サバイバルファミリー

矢口史靖監督最新作『サバイバルファミリー』を観てきました。
★★★★

これまで特定のカルチャーや職業に焦点を当てた映画ばかりを撮ってきた矢口監督なので、今回はちょっと毛色が違う。
この冒険を期待をせずに観に行ったのですが、これが新境地を切り開いた感覚でなかなか面白かった。

電気が失くなったらどうなるか。
原因は、勘の良い人なら太陽フレアによる磁気嵐かなんかだろうなとピンと来ると思うのですが、映画に登場する人達は誰一人気づかない。
いや、気づいた人達は何も言わずに行動に移していただけなのだろう。
そんな風に色々と想像しながら観ていると、細かいところに全て合点が行く作りになっているから余計に楽しめる。

電気が無くなると、何が起きているのか伝聞以外に知る手段が無くなる。
何も知らされないまま都会に暮らしていると、とりあえず会社からの指示が無いまま出勤して、とりあえず責任感を持って仕事を続けようとする…。
震災で電気が寸断された地域では、こんな事態を目の当たりにした方々もいらっしゃるでしょう。
本当にこんな事が起きたら、やっぱり俺もとりあえず支店に出勤するのだろう。
そして本社からの指示が受けられないままこうやって過ごすのかな。

サバイバル生活で、家族の団結力を強めた彼らの笑顔が眩しく、微笑ましい。

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