ソウ４

ソリッド・シチュエーション・ホラーと銘打った人気シリーズも、あんな終わり方をしてしまった後の四作目にもなるとマンネリ化を超えて違うアプローチをするしかないわけで、前作『ソウ３』からどんな風に軌道修正してくれるのか、ある意味期待して『ソウ４』を観てきました。
★★★

これまでの三作との繋がりを持ってないと観客が黙ってないので、あらゆる場面で以前の映像をチラ見せしたり、関係者を登場させたり。

シリーズを重ねるごとにファンが離れていっているこのシリーズですが、ひとつだけ言える事は、無理して続編を作り続けているけど、決して手は抜こうとしていないし、その気力だけは毎回伝わってくる。

ネタバレ
何でもかんでも“ビギニング”もの作っちゃうこのご時勢、やっぱり想像通り、ジグソーの死後はジグソー・ビギニングがまいりました。

でもね、彼のキャラクター自体はそんなに魅力的じゃ無いんよね。
彼の仕掛ける“ゲーム”、姿の見えない相手との駆け引きが楽しいのであって、ジグソーについて描かれても嬉しくないし、そこだけスピード感が損なわれてる。

これまでのシリーズではクライマックスを中心に流れていた緊迫感を増す音楽を、ジグソーがただ喋ってるだけの場面で流してしまうのは特に頂けない。

などと、死人に口無し！故人について描くなら時間戻せ、と思っていたら、まだ生きてやがんの。
反則的な方法で時間軸ずらしてまで「まだ生きてたから文句言うな」と、無理やり思わせられたようなクライマックスには呆然。

結果として、全四作はジグソーパズルのように複雑な形をしながらも、ピッタリと嵌ってひとつのシリーズとして形を成しているのには驚嘆。
台詞と時間の隙間を縫って、三作目と同じ時間帯に四作目がピッタリ収まってしまいました。

五作目も、この完成したかのようなパズルの中に納まってしまうんだろうか。
説明に説明を重ねて、これまでの神秘性が全部損なわれてしまったパズルに。

…二作目の時点で五作目までのプロットが出来上がってるとしたら、次回こそ必見！

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