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金子みすゞ(1903-1930)「雪」:青い小鳥の死を誰も知らない!青い小鳥はこの詩人自身だ!詩人の孤独!

2020-05-02 00:46:39 | 日記
   「雪」        “Snow”
 
誰も知らない野の果で In the field which no one knew,
青い小鳥が死にました A blue small bird died.
さむいさむいくれ方に It was very cold in the evening.
 
そのなきがらを埋めよとて In order to bery its body,
お空は雪を撒(マ)きました the sky spread snow.
ふかくふかく音もなく It was very deep and silent.
 
人は知らねど人里の No one knew about it.
家もおともにたちました However, houses of a village attended the funaral
しろいしろい被衣(カツギ)着て wearing very white clothes. 

やがてほのぼのあくる朝 After some time, the morning slowly came.
空はみごとに晴れました The sky was extremely clear.
あおくあおくうつくしく It was deeply blue and beautiful.
 
小さいきれいなたましいの The small beautiful soul
神さまのお国へゆくみちを was going to the land of God.
ひろくひろくあけようと The sky gave the soul a broad way going there.

《感想1》誰も知らない野の果て、青い小鳥が死んだ。青い小鳥は誰にも知られず死んだ。幸福の鳥の死。厳しく寒い夕暮れの出来事だった。青い小鳥はこの詩人自身だ。
《感想2》空が優しい。小鳥の亡骸を埋めようと、空が雪を撒いた。深い優しさ、誰にも知られぬ静けさ。詩人の孤独。
《感想3》人々は青い小鳥の死を知らない。家々だけが、小鳥の死を知って埋葬に参加した。家々は白い雪の衣を着た。
《感想4》青い小鳥が埋葬され、夜が明け朝が来た。空は快晴、そして青く青く美しい。ついに青い小鳥の死は、誰にも知られなかった。
《感想5》青い小鳥の魂は小さくきれい。神様の国へ行く。空が、広く広く神様の国への道を提供する。
《感想5-2》青い小鳥の死を誰も知らない。青い小鳥はこの詩人自身だ。
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