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彩の国シェイクスピア・シリーズ第21弾『冬物語』@シアタードラマシティー

2009-02-23 | ステージれびゅー
2009年は観劇を少なめになんて昨年末から書きながら、なんだかんだ毎月分チケットを買ってしまってます。

2月の二本目は蜷川シェイクスピアのロマンス劇『冬物語』。
『冬物語』と言えばビールのイメージだったのですが、晩年のシェイクスピア作品のタイトルから取ってたんですねー。
スミマセン無知で。
知らないタイトルだったので観ようか迷いつつ、生で唐沢寿明が観れるっつーんで結局購入。
今回は14列目のドセンターで迫力たっぷり。

晩年の作なのだそうですが、二部構成の第一幕は『オセロー』にあった“嫉妬に正常な思考が蝕まれる姿”、『リア王』にあった“王の乱心と怠慢”、そしてお得意の“取り返しの付かない事をしてしまった後悔”がベースな悲劇。
休憩を挟み16年後を描いた第二幕は打って変わってオール・メイル・シリーズのような喜劇がベースで、クライマックスはまんま『から騒ぎ』と被る大団円で、2年前から立て続けに彩の国シェイクスピア・シリーズを観てきた俺にとっては総集編的なストーリー展開が面白い。
盛りだくさんなので話の展開も早く、あっという間の楽しい3時間半でした。

唐沢寿明はちょうど映画『20世紀少年』シリーズの彼が登場していない章公開時期に合わせて舞台に登場、ってニクイ俳優活動をしてはります。やるよねぇ。
とことん拘った役作りが一見神経質っぽく気難しげに見えるのに、オフでの映像から伝わってくる人柄の良さと過剰なリップサービスでこの人の事嫌いな人って居ないんじゃないかな。
舞台を観るのは録画でも生でも初めてだったのですが、もの凄い集中力と演技の幅の広さに魅了さっぱなし。
シチリア王の役は感情の浮き沈みの幅が広いのでむちゃくちゃ難しそうだけど、最後は笑いもバンバン取る余裕を見せて大団円を楽しませてくれました。
ちょっとファンタジーが入ってたので結末には戸惑いましたが、唐沢さんが爆笑をさらった後の大団円だからうまいことウヤムヤになってます。

田中裕子や藤田弓子、六平直政なんかも初めて生で拝見したけど、テレビや映画とは全然違うプロな姿に感嘆ですよ。
藤田弓子なんてフツーのオバサンなんだとばっか思ってたけど、とても60過ぎとは思えないパワフルな舞台女優っぷりに圧倒された。
お芝居って観れば観る程に、映像では伝わってきにくい役者さんの本当の力に触れる事ができてやっぱ楽しいね。

他、蜷川シェイクスピアに常連な俳優さん達が脇を固め(吉田鋼太郎、高橋洋は不在)、第一幕と第二幕の間に16年の時を隔てて、特に二幕は主人公を定めずにキャラ立ちのした登場人物達の群像劇として描いているし、16年でみんな老けたり一人何役もしたり役者が入れ替わったりと、ここ数年の蜷川シェイクスピアを観た事のある人にとっては役者さん達の変化も楽しむ事が出来る舞台になってます。



結局『ムサシ』はまだ購入できず。
3月『ビロクシー・ブルース』
4月『蜉蝣峠』
9月『コルテオ』のチケットを購入済み。

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