど、夜空は美しいのだろうし、
ぼくは、それを少しだけ、期待している。
きみが好きです。
死ぬこともあるのだという、その事実がとても好きです。
いつかただの白い骨に。
いつかただの白い灰に。白い星に。
ぼくのことをどうか、恨んでください。

望遠鏡の詩

《感想1》
きみが死ぬと、きみが星となるので、夜空が美しくなる。
だから、きみが死ぬのを、ぼくは少しだけ期待している。
恐るべき期待だ。

《感想2》
ぼくは、きみが好きだ。
だが、きみの死が夜空を美しくするから、きみの死も、期待する。
ぼくのきみへの愛は、アンビヴァレント(両価的)だ。
きみの生も、きみの死も、愛する。

《感想3》
美しい夜空は、ぼくにとって、きみの死そのものだ。
ぼくは、きみの死も好きだ。
生きているきみが好きだが、きみの死も好きだ。
美しい白い骨、白い灰、白い星。

《感想4》
きみの「死」を美しいと思い、きみの「死」を期待する(もちろん少しだが)。
このようなぼくを、「どうか、恨んでください。」
きみへの激しい愛。
死すべき人間の愛が持つ両価性。
生きているきみを愛するのに、きみの死まで愛する悲しみ。

The dead becomes a star.
Therefore, when you die, the night sky will become more beautiful.
I slightly expect that.
I like you.
You will die someday. I like this fact very much.
Someday, you will become only white bones.
Someday, you will become only white ashes. Only a white star.
Please, mercifully hate me as I think such a thing.

A Poem of a Telescope
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