King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

覚醒期

2012年05月17日 23時39分09秒 | 珈琲
豆を焙煎して直後に飲むと生っぽい蒸し風呂の
中で飲むおしぼりの絞り汁のような感じのもの
が口の中を圧します。

しかし、その時にしか感じられないうまみも実はあって
私は、味見はいつも焙煎後から翌日二日後、三日後と
随時していきます。

コーヒー屋は実は、自分の豆は飲まないのです。

売り物ですから。

よく三日目に味が最高になるといいますが、それなら
実は、焙煎直後とその後の時間経過ごとの味を飲んで
いないとわからないはずです。

そして、実際に飲んだ人でもそれは情緒的な感覚で
言っているだけで科学的な根拠は実際は明らかに
されていません。

そうなればなんと評しても言ったもん勝ちみたいな
ところがあり、本にして発表している人もいますが
最近の傾向として点数付したりランク付けしたりと
なんと馬鹿げたことだと思えてきてなりません。

二日目の豆を飲んでそんなことを思っていました。

しかし、実際昨日は感じられなかったものが急に
芽生えたとか首をもたげたという表現がまさにぴったり
な印象があります。

これをグラフになんかして三日目にピークにして後は
下降線みたいな表を描く人は何をしたいのでしょうか。

当然味は変化しますが、劣化するという強迫的なイメージ
よりは味わいを微妙に変化し続けるというのが妥当な
ところであり、コーヒーの賞味期限は長いのです。

どんな珈琲を飲んでいますかと試飲の前に私は聞いて
何を出すか決めていますが、酸味のないもの、深煎り、
酸味があるものと大体行き着くようです。

不思議に甘味があるものとか、苦いものとか、香りが
いいものとか複雑なものという要望はありません。

変わったものでは渋いのが飲みたいといった人が
いましたが、これは特殊ケースです。

酸味が好きと嫌いというのも酸味を強く出す淹れ方も
あれば、甘味を強く出す淹れ方もあります。

意外と皆さん淹れ方のコツは知っているがめんどくさい
のでやらないという方が多いようです。

そういうのが顕著な方にはめんどくさがりでもできる
おいしい淹れ方をお教えします。

そして、新鮮な豆はおいしく飲めるという解りやすい
結論を大概の方が認めるようになります。

膨らんでうまそうという話をよくされますが大きく
膨らむ豆には何かを期待させるものを皆さん感じる
のでしょう。

コメント
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