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デッド・サイレンス

2008-03-24 | 劇場映画れびゅー
『ソウ』シリーズで、ホラー映画の新ジャンル、ソリッド・シチュエーション・ホラーという言葉(※)を生み出したジェームズ・ワンとリー・ワネルのコンビ。
ずっとシリーズに携わっていたけれど、1作目より後は製作総指揮という立場で、ジェームズ・ワン自身のメジャー映画監督作は今回まだ2本目。
リー・ワネルにしても、『ソウ』『ソウ2』『ソウ3』と広がり続けるシリーズの脚本だけが評価されてきて、今回ようやく全くゼロから構想を立ち上げての脚本。
と考えると、シリーズのファンとしてはどうなるのか期待と不安の両方が膨らみ、絶対観逃せない『デッド・サイレンス』を観てきました。
★★★

『ソウ』シリーズのファンではなく、二人のファンとも言えるのかどうかが測られる映画。
俺は…シリーズのファンってところで良いかもw

ジェームズ・ワンとリー・ワネルを除く『ソウ』の製作陣が作った『カタコンベ』の天狗っぷりに辟易としたのが記憶に新しいので、本家の二人の映画がそうなっていない事を願いながらの鑑賞。
予告編に出てきていた『ソウ』を彷彿とする腹話術人形も、なんだかその辺の不安を助長していたのは事実。

けれど今回はミステリー風味のサイコスリラーというよりも、ミステリー風味のモンスターホラーだということが冒頭に判明する。
ならばあの腹話術人形の存在自体も“味”とか“作風”、“セルフパロディー”といった受け止め方で片付けようじゃないか。

今回もこれまでにやってそうでやってなかったような隙間を縫った演出や、どこかで観たような演出が満載で、混沌としていてマニアック。
ジャパンホラー風な演出や、ハリウッドらしく音で脅かすところはストレートにはしてなくて、どれも捻りが効いてるところは「さすが」と思う。
旧『椿三十郎』然り、最近では『スウィーニー・トッド』で見られた、モノクロに近い色彩の映像の中に“赤”だけは鮮やかに浮かぶ映像がメイン。
逆に血の色が真っ黒なところはハリウッドらしいけれど、黒いことが不気味に映えているところは『スウィーニー・トッド』の逆を行っていて面白い。
映像的には斬新で、『ソウ』の時に感じた新しいものが観れたような感覚は今回も健在でした。

でもね。
『ソウ』の二人が作ったという事に対する、観る側の期待は相当のものです。
最初から構えて観てしまってるもんだから、随所に有る“怪しいポイント”が全部オチを語ってるように見えてしまっていて…。
「まさか、わざとに見せてるんだから、ままヒントじゃないよね?目くらまし狙ってるんだよね?!」なんて、二人を信頼しながら観てたら、そのまんまなオチで大ショック。
ストレートなヒントが多すぎ!
日本語字幕版では、何の気なしに描かなければいけない伏線部分に対して、ここは必要とばかりに字幕が付いているのも不利。

また、モンスターホラーなので、『ソウ』と比べてファンタジー入ってますから、リアルな人間の恐怖を期待している方は、ちょっと肩透かし食らうかもしれない。
単純にホラーとして観るには怖さが少ないので、やっぱりミステリーの部分に着目したいところだったんだけどなぁ…。

★2.5個にしたいところだけど、そうすうると相当ガッカリした『カタコンベ』の2個との差が狭いので、とりあえず今回3個で。

※ソリッド・シチュエーション・ホラー、もしくはソリッド・シチュエーション・スリラー。どっちでも良いけど、日本でしか使われていない言葉だそうですw

ネタバレ
まさかの予測通りのオチ。
どう見ても、お父ちゃん顔色悪くて死んでそうだし、姿や立ち位置的に腹話術人形のようだったし。
クライマックスの“衝撃的”を演出する、お約束の大音量の音楽と早回しの回想、描かれていなかった続きの場面、この辺は『ソウ』と同じで「えぇー!そうだったのか!」てな効果が得られるハズなんだけど、想像通りなら必要無いどころかガッカリ度がUP。
このガッカリ感は『カタコンベ』のクライマックスと同じw
残念です。



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