俺が小学5・6年生の頃に、同じクラスにいた1人のいじめられっ子と仲良くなったことがある。
昨日、勉強したので「人格障害」的に言うと、俺のその当時の気質は「自己愛性人格障害」で、そのいじめられっ子は「回避性人格障害」だった。
(注・精神医学においては、子供はまだ人格の発育途中とみなされ、人格障害はふつう適応されません)
ちなみに、自己愛性人格障害の特徴から、当時の俺に当てはまるもの。
『1、自分は特別重要な人間だと思っている。
2、限りない成功、権力、才能、美しさにとらわれていて何でもできる気になっている。
3、自分が特別であり、独特であり、一部の地位の高い人たちにしか理解されないものだと信じている。
4、過剰な賞賛を要求する。
5、特権意識を持っている。自分は当然優遇されるものだと信じている。
6、他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない。
7、尊大で傲慢な態度、行動をとり、権威をあざ笑う。』
いじめられっ子の彼の性格に当てはまる「回避性人格障害」の特徴。
『1、他人からの批判、拒否、拒絶をあまりにも恐れるために、目上の人間との接触を避ける。
2、好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。(逆に親しい人間には馴れ馴れしい。)
3、社会的状況の中では、批判されはしないだろうか、拒絶されはしないだろうかと、常に心を奪われる。
4、自分が人とうまくつきあえないと感じるため、新しい人間関係を築けない。
5、自分は社会的に不適切な人間で、長所がなく、人より劣っていると思っている。
6、恥ずかしいことになるかも知れないと言う理由で、何かにチャレンジしたり、新しいことをはじめたりすることに異常なほど消極的である。』
ふつう、こういう人間同士が友達になったら、俺の方が上に立つと思うでしょ?
でも、違うんだよなぁ。
彼は依存心が強かったのだ。そして、俺はプライドが高かった。
彼の依存に答える事ができないと、俺のプライドが満足しない。
俺は何でも出来ると勘違いしているから、彼からの依存ごときは答えられて当然の人間なはずなのである。
出来ないはずないから、依存には全て答えないといけない。
だから、彼と俺との関係は、だいたい依存する彼に主導権があった。
でも、彼がいじめられているのを助けた事は1度もない。
そこらへんが、他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない俺の性質だ。
具体的に言葉にしてくれないかぎり、俺には絶対に分からない。
中学にあがったら、また彼と同じクラスになった。
馴れ馴れしくつきまとう彼にうんざりしつつも、小学校とは違う殺伐とした雰囲気を中学校に俺は感じていた。
ケンカが苦手で、男らしくないのが唯一の弱点だと自覚していたので、暴力をふるう人間を怖れていた。
だけど、他校から寄せ集まったクラスメイトからは暴力の匂いがしてくる。
それが怖かった。
いままでの小学とは違い、中学には俺に暴力をふるいかねない男子がいるのが怖かった。
小学校低学年からの顔見知りなら、どんなに乱暴な奴でも話せば分かるというかんじもするが、仲の良かった友達はみんな他の中学に通い、同じ中学に通うのは、なんだか分からない頼りない奴ばかり。
話し方や立ち振る舞い方がひどく独特の彼は、たちまち他校からきたクラスメイトのいじめの標的になった。
俺には関係ないやとすましていたら、いつの間にか、ある日、いじめが俺に飛び火してきた。
「ひゅーん!」
そんな擬音を口で言う、いじめっ子の人差し指が、俺の眼球スレスレを通り過ぎた。その時に俺は理解した。
このクラスでは、この俺とて、こんな特別な俺でさえ、いじめの標的になりかねないのだ。
俺は特別だ。
お前らごときの、いじめのはけ口になるような人間ではない。
(てか、暴力が怖い。
いじめがエスカレートして殴られたりしたら嫌だし)
指が通り過ぎた時。
その時、瞬時に、俺は心を閉ざした。
口も閉じた。
いじめられる可能性のあるクラスメイトなんぞと、もはや口をきく価値もない。
いじめっ子の行為をすべて無視しよう。
クラスメイトとは口もきかない。
俺を損なう者や損ないかねない者を無視する事で、俺の自尊心は保たれるのだ。
そして。
いじめても、あまりに無反応なので、いじめっ子は去った。
誰とも口をきかないので、全てのクラスメイトも去った。
上等だ。
それで良い。
俺は特別なのだ!
中学、高校と6年間、クラスメイトと会話らしい会話をした記憶はない。
なんとなく、1人だけなんだけど、その6年の間に、生涯の友にしていただきたいような人物(彼を独占する彼女を恨んだほどの人物)に出会えたのだけが唯一の収穫で、それ以外、本当に誰とも本気で会話しなかった。
その間の俺の心はやはりかたくなで、自信は常になかった。
自分のプライドを壊される事をなにより怖れていた。
昨日、勉強したので「人格障害」的に言うと、俺のその当時の気質は「自己愛性人格障害」で、そのいじめられっ子は「回避性人格障害」だった。
(注・精神医学においては、子供はまだ人格の発育途中とみなされ、人格障害はふつう適応されません)
ちなみに、自己愛性人格障害の特徴から、当時の俺に当てはまるもの。
『1、自分は特別重要な人間だと思っている。
2、限りない成功、権力、才能、美しさにとらわれていて何でもできる気になっている。
3、自分が特別であり、独特であり、一部の地位の高い人たちにしか理解されないものだと信じている。
4、過剰な賞賛を要求する。
5、特権意識を持っている。自分は当然優遇されるものだと信じている。
6、他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない。
7、尊大で傲慢な態度、行動をとり、権威をあざ笑う。』
いじめられっ子の彼の性格に当てはまる「回避性人格障害」の特徴。
『1、他人からの批判、拒否、拒絶をあまりにも恐れるために、目上の人間との接触を避ける。
2、好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。(逆に親しい人間には馴れ馴れしい。)
3、社会的状況の中では、批判されはしないだろうか、拒絶されはしないだろうかと、常に心を奪われる。
4、自分が人とうまくつきあえないと感じるため、新しい人間関係を築けない。
5、自分は社会的に不適切な人間で、長所がなく、人より劣っていると思っている。
6、恥ずかしいことになるかも知れないと言う理由で、何かにチャレンジしたり、新しいことをはじめたりすることに異常なほど消極的である。』
ふつう、こういう人間同士が友達になったら、俺の方が上に立つと思うでしょ?
でも、違うんだよなぁ。
彼は依存心が強かったのだ。そして、俺はプライドが高かった。
彼の依存に答える事ができないと、俺のプライドが満足しない。
俺は何でも出来ると勘違いしているから、彼からの依存ごときは答えられて当然の人間なはずなのである。
出来ないはずないから、依存には全て答えないといけない。
だから、彼と俺との関係は、だいたい依存する彼に主導権があった。
でも、彼がいじめられているのを助けた事は1度もない。
そこらへんが、他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない俺の性質だ。
具体的に言葉にしてくれないかぎり、俺には絶対に分からない。
中学にあがったら、また彼と同じクラスになった。
馴れ馴れしくつきまとう彼にうんざりしつつも、小学校とは違う殺伐とした雰囲気を中学校に俺は感じていた。
ケンカが苦手で、男らしくないのが唯一の弱点だと自覚していたので、暴力をふるう人間を怖れていた。
だけど、他校から寄せ集まったクラスメイトからは暴力の匂いがしてくる。
それが怖かった。
いままでの小学とは違い、中学には俺に暴力をふるいかねない男子がいるのが怖かった。
小学校低学年からの顔見知りなら、どんなに乱暴な奴でも話せば分かるというかんじもするが、仲の良かった友達はみんな他の中学に通い、同じ中学に通うのは、なんだか分からない頼りない奴ばかり。
話し方や立ち振る舞い方がひどく独特の彼は、たちまち他校からきたクラスメイトのいじめの標的になった。
俺には関係ないやとすましていたら、いつの間にか、ある日、いじめが俺に飛び火してきた。
「ひゅーん!」
そんな擬音を口で言う、いじめっ子の人差し指が、俺の眼球スレスレを通り過ぎた。その時に俺は理解した。
このクラスでは、この俺とて、こんな特別な俺でさえ、いじめの標的になりかねないのだ。
俺は特別だ。
お前らごときの、いじめのはけ口になるような人間ではない。
(てか、暴力が怖い。
いじめがエスカレートして殴られたりしたら嫌だし)
指が通り過ぎた時。
その時、瞬時に、俺は心を閉ざした。
口も閉じた。
いじめられる可能性のあるクラスメイトなんぞと、もはや口をきく価値もない。
いじめっ子の行為をすべて無視しよう。
クラスメイトとは口もきかない。
俺を損なう者や損ないかねない者を無視する事で、俺の自尊心は保たれるのだ。
そして。
いじめても、あまりに無反応なので、いじめっ子は去った。
誰とも口をきかないので、全てのクラスメイトも去った。
上等だ。
それで良い。
俺は特別なのだ!
中学、高校と6年間、クラスメイトと会話らしい会話をした記憶はない。
なんとなく、1人だけなんだけど、その6年の間に、生涯の友にしていただきたいような人物(彼を独占する彼女を恨んだほどの人物)に出会えたのだけが唯一の収穫で、それ以外、本当に誰とも本気で会話しなかった。
その間の俺の心はやはりかたくなで、自信は常になかった。
自分のプライドを壊される事をなにより怖れていた。