墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

平成マシンガンズを読んで 150

2006-11-24 02:52:59 | 

「ではさっそく、『自由な個性を伸ばす教育』の意味を、辞書にのっとって置き換えてみよう。
 『心のままにすることや思うとおりにすること、な、他とはちがってる特性、を、豊かに大きくする、おしえそだてる』。
 これが標準的なとらえ方での『自由な個性を伸ばす教育』の意味だ。
 言葉の意味を正確に解するなら、ようするに、『やや自分勝手な他にはない特性を増長させながら教えてさしあげますよ』と言っている。
 だが、塾のスローガンなんだから、こんな意味じゃないだろう。たぶんこのコピーをつくった人はもっと清らかなイメージを抱いて『自由な個性を伸ばす教育』と言っているはずだ。ちゅーか、このコピーをつくった人はたぶん日本語を知らない人なんだろう、少し日本語を勘違いしている外国から来た英語の先生かなんかがつくったコピーなんだろうな」

「どゆこと?」

「そもそも、『個性』って伸ばしたり教育できたりするもんなのって疑問がある。ちゅーか『個性を伸ばす』って言い方は日本語として『ルール違反』なんじゃないのと思うんだが。
 こっからは辞書的な意味を離れて、俺の考えになるが、俺は『個性』は伸びたり縮んだりしないと思うし、まして教育するものではないと思う。
 ところで、のばしてしまえー!」

「もう笑わないよ。そう何度も同じ言葉じゃ笑わない」

「そうか。でさ、俺は思うんだ」

 死神はいきなり、さも意味ありげに言う。

「何を?」

「のばしちまえー」

 ウプッ。うわっは。うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!


平成マシンガンズを読んで 149

2006-11-24 02:14:32 | 

「ごめんよ、思いつきで喋ってんで話がすぐに横道にそれる。話を戻そう。『自由な個性を伸ばす教育』って言葉はどういう意味なのかって話しだ。どぉーゆぅ意味だろ?」

「えぇー、良く解んないけどぉ、自由なぁ個性ぉ伸ばすぅ教育ぅなんじゃぁないかなぁ」

「オイ、語尾を伸ばしてるだけで言い換えにもなってないじゃないかよ。じゃーまず、『自由な個性を伸ばす教育』を国語辞典を参考にして別の言葉に置き換えてみよう」

 死神はテーブルの下に置いてあった辞書を取り出して私に手渡した。お父さんが学生時代に使っていたおさがりの角川国語辞典。

「まず、『自由』って引いてみな」

「えーと、まる1。心のままにすること。思うとおりにすること。
 まる2、わがまま、きまま。
 まる3、法律の範囲内で随意の行為」

「『自由教育』って項目あるか?」

「あった、個性を尊重して行う教育だって」

「この『自由な個性を伸ばす教育』は、『自由教育』の概念と似ているようだが少し意味が違うようだ。そこで、一番目の『心のままにすること。思うとおりにすること』を『自由』の意味だとしよう。次に『個性』を引いてみな」

「『個性』は、個人または個体の性質。他とはちがっている特性。パーソナリティー」

「『自由な個性を伸ばす教育』の『個性』とは、『他とはちがってる特性』だろうな。次に『伸ばす』!」

「まる1、曲がった体をまっすぐにする。『腰を伸ばす』
 まる2、手足をまっすぐにつき出す。『腕を伸ばす』
 まる3、豊かに大きくする。『才能を伸ばす』『記録を伸ばす』
 まる4、相手を暴力でたおす。『伸ばしてしまえ』っっ!
 えっ! ぐぅ、うふ。プッ!
 うひゃはははは!!」

「なに1人で受けてんだよ。何がどうした?」

「だってー。だって、辞書のクセして『のばしてしまえぇー』だって。ウヒャハハハハ。うっふふふふふ。うわっワハハハッ」

「辞書を読んで1人ツボにはまらないように。いつまでも受けてんなよ。次は『教育』!」

「まる1、おしえそだてること」

「すげぇな、漢字のまんまじゃん」

「まる2、未成熟者の心身の諸性能を発達させる目的で、そのための刺激や影響を、一定の方法で一定期間続けてあたえること」

「まるほど。ところで話はいきなり変わるが、『のばしてしまえー』!」

「ぶひゃ! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

「おもしれーなぁ。ダンシングひまわりのようだ」


平成マシンガンズを読んで 148

2006-11-22 20:44:13 | 

「人間は自分をスゴいと勘違いしたい生き物だ。
 自分がスゴいと勘違いする為であれば、どんな汚い思考的な手段でも臆面もなく平気で使う。ちゅーか、自分がスゴいと勘違いする為なら人間は手段を選ばない。
 いわく、日本国民は優れている。
 なら、俺は日本国民だから優秀だ。
 いわく、他民族は劣っている。
 なら、俺は他民族でないから優秀だ。
 いわく、うちの家系は由緒正しい。
 なら、俺の血も由緒正しい。
 いわく、あなたはやれば出来る子なのよ。
 なら、俺はまだ何もやってない。可能性だけありゃ十分だ。
 自分をすごいと勘違いするための方法だけは山ほどある。
 でも、勘違いだらけの人生って悲しくないか?
 自分を正当に評価してみたくはないか?」


水曜の朝

2006-11-22 05:47:01 | 携帯から

ぼっーと自転車をこいでいるうちに駅に着いていた。空を見るのを忘れたので晴れてんのか曇っているのか分からない。車窓からは暗い中を街あかりが流れていくのが見えるだけだ。風は弱くそれほど寒くない。