「ものすごくキチンと細かく分け方のルールを決めれば、なんだか、なんだって分けられそうな気分になってくる。それが学問だ。分け方のルールに従って分別すれば、誰もが同じ答えに導かれる大系、それが学問なのだ。
ところが、学問って、分け方のルールがあまりに多すぎてルールを全て覚えきれない。それで多くの人は学問は難しいと勘違いする。安心しろ、学問は難しくない。分からないあんたの記憶容量が足りないだけだ。
分け方のルールが特に理路整然としているのが、数学や物理などだ。ルールさえ覚えれば必ず誰もが同じように分ける。
数学なんて簡単だ。全ての記号の意味を間違いなく理解して、ルールにのっとりさえすれば必ず正解にたどりつく。
だが、数学の記号の意味やルールを覚え込むまでが大変なんだよね。
俺なんか九九を丸暗記すんので精一杯だ。
学生は、記号の意味やルールを疑ってはいけない。
もちろん、新たな数学の仕方を創ろうとしている数学者なら別だろうけど。
でもさぁ、所詮はルールだからさぁ。
なんでだよとつい思っちゃうのよ。
例えば『0×5=0』。
ゼロは無い事じゃん。無いモノを5回かけるってどういう事なのと思わない。ひとつも無いミカンが5列ありますってどういう状況なんだよって思わないか?
でさ『5×0=0』。
5個のミカンが0列ありますって、そんな状況ありえるかっ。ちゅーかもうミカンが無いなら無いとハッキリ言ってくれってかんじだ!
かけ算を、ミカンやリンゴの列として考えるからいけないんだろうけど、そういう風に教わったんだもの仕方ないじゃんか。
その上に、俺は疑り深くて記憶力が悪い。
生まれ変わったら素直で記憶力が良い人間になりたい」