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渇き。

2014-06-30 | 劇場映画れびゅー

中島哲也監督最新作!『渇き。』を観てきました。
★★★★★

みんな痛々しい、と言うか全員イタいキャラ設定なところにグイグイ惹かれっぱなしでクライマックスへ。
告白』までの作品に描かれていた心に抱える「闇の世界」により深く踏み込み、闇の世界全部盛り、中島哲也監督作黒世界全トッピング的な映画に仕上がっている。
この監督の映画は一見ポップな映像と音楽に彩られていて、映画好きじゃない人でもその世界に踏み込みやすいんだけれど、一歩踏み込むと深みにはまって抜け出せない面白さを持っているので全ての人にお勧めしたいところですが、バイオレンス度が作を重ねるごとにどんどん上がっているので、過激な場面が苦手な方には強くはお勧めしません。

育った環境のせいなのか、親が悪いのか、それともこの娘はそもそも生まれついての悪だったのか。
愛情を受けて育った子供であっても、信念と倫理観までしっかりしていなければ、誘惑に任せて親の知らないところでイケナイコトをしている現実。
いや、信念と倫理観がしっかりした子供なんて居ないから、親はしっかり見ていないといけない。
親の知らないところで子供は思いもよらない事をしているかも、されているかも、そして思いもしない方向に心が成長しているかもしれないと、全ての親たちに警鐘を鳴らしている。

翻って、問題のある大人たちの心の形成にも、きっと子供の頃にまで遡って考えれば原因が見つかるんじゃないだろうかという思いを抱きながら観る事もできる作りになっていて、子供を持つ大人や、子供たち自身にもこの映画が反面教師になるようなつくりにもなっている。
学生入場料1000円のキャンペーンにはその辺のメッセージを込めているのか。
でも、かなりドギツイ暴力シーンと、皮肉に満ちた性的描写が多いので、中学生以下が観るとショックが強すぎてメッセージが逆に伝わってしまいかねません。一緒に観るつもりの親御さんは非行を助長しかねないところにしっかりご注意を。

ネタバレ
短いシークエンスに過去の中島哲也監督作を彷彿とさせる演出を盛り込んでいたり、主役級で関わってきた役者さん達を贅沢に脇で使っているところもうれしい。
特に、もう絶対に中島哲也監督とは絡まないとされていた中谷美紀がまさかの登場で、しかもただのゲスト出演かと思いきや、『松子』を超えそうな体当たり演技を魅せてくれて感激。

他の役者さん達にも全員めが離せない。
役所広司の鬼気迫るキチ◯イ父親は不器用と言う言葉じゃ現しきれない心の闇に犯されている様子が凄く、この人こんな演技もやるんや的な新境地。
小松菜奈の無垢な悪もおぞましくも美しい。
悪と言う意味では悪を全面に出している二階堂ふみは、『地獄でなぜ悪い』を経てキレキレ具合に磨きがかかっている。
無垢ゆえ、愛してしまった彼女にどんな仕打ちを受けても良く解釈するしかなく、とんでもない行動に出てしまった少年を演じる清水尋也の生々しく初々しい芝居も面白い。
中島哲也監督作からこの人も園子温監督作を経て、より深くキ○ガイっぷりを魅せる黒沢あすかも登場するだけで最早わくわくする。
珍しくも恐ろしいオダギリジョーの絶対悪、これに妻夫木聡の軽薄な表情に隠された闇の部分がコントラストになって、屋上駐車場でのシーンがより盛り上がる。


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