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彩の国シェイクスピア・シリーズ第14弾『お気に召すまま』再演@シアタードラマシティー

2007-08-06 | ステージれびゅー
シェイクスピア戯曲とか、蜷川幸雄の監督した演劇だとかいうものには、きっと一生触れる機会の無い、堅苦しくて苦手な分野だと思っていたので、テレビでもチェックした事が有りません。
映画にしても、有名どころ以外はシェイクスピアだと意識して観る機会はほぼ無かったと思う。

今年の月イチ観劇キャンペーン(一人上手と呼ばないで)の8月度は、思い切って彩の国シェイクスピアシリーズの『お気に召すまま』を選んでみました。

彩の国シェイクスピアシリーズとは、“彩の国さいたま芸術劇場”でシェイクスピア全37作を13年間にわたって上演する企画で、演出家の蜷川幸雄を芸術監督に迎え、1998年よりスタート。
作品の多くはさいたまで上演後、地方公演を行い、また、海外の演劇祭などに招聘される機会も少なくない。
(さっぱり知らなかったので、上記はWikiから引用しましたw)

シェイクスピアの時代に習って出演者を全員男性に限り、女性役も男性が演じるのが“オール・メール・シリーズ”で、『お気に召すまま』はその第一作。
3年前に大ヒットした本作が、今回同じキャストで再演されたわけです。
劇場に足を運ぶ前の知識はこのくらい。
喜劇だという事すら知りませんでしたともw

メインキャストは、3年前から比べても格段に実力を増している人気者の成宮寛貴と小栗旬(ちなみに成宮寛貴がヒロイン、つまり女装)。
人気も3年前から格段に増しているせいか、上演前の週にヤフオクを調べてみたらチケットの値段が倍以上になってました。
発売翌週に落としておいて良かった。

映画と違って、舞台のシェイクスピアは小難しいものだと思い込んでたら、軽快でシャレの効いた数々の台詞に、笑いの連続。
木洩れ日が光る癒しの森を舞台に、あちこちで楽しい会話が繰り広げられ、様々なカタチで愛が生まれて行く。
先入観がどんどんと崩され、他の蜷川シェイクスピア劇も舞台で観てみたく…あ、でも喜劇じゃない場合はどうなんだろうw
とりあえず喜劇の方は全部チェックしたくなりました。
特にオール・メール・シリーズは面白そう。

シェイクスピアと言えば韻というイメージも、無理な日本語での韻よりも比較的言葉遊びとはっきりわかるカタチなのが知的で面白かった。
長台詞の会話から紡ぎだされていくキャラクターの魅力は、俳優自身の力によるものが大きい。

客席も含め、会場の全体を駆け回るダイナミックな演出。
簡素化された舞台セットの使い方も面白く、場面の移り変わりがとても映画的な反面、舞台だからこそなライブ感溢れる演出で、セットの中、いや森の中に居る感覚にとらわれた。
なんかわかったような事書いてゴメンナサイ。

『お気に召すまま』は、映画に限らず舞台でもこれまでほとんどの場合、女性が女性役を演じていたみたいだけど、この戯曲は男性の演じるヒロインが、男に成りすます事で起こる複雑な笑いが面白いのであって、当初通りのオール・メールにしたのは正解ですよね。

しかし、そこに色んな裏の噂が有る(どこまでが本当なのかは知らないけど)成宮君を持ってくる辺りが思い切り良すぎw
男装の令嬢なのか、女装のオキャマなのか、オネェ全開な演出に笑いが巻き起こる。
小栗君も正に今が旬てな感じで、先日の『キサラギ』ではちょっと濃い目な舞台ライクの台詞回しが気になったのですが、この舞台の影響なのかな?
忙しいのによく二人とも再演に出てくれましたよね。

この二人ももちろん良かったんだけど、周りを固める人達が上手いのなんの。
ちょっとね、レベルが違いすぎる(ボソ)ファンに怒られそうだけど。
特に田山涼成って、舞台だとこんなに存在感の有る凄い俳優なんですね。
強烈な個性と理屈っぽい長台詞で観客に訴えかけるような説明をする場面が何度も有るんだけど、変なキャラクターなのに妙に説得力の有る丁寧な演技に出てくるたび見入ってしまった。

ほとんどが女性客で、男性と言えばその連れが点在するくらい。
一人で観てた男って俺だけ?(汗)
一部のお馬鹿なファンが演出上通路を歩く彼らに手を伸ばしたり、俺の隣の女性も通路に荷物を置いてたり、ちょっとマナー成ってなさ過ぎた。
満場のスタンディングオベーションの中でもキャーキャー言いながら名前叫んで両手振ってる人も居たし、コンサートじゃないんだからもうちょっと品良く…。

公式ブログをチェックしてみると、その事に触れて書かれてしまっていて、その場に居合わせた大阪人として恥ずかしい…。

タダの羊にイチイチ声に出して反応するのもどうかと…。
色んな意味で腐女子も集まりそうなオールメールシリーズ、開演前にもうちょっと明確に注意しておいた方が良いのかも。

のだめカンタービレ』で“変態の森”、『ピアノの森』ではまんま“ピアノの森”と続けて、今回は蜷川“シェイクスピアの森”を味わいました。

11月に大阪公演の有る彩の国シェイクスピア第18弾『オセロー』も観たくなりました。
今回凄い存在感だった俳優に加えて、映画での好演でいつも楽しませてくれる蒼井優も出るし。

ただ、11月分は松尾スズキ『キャバレー』のチケットを取ってしまったし、10月と12月分をまだ決めてないからどちらかの月の分というカウントにしちゃおうかな。

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