O・ヘンリーの『賢者の贈り物』を読んだ事があるだろうか?
自慢じゃないけど、俺は読んだ事がある。
自慢の美しい髪を売って時計の鎖を買う女に、とかす髪のない女に送る為に宝物の時計を売ってクシを送る男。
死ぬほど馬鹿らしい話だ。
送る方は相手の欲しい物ぐらい事前にリサーチしておけよと思うし、くれるってんだから貰う方も本当に欲しいものをきちんと相手に説明しておけと思う。
意思疎通がキチンと出来てない事なんか自慢にもなんにもならないし、何が賢者なんだか、ただの愚者同士の贈り物だ。
もっとも、胡散臭いと思うのは、髪を売って時計用の金鎖を買ったのはもっともらしいありえそうな話だけど、時計を売った代金でクシを買ったなんてありえないと思う。
宝物とまでしていた時計を売った金とクシが同等の世界観は、俺には分からない。そんなに高いクシなんかがあるのだろうか?
まぁ、クシだってピンキリだろうから、高いクシは高いんだろうけど、なんか納得がいかない。
この物語の女は、髪を売った金を全て男の為に使っているが、どうも男は絶対に自分の快楽の為に一部を着服している。クシを買った残金で、飲みに行ったか風俗にでも行ったはずだ。
女は全てをささげたが、男はそれなり。あの物語の教訓はそういう事だろう。男はやっちまった女に対しては本当にケチだ。男の価値観なんてそういうもんだしな。