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新作映画の満足度は最高★5つで表示

感染列島

2009-01-18 | 劇場映画れびゅー
鳥インフルエンザの脅威が取りざたされる昨今、この映画が作られた意義を確かめに『感染列島』を観てきました。
★★

2009年になってずっと★4つ以上が続いてきましたが、ここに来てようやく★3つ以下。

この映画、医学の専門家が観たら何と言って吐き捨てるだろう。
俺は全然医学に明るくありませんが、エボラ出血熱を取り上げた小説『ホット・ゾーン』を学生の頃に読んで以来、バイオハザードレベル4の感染症については興味があり、それからもいろいろと調べて初歩の初歩的なところは知識として持っているのですが、そんな知識で観ていても馬鹿馬鹿しくてイライラする浅い内容。

いや、感染症云々を抜いても患者を救う医師の目線で感情移入しかけた途端、中途半端なラブストーリーに変わったり、市民の話になったりで、それらが上手く溶け込んだ編集がされていれば感情移入も出来たんでしょうが、機械的に変わるので全然感情移入も出来ない。
これ見よがしにCGで描かれた都市部の混乱具合が途中に挟まれた日にゃ、寸断された気分で悲しみも緊迫感もどこへやら。

結局は新型インフルエンザの脅威(ブーム)に乗っかっただけの、ひやかし映画に思えたのは俺だけじゃないはず。

煽るのは良いけど、何も知ろうとしない人達に限って追い詰められると暴徒と化してしまう事が心配なので、どうすれば良いのかまで啓蒙する映画であって欲しかったのだけれど…。

あんまりムカつくのでネタバレは観終わった後iPhoneにメモった箇条書きだけをそのまま転機します。

ネタバレ
日本に持ち込んだ医師、危険な感染症持ち込みの危険性について医師として自覚があったのに、悲劇も糞もあったもんじゃない。
また、発症してからも撒き散らしながら、インドネシアに持ち帰って死んでいる。
彼の帰路は全てバイオハザードレベル4、航空機内等での感染は?
その他、危機管理に関する描き方が穴だらけ。

みんな悲惨な死に方をするのに、綺麗な女優だけ血を吐かずに死ぬ違和感。

どう考えてもインフルエンザによる症状とは違うのに気付かない医師たち。
写真に映し出された病原菌の姿はインフルエンザとは全く違う、どちらかと言えばエボラ出血熱そのもの。

血清による治療なんて、ワクチンが出来るまでにつかう初期の治療方法を全く試さなかった理由がわからん。
また、採血から瞬時に出来てしまう血清の謎。

コウモリからヒトに直接感染するのかはエボラでも疑われているが微妙、宿主は抗体を持ってるはずなのに巣くっている洞窟で死にまくってる謎。
ヒトが踏み入れなかった場所に行くようになって感染した設定なのに、あの島のコウモリは主人の死んだ家にも巣くっていた。

事あるごとにマスクとゴーグルを外す主人公達、最後はマスクも付けずにフェイスガードだけで再会。
後ろから飛沫が入ってきますよ!

泣けない役者や漫才師に泣く役をさせるな。

病院内で看護婦がPHSじゃなくてケータイを使いまくるのはマズかないかい。

厚生省叩きなくせにWHOは持ち上げて、でも結局はWHOまでも叩くマスコミ視線がイラっとする。
インドネシアには介入したくても出来ないんだっつーのに。

養鶏場の主人に迷惑をかけるだけかけておいて、自殺に追い込んだマスコミの功罪について描かないのは何故か。
また、専門家から「渡り鳥からの感染経路対策は万全」と言われた養鶏場に、鳥インフルエンザが蔓延した原因についてうやむやにされているのには納得が行かない。

各泣ける場面では死に様の酷さでウルっとする瞬間もあるものの、直ぐにリセットされるイライラの連続。
妻夫木聡が泣いてる場面では、「鼻摘んで泣け」と思ってしまうくらいに最後は集中力も感情移入も無くなってしまっていた。

あ、トップ画像は爆笑ものの主人公ランニングシーンです。
何のためにこの演出が必要だったの?



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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました (シムウナ)
2009-09-27 20:43:58
TB有難うございました。
この映画を観賞していると、
鳥インフルエンザや新型インフルエンザなど
タイムリーな話題に触れているので
これが現実に起きたら、政府の危機管理能力は
大丈夫!?そんな心配が駆け巡りました。

今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
返信する
>シムウナさん (そーれ)
2009-10-01 19:43:12
どうもです!
もっと詳しく知ってたもので、凄く残念な映画でした。
返信する