ニュースの真相

邦題から『スポットライト』的なのを期待して、『ニュースの真相』を観てきました。
★★★

観終わってから考えてみると、言い得て妙で、確かに描かれている“ニュース”の真相ではある。
原題の『TRUTH』以上に、主体がはっきりしている。
ただ、対象とされているブッシュ・ジュニアのスキャンダルに関する変遷については、日本ではそんなにクローズアップされていなかったから、なんとなくしか覚えていないし、どう決着がついたのかは全く覚えていない。また、描かれている有名ニュース番組と著名アンカーについては、全くもって知らない。
この映画は、その辺りを“知っていて当然”な目線で描いているので、前半せっかくノッて観ていたのに、途中で梯子を外されてしまう感覚になってしまった。

観る前にある程度の情報を入れてから観ないと、本質的な楽しみ方が出来ない映画なのかもしれません。
超絶上手い役者さん達は何も悪くないし、脚本も、編集も良いだけに、配給会社の宣伝の次第でもっと楽しめたかと思うと勿体なさすぎる。

マスメディアがニュースを面白おかしく扇動したり、無責任な正義感に駆られて真実を検証せずに広めてしまう問題など、日本でも度々特にツイッター等で話題に上がる事や、権力による情報操作やマスコミの利用等についても考えさせられる内容でもあるので、もうちょい上手くやって欲しかった。

ネタバレ
ブッシュ・ジュニアのスキャンダルに迫る展開を楽しんでいたら、途中でぶった切られて、女史の言い訳と、人気アンカーへのリスペクト100％の展開に変わってしまい、ブッシュがタコ殴りになるはずの展開はどこへやら。
先入観のせいで全然スカッとしない結末に、もやもやだけが残りました。

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