※『グレンとグレンダ』GLEN or GLENDA(1953、米)監督エドワード・デイヴィス・ウッド・Jr
(1)ウォーレン刑事はあるトランスベスタイトtransvestite(服装倒錯者)の自殺事件を扱った。刑事は「トランスベスタイト(服装倒錯者)について学びたい。人を救いたい。予防できるのか?助言が欲しい!」と精神科医オルトン博士を訪れる。「彼らを異常と決めつけず、受け入れてやることが肝心」とオルトン博士は説く。
(2)オルトン博士は「男と女が一つの精神に同居している」トランスベスタイト(服装倒錯者)について語る。「グレン」は女性の服が着たくてたまらない。グレンは女装し化粧し女性の鬘をつけ「グレンダ」としてふるまう。ただしグレンはホモセクシュアルではない。
(3)グレンには、「バーバラ」という婚約者がいた。2人は「隠し事をしない」と約束していた。結婚を控え、グレンは自分の女装趣味をバーバラに告白すべきか悩む。実際、グレンの友人でトランスベスタイトの「ジョニー」は、自分の女装趣味を結婚後妻に知られ、離婚せざるを得なかった。
(4)「グレン」は悩む。彼は性的妄想も抱く。(a) 誘惑的なバーバラの肉体、(b)挑発する女性の肢体、(c)男女の性交渉場面、(d)女装するグレンを誰もが男も女も非難する妄想、(e)バーバラが許してくれない場面の妄想。こうして女装のグレン(「グレンダ」)は昏倒する。
(5)「グレン」は、結局、「バーバラ」に自分の女装を告白する。自分はトランスベスタイト(服装倒錯者)だとバーバラに告げる。混乱するバーバラ。だが彼女はグレンを受け入れる。「あなたを愛している。2人で頑張れると思うわ」とバーバラが言う。
(6)オルトン博士はウォーレン刑事にもう一人のトランスベスタイト(服装倒錯者)のケースも話す。これは女装して「アン」となる「アラン」(男)の話だ。(ア)アランの母親は娘を望んだがアラン(男)が生まれてしまった。(イ)父親は仕事で忙しくアランに興味を持たない。しかも(ウ)アランは男の子たちから仲間外れにされていた。アランは女装するようになった。
(7)「アラン」は兵役にもついたが、いつもトランクに女性用の衣服を入れて持ち運び、休暇の時には、それを着て、自分を慰めた。第2次大戦が終わると、彼は性転換の手術を受けると決意した。
(7)-2「アラン」は女性になる事を選んだ。(a)何十回ものホルモン注射、(b)胸を作る整形手術、(c) さらにホルモン注射が続く、(d)男性器を取り、女性器を作る手術。アランはこれらに耐えて、ついに彼は身体的に「女のアラン」つまり「アン」になった。さらにその後(e)女性としてふるまう訓練が行われた。「アラン」は、今24歳で「アン」として幸せだ。
(8)オルトン博士はウォーレン刑事に、その後の「グレン」と「バーバラ」について語った。2人はオルトン博士のカウンセリングを受け、またバーバラの愛と理解によって、トランスベスタイト(服装倒錯者)の状況から解放されていった。最終的にグレンは「正常な男性としての日々を送るようになった」とオルトン博士は結んだ。
(8)-2トランスベスタイト(服装倒錯者)となるのは、「後天的」要因だとオルトン博士が言う。「グレン」(「グレンダ」)の場合は、(ア)祖父は孫の自慢がしたくてフットボール選手になれとグレンに強く要求し、グレンはそれから逃れたかった、(イ)母親は夫が嫌いで、夫に似るグレン(男)をも嫌った。こうしてグレンはトランスベスタイト(服装倒錯者)となっていった。
《感想1》語り手が大時代がかっているが、ドラキュラ映画風のおどろおどろしさで1950年代初期の映画としては標準的だろう。
《感想2》“List of films considered the worst”(最悪と考えられる映画リスト)の1950年代に“Glen or Glenda”(『グレンとグレンダ』)はあげられている。しかしストーリーは、大変、理性的or科学的であって、啓蒙映画と言える内容だ。
《感想3》ただしグレンが抱く性的妄想の場面は、やや長い。男性観客を念頭におき、長くなったのだろう。
(1)ウォーレン刑事はあるトランスベスタイトtransvestite(服装倒錯者)の自殺事件を扱った。刑事は「トランスベスタイト(服装倒錯者)について学びたい。人を救いたい。予防できるのか?助言が欲しい!」と精神科医オルトン博士を訪れる。「彼らを異常と決めつけず、受け入れてやることが肝心」とオルトン博士は説く。
(2)オルトン博士は「男と女が一つの精神に同居している」トランスベスタイト(服装倒錯者)について語る。「グレン」は女性の服が着たくてたまらない。グレンは女装し化粧し女性の鬘をつけ「グレンダ」としてふるまう。ただしグレンはホモセクシュアルではない。
(3)グレンには、「バーバラ」という婚約者がいた。2人は「隠し事をしない」と約束していた。結婚を控え、グレンは自分の女装趣味をバーバラに告白すべきか悩む。実際、グレンの友人でトランスベスタイトの「ジョニー」は、自分の女装趣味を結婚後妻に知られ、離婚せざるを得なかった。
(4)「グレン」は悩む。彼は性的妄想も抱く。(a) 誘惑的なバーバラの肉体、(b)挑発する女性の肢体、(c)男女の性交渉場面、(d)女装するグレンを誰もが男も女も非難する妄想、(e)バーバラが許してくれない場面の妄想。こうして女装のグレン(「グレンダ」)は昏倒する。
(5)「グレン」は、結局、「バーバラ」に自分の女装を告白する。自分はトランスベスタイト(服装倒錯者)だとバーバラに告げる。混乱するバーバラ。だが彼女はグレンを受け入れる。「あなたを愛している。2人で頑張れると思うわ」とバーバラが言う。
(6)オルトン博士はウォーレン刑事にもう一人のトランスベスタイト(服装倒錯者)のケースも話す。これは女装して「アン」となる「アラン」(男)の話だ。(ア)アランの母親は娘を望んだがアラン(男)が生まれてしまった。(イ)父親は仕事で忙しくアランに興味を持たない。しかも(ウ)アランは男の子たちから仲間外れにされていた。アランは女装するようになった。
(7)「アラン」は兵役にもついたが、いつもトランクに女性用の衣服を入れて持ち運び、休暇の時には、それを着て、自分を慰めた。第2次大戦が終わると、彼は性転換の手術を受けると決意した。
(7)-2「アラン」は女性になる事を選んだ。(a)何十回ものホルモン注射、(b)胸を作る整形手術、(c) さらにホルモン注射が続く、(d)男性器を取り、女性器を作る手術。アランはこれらに耐えて、ついに彼は身体的に「女のアラン」つまり「アン」になった。さらにその後(e)女性としてふるまう訓練が行われた。「アラン」は、今24歳で「アン」として幸せだ。
(8)オルトン博士はウォーレン刑事に、その後の「グレン」と「バーバラ」について語った。2人はオルトン博士のカウンセリングを受け、またバーバラの愛と理解によって、トランスベスタイト(服装倒錯者)の状況から解放されていった。最終的にグレンは「正常な男性としての日々を送るようになった」とオルトン博士は結んだ。
(8)-2トランスベスタイト(服装倒錯者)となるのは、「後天的」要因だとオルトン博士が言う。「グレン」(「グレンダ」)の場合は、(ア)祖父は孫の自慢がしたくてフットボール選手になれとグレンに強く要求し、グレンはそれから逃れたかった、(イ)母親は夫が嫌いで、夫に似るグレン(男)をも嫌った。こうしてグレンはトランスベスタイト(服装倒錯者)となっていった。
《感想1》語り手が大時代がかっているが、ドラキュラ映画風のおどろおどろしさで1950年代初期の映画としては標準的だろう。
《感想2》“List of films considered the worst”(最悪と考えられる映画リスト)の1950年代に“Glen or Glenda”(『グレンとグレンダ』)はあげられている。しかしストーリーは、大変、理性的or科学的であって、啓蒙映画と言える内容だ。
《感想3》ただしグレンが抱く性的妄想の場面は、やや長い。男性観客を念頭におき、長くなったのだろう。