「復讐の基本方針は『母性社会』への復讐である。次に決めるべきは誰に復讐するかだ」
うーん、いつの間にかそういう事になっている。
「復讐なんてやだよ、つまんない」
「やってもみないうちに簡単につまんないとか言うな。あんたは溝上さんか。まずは、やってみる。これが大事なのだ」
溝上さんって誰だ?
「で、私は誰に復讐するの?」
「あんたはあんたを苦しめるモノに復讐する。あんたという不幸な人間を産み出した社会への復讐だ!」
「社会? 理科には復讐しなくて大丈夫?」
「混ぜ返すな。俺はマジで真剣に生真面目に話している」
「死神って、似たような意味の言葉を無駄に繰り返すのが好きだよね」
「あぁ、『類字語辞典』は俺の愛読書だ。あんたの俺に対する指摘は、凡そあらましに置いて大方の大抵の物議は大概にして、総体を見るなら押し並べて九分九厘、99・9%の確率で殆ど十中八九は九分通りでだいたい当たっていると言える。」